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グリーン車を超えた! 東海道新幹線の個室「Supreme Class Cabin」がお披露目

2026年7月8日(水) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

JR東海は、東海道新幹線で上級クラス「Supreme Class」の導入を予定しています。その一つとなる個室タイプの「Supreme Class Cabin」が、7月8日に報道公開されました。

東海道新幹線に導入される個室「Supreme Class Cabin」
東海道新幹線に導入される個室「Supreme Class Cabin」

「Supreme Class」は、JR東海とJR西日本が東海道・山陽新幹線で導入する予定の上級クラス。個室タイプの「Cabin」(キャビン)、半個室タイプの「Seat」(シート)の2種類で、個室タイプは2026年10月1日、半個室タイプは2027年度中のサービス提供開始を予定しています。

設備名称の「Supreme Class」(スプリームクラス)とは、最高の品質やサービスを提供するという想いを表現したものとのこと。東海道・山陽新幹線の最新型車両「N700S」でも使われている「Supreme」(最高の)というワードで、グリーン車を超える上級クラス席であることを表しています。

個室タイプの「Supreme Class Cabin」は、1編成中、7号車と10号車に1室ずつ設置されています。2室は定員が異なっており、7号車は2人利用も可能、10号車は1人用となっています。

7号車の「Supreme Class Cabin」。リクライニングシートの対面にソファが設置されており、2人利用も可能です
7号車の「Supreme Class Cabin」。リクライニングシートの対面にソファが設置されており、2人利用も可能です
同じ「Supreme Class Cabin」ですが、こちらは10号車のもの。完全1人用個室です
同じ「Supreme Class Cabin」ですが、こちらは10号車のもの。完全1人用個室です

7号車の個室は、博多方面に向いたリクライニングシートと、東京方面に向いたソファを設置。10号車の個室は、東京方面に向いたリクライニングシートのみを備えています。

座席はレッグレストつきのリクライニングシートを搭載。また、体格の違いにあわせて背もたれ腰部の形状調整が可能な電動ランバーサポートや、大型テーブルを設置しています。さらに座席横には、航空機内へ持ち込み可能なサイズのスーツケースを収納できる荷物スペースを備えています。

「Supreme Class Cabin」のリクライニングシート。座席自体は7号車と10号車で共通です
「Supreme Class Cabin」のリクライニングシート。座席自体は7号車と10号車で共通です
座席横のテーブル下には、荷物スペースを設置。航空機内へ持ち込み可能なサイズのスーツケースを収納できます
座席横のテーブル下には、荷物スペースを設置。航空機内へ持ち込み可能なサイズのスーツケースを収納できます

座席リクライニングは電動で、座席横のボタン、または室内に備え付けられているタブレットで操作可能。リクライニング角度は従来のグリーン車を超えるもので、現行の東海道新幹線車両では最も倒れる座席となっています。このほか座席横(7号車のソファ含む)には、コンセント、USB Type-A・USB Type-Cの、3種類の電源が装備されています。

リクライニング操作ボタンや電源設備
リクライニング操作ボタンや電源設備

筆者も一瞬だけ着席体験しましたが、「グリーン車を超える上級クラス」のうたい文句通りの座り心地でした。JR東海によると、上質感を大切にし、包まれる感覚を重視した設計としたといい、コンセプト通りの設備となっています。

なお、座席は回転できず、7号車リクライニングシートは博多方面固定、10号車は東京方面固定となっています。限られたスペースの中で上質な座席を設置するため、回転機構を非搭載としたといいます。

座席横にあるタブレットでは、照明や空調の風量の設定、リクライニング操作などが可能。また、モバイルオーダーサービスの注文もタブレットから可能です。

座席横にあるタブレット
座席横にあるタブレット
タブレットのスタート画面(提供:JR東海)
タブレットのスタート画面(提供:JR東海)
「はじめる」ボタンを押すと、この待機画面に。時刻や走行位置、トイレの空き情報などが表示されます(提供:JR東海)
「はじめる」ボタンを押すと、この待機画面に。時刻や走行位置、トイレの空き情報などが表示されます(提供:JR東海)
待機画面の背景画像は、走行位置に応じて変化します(提供:JR東海)
待機画面の背景画像は、走行位置に応じて変化します(提供:JR東海)
照明、スピーカーなどの設定は、タブレットで行います。座席リクライニングも、座席横のボタンに加え、タブレットから操作可能です(提供:JR東海)
照明、スピーカーなどの設定は、タブレットで行います。座席リクライニングも、座席横のボタンに加え、タブレットから操作可能です(提供:JR東海)

東海道・山陽新幹線のグリーン車では、モバイルオーダーサービスが提供されています。「Supreme Class」も同サービスの対象で、ドリンク・フードを注文できます。また、「Supreme Class」ではウェルカムサービスとして、ドリンク・お菓子も無料提供されます。

タブレットではモバイルオーダーの注文も可能(提供:JR東海)
タブレットではモバイルオーダーの注文も可能(提供:JR東海)
モバイルオーダーの注文画面(提供:JR東海)
モバイルオーダーの注文画面(提供:JR東海)
ウェルカムサービスもタブレットでオーダーできます(提供:JR東海)
ウェルカムサービスもタブレットでオーダーできます(提供:JR東海)
「Supreme Class」限定で販売(左4点)または無料提供(最右)される商品。いずれもモバイルオーダーサービスで注文できます。なお、左4点は東海道新幹線内のみでの販売です
「Supreme Class」限定で販売(左4点)または無料提供(最右)される商品。いずれもモバイルオーダーサービスで注文できます。なお、左4点は東海道新幹線内のみでの販売です
ウェルカムサービスとして提供されるバウムクーヘン。こちらは山陽新幹線でも提供されるといいます
ウェルカムサービスとして提供されるバウムクーヘン。こちらは山陽新幹線でも提供されるといいます

座席のヘッドレストには、スマートフォンなどと接続できるスピーカーが内蔵されました。NTTの音響技術「PSZ」(パーソナライズドサウンドゾーン)を活用した設備で、ある音波に対して音を打ち消す波を重ねることで音が消える原理を応用し、音漏れを防ぐ仕組みが採用されています。これにより、ヘッドホンのように耳をふさぐ形ではない設備ながら、プライベート感のある音響体験が可能となっています。

ヘッドレストには、音漏れを防ぐ技術を採用したスピーカーが内蔵されています
ヘッドレストには、音漏れを防ぐ技術を採用したスピーカーが内蔵されています

さらに室内では、本座席専用のWi-Fi環境を整備。5G対応の透明ガラスアンテナを用いているといい、これは鉄道車両としては世界初だといいます。

部屋は電子錠つきとなっており、ネット予約サービス「エクスプレス予約」「スマートEX」で登録した交通系ICカードが入室用の鍵となります。このほか、インバウンド利用者を想定し、QRコードを鍵として利用することも可能です。

「Supreme Class Cabin」入口のディスプレイおよびICカード認識用機器。なお、座席番号は、7号車が「21A」、10号車が「21D」となっていました
「Supreme Class Cabin」入口のディスプレイおよびICカード認識用機器。なお、座席番号は、7号車が「21A」、10号車が「21D」となっていました

「Supreme Class Cabin」設置車両は外観にも違いが

「Supreme Class Cabin」は、N700Sの1次車までは業務用室が設置されていた場所を転用しています。

2023年度以降に導入されたN700Sの2次車と、2026年度以降の導入となる同3次車では、製造当初から「Supreme Class Cabin」用のスペースが設けられていました。外観でも、1次車にあった7号車の業務用扉は2・3次車ではなくなり、海側(下り列車では進行方向左側)に「Supreme Class Cabin」用の窓が設けられているのがわかります。10号車山側(下り列車では進行方向右側)も、1次車では高い位置にあった窓が、2・3次車では個室用として低い位置になり、側面の見た目が変わっています。

N700S1次車(上)と2・3次車(下)の7号車海側側面比較。2・3次車では業務用扉がなくなり、「Supreme Class Cabin」用の窓が2つ追加されています
N700S1次車(上)と2・3次車(下)の7号車海側側面比較。2・3次車では業務用扉がなくなり、「Supreme Class Cabin」用の窓が2つ追加されています
同じく10号車山側の側面比較。1次車の喫煙ルーム窓が、2・3次車では「Supreme Class Cabin」の窓になっていることがわかります。なお、10号車「Supreme Class Cabin」の窓サイズは7号車と異なり、普通車(左側の11号車)と同型のものが採用されています
同じく10号車山側の側面比較。1次車の喫煙ルーム窓が、2・3次車では「Supreme Class Cabin」の窓になっていることがわかります。なお、10号車「Supreme Class Cabin」の窓サイズは7号車と異なり、普通車(左側の11号車)と同型のものが採用されています

なお、N700系・N700Sでは、普通車よりもグリーン車の方が、窓の幅が大きくなっています。「Supreme Class Cabin」では、7号車はグリーン車と同型の窓が設置されていますが、10号車は普通車と同型の窓と、部屋タイプによって窓の大きさが異なっています。

また、N700Sでは、乗り心地の改善のため、グリーン車、先頭車、パンタグラフ搭載車に「フルアクティブサスペンション」、その他の普通車に「セミアクティブサスペンション」を搭載しています。いずれも横揺れを軽減する装置ですが、グリーン車や、揺れが大きくなる先頭車・パンタグラフ搭載車に搭載されていることからわかる通り、フルアクティブサスペンションの方が高性能となっています。

「Supreme Class Cabin」が新設されることとなる7号車は、普通車であるため、N700Sの1次車まではセミアクティブサスペンション搭載車でした。今回、「Supreme Class Cabin」を設置するにあたり、2次車以降は7号車もフルアクティブサスペンションに変更されているといいます。これにより、普通車である7号車も、他の普通車よりも揺れが少ない「乗り得車両」になっているといえます。

「Supreme Class Cabin」いくらで乗れる? 運転本数は?

「Supreme Class Cabin」は、2026年10月1日にサービス提供を開始する予定。開始時点では、同設備を設置したN700Sは8編成となり、定期列車を中心に1日あたり上下計12本(「のぞみ」8本、「ひかり」「こだま」各2本)の固定運用を予定しています。

チケットは、9月15日5時30分より、ネット予約サービス「エクスプレス予約」「スマートEX」にて発売。以降、乗車日1か月前の10時から申込可能となります。

エクスプレス予約での発売額(大人1人あたり・「のぞみ」通常期利用)は、東京~名古屋間が7号車4万6840円、10号車3万2440円、東京~新大阪間が7号車6万500円、10号車4万2100円、東京~博多間が7号車9万220円、10号車6万3620円など。いずれも乗車券、特急券込みの価格です。「ひかり」「こだま」利用時の料金は発表されていませんが、個室料金相当額自体は、「のぞみ」と同額だといいます。

なお、7号車の部屋を予約した利用者に同行する場合は、当該列車を利用可能な乗車券・特急券(普通車自由席・普通車指定席・グリーン席のいずれでも可)が別途必要となります。

JR東海は今後、「Supreme Class Cabin」を備えたN700Sを、2026年度末には15編成、2027年度末には31編成、2028年度末には38編成と、順次増やしていくと説明。別途、JR西日本も、同設備を備えた編成を順次投入していきます。これにより、運用列車は、2026年度末には30本程度、2027年度末には65本程度となる見込みだとしています。

JR東海 新幹線鉄道事業本部 車両部車両課 担当課長の佐藤永次氏は、リクライニングシートについて「かなりの自信を持っている」と説明。制震材や吸音材を配置し、静粛性などもグリーン車以上の空間としたとしています。また佐藤氏は、2029年度以降に導入する車両でも「Supreme Class」の設置を継続し、将来的には東海道新幹線の全編成に装備する考えを示しました。

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