新種ハチ「ツクモガミ」古文書から発見 「宝の山」専門家も驚き
ほこりだらけの古文書から見つかったミイラ化した「蟲(むし)」は新種だった。5年がかりで論文に記載され、新種として正式に認められた。しかも、新たに近縁種も4種見つかり、1匹はなんと「生け捕り」に成功。日本の昔話に出てくる神さまにちなんで「ツクモガミ」と名付けられた蟲が開いたロマンあふれる世界とは。
木くずより小さく、アリにそっくり
「ツクモガミ」は、体長1.2ミリ、幅0.3ミリの小さなアリそっくりのハチだ。羽もぱっと見ではわからないほど退化している。一見、木くずに見間違えるようなサイズ感。墨で書かれた文字より小さい。
挟まっていたのは、長野県南箕輪村で代々名主を務めていた家の蔵から出てきた、ぼろぼろの江戸時代の「戸籍」。幕末から明治にかけての「南殿村宗門御改寺請(てらうけ)判形帳(はんぎょうちょう)」だった。
「古文書昆蟲(こんちゅう)学」を提唱する深川博美さんが、古文書クリーニングの店を開いて初めて手がけた書物で見つけた。
種の同定を託されたのは、東京都立大客員研究員の寺山守さん。2021年に連絡を受け、託された標本で体の構造を詳細に調べ、既知の種に関する論文を検討した。
その結果、ツクモガミには、アリに特徴的なおなかと胸の間にある節のような構造がないことが分かった。オオモンクロバチ科のなかでもアリによく似た仲間(ラギノデス属、和名ラギノバチ属)のハチと見られた。過去に19種見つかっていたが、国内で見つかった種は一つだけ。詳しい生態はわかっていない。
いずれも、大きな目を持つ丸みを帯びた頭部や、大きく膨らんだ腹部が特徴だ。だが、ツクモガミはそうではなかった。
ラギノバチ属では、メスに羽…
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