人が誰かを傷つけようとするとき、普通なら恐怖や罪悪感といった「心のブレーキ」が働きます。 ところが、計画的に殺人を実行する人では、このブレーキに関わる脳領域に違いがあるのかもしれません。 米ペンシルベニア大学(Penn)の研究では、公判前の殺人者の脳をMRIで調べたところ、計画的な殺人を行った人ほど、感情処理に関わる扁桃体の体積が小さい傾向が示されました。 詳細は、2026年5月13日付の学術誌『Aggression and Violent Behavior』に掲載されています。
「撃たれたような痛み」と聞いて、あなたは何を想像するでしょうか。 それを比喩ではなく、本気で体験し続けた科学者がいます。 アメリカの昆虫学者、ジャスティン・オーベル・シュミット(1947〜2023)です。 彼は研究人生の中で、150種以上の昆虫に刺されてきました。 しかもその多くは、科学のためでした。 Justin Schmidt Was Stung By Over 150 Species In His Career. Weirdest Of All, It Was On Purpose https://www.iflscience.com/justin-schmidt-was-stung-by-over-150-species-in-his-career-weirdest-of-all-it-was-on-purpose-82604
DATE2025.11.26 #Press Releases 暗黒物質がついに見えた!? ー天の川銀河のハローから高エネルギーガンマ線放射を発見ー 発表のポイント 天の川銀河の中心方向に、ハロー状にぼんやりと広がるガンマ線の放射を発見しました。 その性質は、長年探し求められてきた、暗黒物質が放つと予想されるガンマ線放射によく合致しており、暗黒物質からの放射を初めて捉えた可能性があります。 今後の検証で、本当に暗黒物質からのガンマ線であることが確定すれば、天文学・物理学における最大の難問の一つがついに解明されることになります。 天の川銀河の中心方向に広がるハロー状のガンマ線放射 (中央の灰色のバーは銀河面に対応する領域で、解析から除かれた領域。詳細は図1参照。) 発表概要 東京大学大学院理学系研究科の戸谷友則教授は、フェルミガンマ線観測衛星(注1)の最新データを解析し、我々が住む天の川銀河(
カールスルーエ工科大学(KIT)の研究チームが、クロム、モリブデン、シリコンを組み合わせた新しい耐火金属合金を開発した。 この合金は融点が約2,000度セルシウスで、常温では延性があり、臨界温度範囲でも酸化が遅いという特性を持つ。現在のニッケル基超合金は最大1,100度セルシウスまでしか使用できないが、この新合金はそれを大幅に上回る動作温度での使用が可能になる。 KIT応用材料研究所のマーティン・ハイルマイヤー教授によれば、タービンで100度セルシウスの温度上昇を実現できれば燃料消費を約5パーセント削減できる。この研究はドイツ研究振興協会(DFG)の研究訓練グループ「MatCom-ComMat」の枠組みで行われ、ルール大学ボーフムのアレクサンダー・カウフマン教授が発見に貢献した。 産業レベルでの実用化には多くの開発ステップが必要とされる。 From: Scientists forge “s
ツボクサの細胞から放たれる小胞(EV)に着目ツボクサは日本でもよくみられます / Credit:Centella asiatica.jpgもしかすると、髪の毛には宅配便が必要だったのかもしれません。 お風呂の排水口に絡まる抜け毛や、朝起きたとき枕についている髪の毛を見て、「あぁ、もっと簡単に髪が増えたらいいのにな…」と思ったことはありませんか? 実際、男性の約半数、女性でも3~4割が一生のうちに薄毛に悩むとされています。 つまり、薄毛の悩みはもはや特別なものではなく、とても身近な問題です。 こうした薄毛対策として育毛シャンプーや市販の育毛剤が使われますが、劇的な改善はなかなか難しいのが現実です。 そのため、病院で処方される医薬品を使うケースも増えています。 代表的なのは「ミノキシジル」という頭皮に塗る薬(毛根を刺激して髪を育てる働きがある)と、「フィナステリド」という飲み薬(脱毛を引き起こ
がんの撲滅に貢献した個人・団体をたたえる「松岡良明賞」に、岡山大学の藤原俊義教授が選ばれました。 【写真を見る】「松岡良明賞」に岡山大学の藤原俊義教授 がん細胞だけを攻撃するウイルス製剤を開発【岡山】 受賞したのは、岡山大学消化器外科の藤原俊義教授です。藤原教授は、がん細胞だけを攻撃するウイルス製剤を開発し、医療現場での応用を目指してきました。今年中に食道がん治療に向けた薬事承認の申請を予定していて、体力がなく手術や抗がん剤治療が難しい患者らへの新たな治療法になると期待されています。がん撲滅へ向けての功績が高く評価されました。 (岡山大学 消化器外科 藤原俊義教授) 「次世代のウイルス製剤というのも新たに開発をしております。がん患者さんにとって光となり希望となることを心から望んでいます」 藤原教授は、今後はすい臓がん治療に向けた新たな次世代ウイルス製剤の開発も進めたいと話しています。
アメリカのハーバード大学医学大学院(Harvard Medical School)およびMIT(マサチューセッツ工科大学)などがが共同運営するブロード研究所で行われた研究により、「肥満」という現象は、実は11種類もの遺伝的なタイプ(エンドタイプ)に分けられることが明らかになりました。 また研究では世界各国から200万人以上の遺伝子データが解析されており、その結果、これまで知られていなかった新規86か所を含む743か所の遺伝子領域が肥満と関連していることが判明しました。 こうした発見は、肥満の治療や予防を、タイプごとに個別化できる可能性を示しています。 「なぜ同じ食生活や運動習慣でも、太りやすさが人によって違うのか?」という疑問の答えは、遺伝子の中にあるのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年7月2日に『medRxiv』にて発表されました。 Genomics reveals eleven
条件によって燃え続けたり、消えたりします。 「無重力でろうそくを燃やすと、炎の形が丸くなってしまうのはなぜでしょうか」で述べたように、無重力では温度が高い気体とふつうの温度の気体との間に重さの違いがないので、対流が起こりません。このため、燃焼によってまわりの酸素が使われても、新鮮な空気が供給されず、ろうそくの火はすぐに消えてしまう…とこれまでは考えがちでした。しかし、スペースシャトルやロシアの宇宙ステーション「ミール」で行われたろうそくの燃焼実験では、45分間燃え続けた例も報告されています。これは、「拡散」により酸素が供給されたからです。 物質の濃度が場所によって異なるとき、時間とともに物質の濃度は一様になっていきます。この現象を「拡散」といいます。この「拡散」によって、じわりじわりと酸素が供給されていくため、ろうそくは燃え続けるのです。ただし、地上で重力がある場合の対流による供給速度に比
現代の錬金術です。 CERNのALICE実験コラボレーションによる国際研究チームは、LHC(大型ハドロン衝突型加速器)で鉛イオンのビーム同士をほぼ光速ですれ違わせることで、億単位の金原子核を生み出すことに成功しました。 生成された金原子核の寿命は一瞬でしたが、中世錬金術の夢を現代物理の力で実証した例と言えるでしょう。 いったいどのような原理で鉛から金が作られたのでしょうか。 研究内容の詳細は2025年05月07日に『Physical Review C』で発表されています。
強い毒を持つ外来生物のヒアリについて、国立環境研究所は早期発見や防除の研究などを進めるための実験施設を日本で初めて設け、ヒアリの飼育を始めました。 ヒアリは、南米原産の赤褐色をした外来生物のアリで…
赤いリンゴや赤い信号、赤い夕焼け──私たちは日常的に「赤」と呼ばれる色を当たり前のように見分け、言葉を交わしています。 でも、「私が見ている赤」と「あなたが見ている赤」は本当に同じなのでしょうか? この素朴な疑問は、実は意識研究の世界では長年にわたって議論されてきた大問題です。 なぜなら、外からは同じに見える刺激でも、人の頭の中で起こっている主観的な色体験が同一だと証明するのは極めて難しかったからです。 ところがこのたび、東京大学や英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)、豪モナシュ大学などの国際研究チームが、色の「類似度」をもとに人々の主観的な“色の構造”を比較する大胆な手法を開発し、大規模なオンライン実験で「私の赤」と「あなたの赤」の違いを初めて定量的に示すことに成功しました。 私たちはどこまで同じ“赤”を共有できるのでしょうか? 研究内容の詳細は『iScience』にて発表されま
研究チームは、アメリカの暑さ指数を使用して、注意(32℃に達する日)、極度の注意(32~39℃)、危険(39~51℃)の順に暑さを評価しました。 また、短期間(直近7日間)・中期間(直近30日間)・長期間(直近6年間)の温度変化がDNAメチル化に与える影響を解析するために、統計モデルを用いました。 そして分析の結果、猛暑への曝露により老化が進むと分かりました。 「6年間で最大8.48歳分老化するかもしれない」という恐ろしい結果 / Credit:Canva PCPhenoAgeでは6年間で生物年齢が 2.48 歳増加していました。 また、PCGrimAgeでは1.09 歳、DunedinPACEでは0.05歳増加しました。 つまり、暑い地域に住んでいる人は、6年間で6歳分の老化が生じるのではなく、最大8.48歳分の老化が生じる可能性があるのです。 では、猛暑が老化を加速させる背景にはどのよ
私たちが知る生物界とは異なる「もう一つの生命」が生まれつつあります。 それは通常の生物分子の左右をそっくり反転させた鏡像分子から作られた「鏡像細菌」と呼ばれる存在です。 現在の地球に存在する捕食者の消化酵素や免疫システムは彼らに歯が立ちません。 もし彼らが自然界へと放たれたなら、現在の生態系を根底から揺るがしかねない大惨事となるでしょう。 2024年12月12日付けで、科学誌「Science」に掲載された声明では、ノーベル賞受賞者を含む38名からなるチームが「鏡像細菌(ミラーバクテリア)」の創造を目指す研究や、それを支援する資金提供を各国政府は即刻禁止すべきだと強く訴えています。 この論文の著者で、エール大学の免疫学者ルスラン・メジトフ氏は「こうしたリスクは、いくら強調してもし過ぎることはありません」とし「もし鏡像バクテリアが動物や植物に感染して広がった場合、地球上の広大な環境が一気に汚染
Prince Rupert’s drops have curious properties.pic.twitter.com/g0aSz6QRAx — TheSwanLeavitt (@TheSwanLeavitt) August 1, 2022 銃弾で撃っても、プレス機で加圧されても壊れない、涙のような形をした謎のガラス。 このガラスは、「オランダの涙」もしくは、「ルパートの滴」と呼ばれる物体です。 しかし、このオランダの涙は尻尾のような部分を折ると全体が砕け散ってしまいます。 極端な頑丈さと、明確な弱点を持つこの不思議なガラスはなんなのでしょう? 今回はなぜこのガラスがこれほど頑丈なのか、また、なぜ尻尾部分を折ると全体が爆発的に破砕するのか解説します。
2000~2017年のメタン収支の時間的・地域的な変動が明らかに -Global Methane Budget 2020 フォーラムより- メタンは地球温暖化に対して二酸化炭素に次ぐ影響をもっており、その人為的排出も含めたグローバルな収支を理解し定量化することは気候変動研究とその対策において非常に重要です。 国際研究プロジェクト「グローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)」の研究者たちは、2020年7月15日に国際学術誌Earth System Science Data (ESSD)にて、グローバルなメタン収支に関するトップダウンとボトムアップ手法に基づく統合解析の結果を発表しました(「The Global Methane Budget 2000-2017」)。報告書の内容は、8月6日に記者発表されました(http://www.nies.go.jp/whatsnew/20200806/2
なんとも奇妙で愉快な実験が行われました。 それが「吸血コウモリを」をランニングマシンで走らせるという実験です。 まるでモンハンのティガレックスを彷彿とさせる姿ですが、なぜこんな実験を行ったのでしょうか? カナダのトロント大学(University of Toronto)に所属するケネス・C・ウェルチ氏ら研究チームは、この実験から、血液を主な食事とする吸血コウモリが、血液からどのようにエネルギーを得ているか(代謝のメカニズム)が明らかになったと語ります。 吸血鬼は一体どの様に、他者から吸った血液をエネルギーにしているのでしょうか? 研究の詳細は、2024年11月6日付の学術誌『Biology Letters』に掲載されました。 Vampire bats’ metabolism mirrors that of blood-sucking insects, biologists find htt
サルは選挙で負けた人の顔をより長く見つめる選挙ではしばしば非合理な結果に至ります。 たとえば政治や経済について専門的な知識を持つ候補者よりも「顔がいい人」を選んでしまうことがあります。 積み重ねられた研究は、このような非合理な選挙結果が起こる要因として、候補者の持つ「外見」が重要な役割を果たしていることを示しています。 優秀な政治家としての能力を持つ候補者が、外見に敗北してしまうのは、選挙においてある種の「顔採用」のような現象が起きていることを示しています。 候補者の主義主張、能力、実績、清廉などに基づく判断は民主主義を機能させる根幹であり、投票者もそのことはわかっているはずです。 にもかかわらず、なぜこのような非合理が起きてしまうのでしょうか? 人間が愚かだから? それとももっと別の原因があるのでしょうか? この謎を解明するため、ペンシルバニア大学の研究者たちは、マカクザルを用いて選挙に
千葉大学の山田泰裕教授らは大阪大学などと共同で、光を当てると発光して冷たくなる物質を開発した。光を吸収しやすい「ペロブスカイト型」の構造を持つ結晶を使う。新たな冷却素子の開発につながる可能性がある。開発した物質はセシウム、鉛、臭素から構成されるペロブスカイト構造の結晶でできている。ペロブスカイト構造を持つ結晶の一部は光をよく吸収する性質を持ち、その性質を利用した「ペロブスカイト型太陽電池」は変
「名前にその人の本当の姿が表れている」という意味を指して「名は体を表す」といいますが、これは本当かもしれません。 イスラエル・ライヒマン大学(Reichman University)は2024年に、人の顔は自分の名前に合うように成長する傾向があるという驚きの研究結果を発表しました。 参加者に画像中の人物の名前を当ててもらうタスクをしたところ、子供の名前は当たらなかったものの、大人の名前は偶然を上回る有意な確率で当てられたという。 これは私たちが子供から大人になるにつれて、自分の名前に合うような顔に成長することを示唆するものです。 研究の詳細は2024年6月11日付で科学雑誌『PNAS』に掲載されました。 New Reichman University study reveals: People’s faces evolve to match their names https://www.
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