1Password のログイン時、マスターパスワードは 1Password のサーバに一度も送信されていません。 少し前まで、私はこれを知りませんでした。パスワードマネージャーなのだから、当然サーバがマスターパスワードを受け取るのだろうと思っていたのです。それで暗号化された金庫を開いていると。しかし違いました。 サーバ側は「あなたが正しいマスターパスワードを知っている」ことだけを確認します。パスワードそのものは受け取りません。金庫の中身も、金庫を開ける鍵も、サーバは知らない。それでもログインは通ります。 この設計を知ったとき、UX の滑らかさとセキュリティの強さが同居する理由がやっと腑に落ちました。この記事では、その中身を「2つの秘密の鍵」と「見せずに証明する認証」という2つの仕組みで解剖します。 使いやすさに違和感を持った瞬間 はじまりは 1Password の使いやすさへの違和感でした

