人が誰かを傷つけようとするとき、普通なら恐怖や罪悪感といった「心のブレーキ」が働きます。 ところが、計画的に殺人を実行する人では、このブレーキに関わる脳領域に違いがあるのかもしれません。 米ペンシルベニア大学(Penn)の研究では、公判前の殺人者の脳をMRIで調べたところ、計画的な殺人を行った人ほど、感情処理に関わる扁桃体の体積が小さい傾向が示されました。 詳細は、2026年5月13日付の学術誌『Aggression and Violent Behavior』に掲載されています。
無快楽症とは? 快楽を感じにくくなる脳のメカニズム無快楽症とは、楽しいと感じるはずの活動に対して興味を持てなくなる状態を指します。 これはうつ病や統合失調症などの精神疾患と関連が深いとされていますが、必ずしも精神疾患のみに限らず、加齢や環境要因によっても発生する可能性があると言われています。 最新の研究では、視床の室傍核(PVT)と側坐核(NAc)の間の機能的結合性が強化されることが、無快楽症の症状と関連していることが明らかになっています。 視床の室傍核(PVT)と側坐核(NAc)の位置/Credit:Wikimedia Commons PVTは覚醒・ストレス応答・報酬処理・学習と記憶という複数の機能を統合する重要な場所です。そして側坐核とつながることで報酬や動機づけに関連するされていて、側坐核はやる気スイッチなんて表現されることもある場所です。 この2つの脳領域の結合が強くなると、報酬系
ケーキ、ラーメン、ハンバーガーなどなど、これらは私たちの大半が「おいしい」と感じる食べ物の筆頭でしょう。 ただし頻繁に食べ過ぎていると体に悪いのも周知の事実です。 対して青汁や納豆、苦味の強い野菜などは好物とする人こそ少ないものの、体にはとてもいい食べ物として知られます。 長期的な健康のことを考えると「美味しくはないけど健康にいい食べ物」を選ぶべきでしょうが、多くの人はこれを実践できず、誘惑に負けて「健康によくないけど美味しい食べ物」を優先しているかもしれません。 では「美味しくないけど健康にいい食べ物」を選べる人は、どのような脳メカニズムをしているのでしょうか? どんな脳活動をしている人が長期的な健康利益を優先できるのでしょうか? 群馬大学、生理学研究所(NIPS)らの研究は、その答えを見つけました。 研究の詳細は2024年7月26日付で科学雑誌『Cerebral Cortex』に掲載さ
アルツハイマー病の発症メカニズムが明らかになるにつれて、早期治療が必要であることがわかってきました。早期治療には早期診断が不可欠です。そのためにJ-ADNIという大規模な研究プロジェクトが東京大学を中心に進んでいます。 「アルツハイマー病のない社会」を目指す 図1:患者の脳組織 黒い点が神経細胞死、繊維状にたまったタウタンパク質(赤矢印)、アミロイドβ(緑矢印) © Takeshi Iwatsubo. 高齢化社会の到来とともに、認知症の患者数が増加しています。2020年には、患者数が325万人になると予測されており、その対策が迫られています。認知症とは、「生後いったん正常に発達した種々の認知機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活や社会生活を営めない状態」をいい、その原因で一番多いのがアルツハイマー病です。 アルツハイマー病は、ドイツの病理学者アルツハイマー博士によって、1906年には
多湖 輝(たご あきら、1926年2月25日 - 2016年3月6日)は、日本の心理学者。千葉大学名誉教授。元東京未来大学学長。代々木アニメーション学院名誉顧問。 多湖輝研究所所長、東京都「心の東京革命」推進協議会会長、特定非営利活動法人「0歳からの教育」推進協議会理事長、東京アマチュア・マジシアンズクラブ会長、日本創造学会名誉会長などを務めた。 「これしかない」という考え方は間違いであり、物事にはいろんな見方があることを訴え続けた。また固定観念に凝り固まっていては創造的な人間は生まれないとし、独創性を育てるために幼児教育が重要だと主張。「諸悪の根源は個人個人の頭の固さにある」とする独創的な人生観を持つ。 1966年に発表した思考パズル本「頭の体操」シリーズは累計部数1200万部を超えるベストセラーとなり[1]、以来約40年間に23巻までの続編が出版されている。また「頭の体操」という言葉そ
ほほえみながら見つめあう夫婦。 2人の間はガラス窓で隔てられています。 認知症と診断され、記憶が失われていく妻。 しかし、新型コロナの感染対策のため、直接触れ合うことはできません。 「あなたが忘れ…
アメリカでは、成人女性たちの間で「ADHD(注意欠如・多動症)」が大幅に増えているそうだ。 ADHDはすべての年齢層で増加しているもの、23~49歳の女性ではとりわけ顕著で、2020年から2022年にかけてほぼ2倍になっているという。 アメリカでは全体的にADHDの割合が増加、特に女性で顕著 こうした最近の傾向は、アメリカの健康分析会社「Epic Research」による調査で明らかになったことだ。 この調査では、2010~2022年にADHD(注意欠陥・多動性症)と診断された330万人以上の患者データを分析している。 その結果、アメリカ全体ではADHDが3倍に増加していることが判明。だが大きな特徴として、過去12年間で男女差が縮まってきていることが示されている。 この画像を大きなサイズで見るphoto by iStock ADHDは男女で症状が異なる、女性の場合は見過ごされるケースも A
12年という膨大な時間をかけ、ようやく小さなハエの脳の完全なマッピングが完成したそうだ。 その結果、キイロショウジョウバエの幼虫の脳には、3016個の神経細胞(ニューロン)同士の54万8000個の結合が網羅されていることが明らかになった。 そこからは、左右の脳のコミュニケーションなど、神経細胞の種類やその経路が明らかになっている。 こうした研究を通じて、脳内で交わされる信号がどう行動や学習につながるのか、いっそう理解を深められるそうだ。 12年の歳月をかけ数千枚の脳の写真を1枚の地図に キイロショウジョウバエの神経細胞のつながりを示した地図「コネクトーム」は、何千もの脳のスライスを電子顕微鏡で撮影し、それらとこれまでに集められた神経細胞の結合データを丹念に組み合わせたものだ。 完成したコネクトームには、個々の神経細胞の結合だけでなく、右脳と左脳とのやり取りも記録されており、脳の相互作用をい
最近よく聞く「メタバース」だが、これはコンピューターで作られた、現実世界とは異なる3次元の仮想空間やそのサービスのことを意味する。 「超越(メタ:meta)」と「宇宙(ユニバース:universe)」を組み合わせた造語であり、いわば、仮想現実(VR)で作り上げたバーチャルの世界だ。ヘッドセットでプラットフォームにアクセスすればメタバースに入ることができる。 チェコ共和国のVR開発企業は、”永遠に生きる”機能が実装しようとしている。 VRで収集された本人に関するありとあらゆるデータを利用し、AI(人工知能)の力で容姿や声、人格までそっくりなデジタルアバターとして転生させるのだ。 父親の死をきっかけにメタベースに永遠に生きる機能を考案 チェコを拠点にするメタバース開発企業「ソムニウム・スペース(Somnium Space)」社の最高経営責任者(CEO)アルトゥール・シチョフ氏の父親は、5年前、
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人間の脳は、よくコンピューターに例えられます。素晴らしい能力を持っていますが、果たしてその容量はどれくらいあるのでしょうか。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、脳をコンピューターのハードドライブに見立てて、その容量を「ビット数」で表してみた研究結果をお届けします。 脳にはどれくらいの「データ」を保管できるのかOlivia Gordon氏:コンピューターは素晴らしいですよね。しかし私たちの脳は最も素晴らしいコンピューターであると言えるのではないでしょうか。もしあなたが新しいコンピューターを購入しようとするとき、きっとハードドライブの容量サイズも考慮されるでしょう。つまり、そのコンピューターがどれくらいのデータを保管することができるのかということです。 そこで、その質問を私たち自身に投げかけてみるのも興味深いのではないでしょうか。もし私たちの脳がコンピュータ
Advanced technologies for controlled delivery of light to targeted locations in biological tissues are essential to neuroscience research that applies optogenetics in animal models. Fully implantable, miniaturized devices with wireless control and power-harvesting strategies offer an appealing set of attributes in this context, particularly for studies that are incompatible with conventional fiber
イーロン・マスク氏が手掛ける脳直結型装置、ニューラリンクなど、人間の脳とコンピューターの脳を直接つないでしまおうという試みは着々と進んでいる。 電脳化が当たり前になるであろう未来の世界では、思考だけでコンピューターを操作し、広大なネットの世界を自由に飛び回れることとなるだろう。 生憎、今のところ電脳化された脳は不自由な存在だ。配線によってコンピューターにつなぎ止められているからだ。 だが電脳はようやく移動の自由を手に入れることができたようだ。米ブラウン大学のグループが、世界で初めて脳とコンピューターを接続するデバイス「ブレイン・マシン・インタフェース(BCI)」のワイヤレス化に成功したからだ。 ワイヤレスで脳とコンピューターをつなぐ技術「ブレインゲート」 米ブラウン大学が開発したBCI「ブレインゲート」は、脳内に移植されてそのシグナルを検出する電極アレイと、シグナルを解読する「デコーダー」
Human evolution has been shaped by selection pressures towards enhanced inter-individual cooperation1,2. Social interactions are crucial for survival, and fulfillment3. Our species’ extraordinary reliance on other individuals has led to the characterization of humans as the “ultra-social animal”2. Consequently, the absence of sufficient social engagement can impose substantial physical and psychol
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