図解
※記事などの内容は2019年5月14日掲載時のものです
日産自動車が14日発表した2019年3月期連結決算では、収益力低下が鮮明になった。売上高に対する本業のもうけの比率を示す営業利益率が2.7%と、前期から約2ポイント悪化。トヨタ自動車(8.2%)やスズキ(8.4%)の3分の1にとどまり、自動車大手7社の中で下位に甘んじた。前会長カルロス・ゴーン被告が主導した拡大路線の「負債」が重くのしかかっている。
「今回の業績は大変申し訳ないと思っている」。日産の西川広人社長は14日の決算記者会見で率直に陳謝した。西川氏は「(問題の)多くは元の体制から受け継いだ負の遺産だ」と指摘。「今後2、3年もらえれば、元の日産に戻す」と決意を強調した。
日産の営業利益率は、ゴーン改革でリストラが進んだ00年代前半には約10%だった。19年3月期の数値は、リーマン・ショックで赤字に転落した時期を除けば、ゴーン体制で経営再建が本格化した00年3月期(1.4%)以来の低さとなる。
一方、日産の世界販売台数は18年3月期に過去最高の577万台と、10年間で200万台増加した。日産とフランス自動車大手ルノー、三菱自動車の3社連合を世界販売で首位にするため、ゴーン体制下でアクセルを踏み続けた結果だ。
ただ、規模拡大は収益力向上につながっていない。日産は近年、主力の北米市場でライバルに対抗するため、値引きの原資となる販売奨励金を膨らませてきた。「安売り」のイメージが定着し、販売は奨励金に依存しているのが現状だ。
日産は利幅が薄いレンタカー会社などへの大口販売を減らすほか、ブランド力の回復に向けて奨励金削減を断行するなど、北米事業の立て直しを急ぐ方針。世界的に余剰生産能力の削減も進め、収益性の回復に全力を挙げる。
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