「人生100年時代」は、いつの間にか私たちを「幸福な長寿社会」ではなく「老後不安社会」へと運んでいる。未来に向けて、私たちは何を携えて生きていけばいいのだろう。それはNISAか、貯金か、家族か、人とのつながりか、それとも別の何かか。さまざまな生き方を手がかりに、「豊かさ」の正体を探っていく。(フリーライター 若月澪子) コロナ以降、危機に瀕した官能小説 「官能小説」が危機に瀕しているという。 「官能小説」と聞いても、若い人にはどんなジャンルかわからない人もいるかもしれない。「エロ小説」とも言い換えられるが、芸術性の高い作品もあり(芸術性の有無で差別していいのかという問題もあるが)、れっきとした大衆文学の一ジャンルである。文学が人間の内面を暴露するものだとすれば、官能小説は究極の文学だとも言える。 官能小説が危機に瀕したのは、コロナに入ってからのことらしい。 「官能小説家で年間10冊以上出し

