33歳で4億円借金し開業 へき地で黒字のわけ 地域医療のとりで
【連載】地域医療のとりで(下)
自分の持つ力を全て生かせる救急クリニックをつくる。そう決意して大学講師を辞めた松岡良典さん(46)が選んだ場所は、鹿児島県南九州市川辺町。薩摩半島中心部に位置する、救急医のいない土地だった。
同じ薩摩半島の港町・枕崎市出身の妻から、夜間に対応してくれる医療機関が乏しくて困っていると聞き、その近辺で、と決めた。「医者が輝けるのは、必要としてくれる患者さんがいるから。そこで働くのがやりがいがあるだろうと考えました」
だが、開業資金の融資を相談した銀行からは難色を示された。直近の20年で人口が約2割減っている過疎地。外来患者数を推測する調査では、半径約2キロ圏内で1日に2人という結果が出た。しかも、法律に基づいて地域ごとに定められた病床数の制限があり、新規開業は原則認められない状態だった。
記事の後半では、患者の少ないへき地で黒字経営を実現している背景や、松岡さんの新たな挑戦を紹介します。
それでも、あきらめなかった…
- 【視点】
松岡医師の獅子奮迅の働きに最大の敬意を送りつつも、こうした現場の医師の頑張りに支えられた地域医療でよいのか、とも思ってしまいました。現場の皆さんが倒れてしまったら元も子もないわけですから。しかし、おそらくやらずにはいられない。だからやる。と
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