中国の景気が低迷を続ける中、撤退したり事業を縮小したりする日本企業が相次いで報じられている。戦略コンサルタントの伊藤隆太さんは「三菱自動車もホンダも、資本と技術を中国に縛られる前に手を打った。一方、中国市場で勝ちすぎたドイツ企業は、巨大な投資が足かせとなり、動けなくなっている」という――。 ドイツ車は中国に賭け、日本車は逃げた 2020年、中国政府が不動産の過熱を抑えようと規制を強めた結果、大手デベロッパーが次々と経営破綻に追い込まれた。バブル崩壊から約5年、住宅価格はいまも下がり続けている。住宅価格の下落やデベロッパーの債務問題は、建設業だけの不況にとどまらず、地方財政、家計消費、若年層雇用、外資企業の投資判断にまで影を落としている。 中国国家統計局の集計によれば、5月の小売売上高は前年同月比0.6%減と、2022年12月以来初めて減少した。1~5月の不動産投資も16.2%減と落ち込みが
ガソリン価格の高騰が家計を直撃する昨今、日々の移動手段における「節約志向」がかつてないほど高まっています。その一方で、街では違法な「ペダル付き原付(いわゆるモペット)」の摘発や、電動アシスト自転車の交通違反に対する罰則強化など、取り締まりの目が厳しくなっています。 「手軽で、安く、そして合法的に安心して乗れるコミューターはないのか?」 そんな声に応えるように登場し、品薄状態が続いているゲームチェンジャーが、ホンダの新型電動スクーター「ICON e:(アイコン イー)」です。 現在、大手バイク検索サイトを見ても関東圏で即納できる現車はほぼ皆無という大熱狂。私自身、購入を決意して実車を探し回り、横須賀の店舗でようやく見つけた最後の1台を滑り込みで確保しました。店頭にあった3色はすべて完売しており、今から新規発注すると、納車は10月以降になる店舗も少なくありません。 なぜこれほど売れているのか。
国内自動車メーカーの決算が出揃った。 ホンダ、日産の赤字決算や、米国の関税影響などもあり減益となったトヨタなど、日本の大手自動車メーカーが軒並み調子を落とす中、1社だけ異なる挙動を示している企業がある。 スズキだ——。 日本車メーカーが関税と電動化の重みに喘ぐなか、スズキだけは売り上げ、純利益が過去最高となった。その理由を辿ると、行き着くのはインドの大衆車市場であり、その先にあるアフリカへの道だ。実はスズキは2025年9月、南アフリカで1100台のジムニーを集めてギネス記録も更新している。 「一人勝ち」ではない、しかし「最も傷が浅い」一番人気のアルトマルチスズキ公式メディアサイト 「スズキ一人勝ち」という言葉が2026年春の決算シーズンに踊った。スズキの2026年3月期通期決算は、売上収益が前期比8.0%増の6兆2930億円で過去最高、純利益も5.6%増の4393億円で過去最高を更新した。
ソニーグループ(以下ソニーG)は5月8日、経営方針および業績に関する説明会を開催した。 同日開示された2025年度の連結業績は好調だった。売上高は12兆4796億円(前年比4447億円増)、営業利益は1兆4475億円(前年比1709億円増)で過去最高を更新している。 業績には、ホンダとのEV合弁事業である「ソニー・ホンダモビリティ」の事業を停止するための費用を中心に、総額563億円もの損失も追加計上されている。 ソニーグループ 取締役代表執行役社長CEOの十時裕樹氏。画像:筆者によるスクリーンショットだが、それでも過去最高益を叩き出し、次に向けた大きな一手も発表した。 それが、台湾半導体製造大手であるTSMCと、次世代イメージセンサーの開発に関する合弁事業を行うという発表だ。ソニーGは、技術的基盤を支えるイメージセンサーについて、製造戦略を大きく変えていく。 ゲームと音楽、映画で安定的な収
高根英幸 「クルマのミライ」: 自動車業界は電動化やカーボンニュートラル、新技術の進化、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題に直面している。変化が激しい環境の中で、求められる戦略は何か。未来を切り開くには、どうすればいいのか。本連載では、自動車業界の未来を多角的に分析・解説していく。 日本の自動車市場で最も売れたクルマは、2025年度もホンダのN-BOXだった。軽四輪車では、なんと11年連続の首位。しかし、これを快挙と伝えるのは微妙である。というのも、これがホンダの業績の足を引っ張っている原因の一つなのでは、と思えるからだ。 それどころか、現在の日本の社会構造を反映している、とさえ思えるのだ。その理由を解説したい。 ホンダのNシリーズは、それまでスズキやダイハツらに劣勢を強いられていたホンダが軽自動車を本気で開発し、起死回生を図った意欲作であった。 まさにホンダの技術力とアイデアの塊とい
ソニーグループ株式会社(以下「ソニー」)、本田技研工業株式会社(以下「Honda」)と両社の合弁会社であるソニー・ホンダモビリティ株式会社(以下「SHM」)は、SHMの今後の事業の方向性及びSHMのあり方について協議・検討を進め、合意に至りましたので、以下のとおりお知らせいたします。 これまでの経緯として、2026年3月12日付のHondaによる四輪電動化戦略の見直し発表を受け、ソニー、Honda、SHMは、同月25日にAFEELAの第1弾モデル「AFEELA 1」及び第2弾モデルの開発・発売中止を発表しています。 その後、上記を踏まえたSHMの今後の事業の方向性について3社で検討を重ねた結果、SHMの設立趣旨に基づいた商品やサービスの市場投入について、既存の枠組みの下では、短中期的に実現可能な手段を見出すことが困難であるとの結論に至りました。これを受け、当面は従来の体制を見直し、SHMの
タイトルのとおり新卒で入社したホンダの研究所をたった3年で退職しました。
記者会見をする日産自動車のエスピノーサ社長=横浜市西区で2025年7月15日午後5時5分、新宮巳美撮影 日産自動車とホンダが経営統合に向けた協議の打ち切りを発表してから、13日で1年。ホンダの子会社となる案を拒んだ日産は、業績悪化に苦しみながらも自力再生の道を選んだ。大リストラを断行し、今またホンダとの再接近も探るが、激動の自動車業界で生き残っていけるのか。 <関連記事> “技術の日産”取り戻せるか 反転攻勢へ問われる「新たな車づくり」 米国で共同生産、開発も 改革の主導権を握ろうとしたホンダと、自主性の確保にこだわった日産。互いの溝が埋まらず、2024年12月の協議開始から50日ほどで歴史的統合は破談となった。 その両者は今、再び距離を縮めつつある。 「オープンに協議している。業界の課題について共通の認識を持っている」。破談後に辞任した内田誠前社長の後を継いだ日産のイバン・エスピノーサ社
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ある日、ふと見渡せば気づく。街を走るミニバン、軽自動車、SUVの多くが、威圧感満載の「顔つき」をしている。グリルは大きく、メッキがギラギラと輝き、ヘッドライトは吊り目で鋭く睨みを効かせている。 この「威圧フェイス」はなぜ生まれてきたのだろうか? 顔こそすべてな日本車トヨタ・ルーミートヨタ公式メディアサイト日本車のデザインにおいて特徴的なのは、プロポーション全体よりも、フロントマスクだけが突出して作り込まれる傾向だ。これは「グリルやライト周りを徹底的に盛る」「サイドやリアの造形は相対的に平板」という構成に顕著に現れる。 欧州では、Aピラーの傾斜やキャビン位置、ホイールアーチからリアオーバーハングまで、全体の造形の流れを重視する伝統がある。それに対して日本では、「最もよく人目にさらされるのはフロントフェイスである」という判断から、デザインエネルギーが前方に集中する。 自動車に限らず、日本のデザ
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