「日本の魅力」を売り込む事業などに出資し支援する官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」の存続がいよいよ危うい。設立から13年での累積赤字は約400億円。さらに、ここにきて新たな不安要素が表面化し、廃止または統合の具体的な検討が待ったなしの状態だ。多くが赤字に苦しむ官民ファンド。高市早苗首相の下でも「官民連携投資」が掲げられているが、これらの反省や検証はなされているのか。(佐藤裕介、中根政人)
自民党の文化立国調査会は27日、アニメやゲーム、音楽など「コンテンツ産業」の振興に向けた予算措置を、今後5年間で計5千億円以上まで増やすよう政府に求める提言案をまとめた。現在の年間約550億円規模から、ほぼ倍増となる。文化庁予算も2倍超に増やした上で、政府の文化政策の司令塔となる「文化省」の創設も視野に体制を強化するよう求めた。 政府は重点的に投資する17の戦略分野の一つとしてコンテンツ産業(ゲーム、アニメ、漫画、音楽、実写=映画など)を位置付けている。提言案は、海外で人気を集める日本のコンテンツの強みを生かし、投資拡大により、さらなる海外展開や経済活性化、次世代の人材育成につなげるべきだとした。
高市首相はX(Twitter)で「日本の才能あふれるアーティストの皆様が、より多くの国でライブや交流を実現できるよう、政府は海外展開支援を強化します。アジア、欧州、北米など多様な市場で、日本の音楽が響く未来を創ります」と明言。音楽産業に留まらず、マンガ、アニメ、ゲームといった日本発の強力なコンテンツを生み出すクリエイターの海外展開を支援することも伝えている。 これらのコンテンツ産業について、高市首相は「半導体産業に迫る海外市場規模を持つ、日本の戦略産業」であると説明。先日閣議決定した550億円を超える補正予算を活用し、海外売上20兆円を目標に複数年にわたる支援を行い、官民連携でこれを後押しする。 なお高市首相は先日、国会にて台湾有事を巡り、(中国による)武力の行使を伴うものであれば、集団的自衛権の行使を可能にする存立危機事態になりうると答弁。この発言以降、日中関係の緊張が高まっており、昨今
「国産旅客機に再挑戦」も、このままでは今回も「失敗」が目に見えている理由...問題は技術ではない 2024年04月11日(木)11時40分 <三菱重工の撤退を受けて新たな国産航空機戦略を経産省が提示したが、これまでの失敗の原因となった課題はクリアできるのか> 三菱重工業がジェット旅客機の開発から撤退したことを受けて、日本政府は新たな国産航空機戦略を取りまとめることになった。複数社で取り組み、政府が全面的に支援するという内容だが、早くも失敗するリスクが高いとの指摘が出ている。 現代の航空機産業は完全にコモディティ化しており、どの国が製造しても同じような機体になる。分業も究極的レベルまで進んでおり、エンジン、機体の制御システム、電源・空調、翼など主要部品を製造するメーカーは特定企業による寡占状態となっている。 国産航空機といっても、ほとんどの部品は外国製にならざるを得ないのが現実であり、これは
住宅の断熱性能が悪いとなにが起きるのか 日本の住宅の断熱性能は、何が問題なのでしょうか。それによって、どのような損失が生まれているのでしょうか。本稿では、主に健康と経済を中心に考えます。まず、バケツに上から水が注がれている図をイメージしてください。バケツには穴がたくさん空いていて、下から水が漏れ出しています。バケツを水でいっぱいにするためには、A「もっと水を注ぐ」、B「穴をふさぐ」のどちらを選ぶのが良いでしょうか? 正解はもちろん、B「穴をふさぐ」です。子どもにもわかる問題ですが、残念ながら日本社会は、この問いに対してずっとA「もっと水を注ぐ」という解答を選び続けてきました。 このクイズは、住宅とエネルギーとの関係を示しています。日本の一般的な住宅は、穴だらけのバケツのようにダダ漏れの状態です。どんなにエネルギー(=水)を注ぎ込んでも、穴から漏れて快適にはなりません。合理的に考えれば、住宅
ほぼすべての家の南面に掃き出し窓がある 掃き出し窓と呼ばれる窓がある。 あなたの家にもあると思う。庭やバルコニーとの境にある大きな引き違いの窓、あれが掃き出し窓だ。室内のゴミやホコリをそこから「掃き出した」のが語源といわれる。昔は現在の地窓のように高さの低いものをいったが、いつのまにか背丈を上まわる高さのものも掃き出し窓と呼ぶようになった。 西洋の住宅にも掃き出し窓はある。だが日本のように、どこの家でもあたりまえのように設けられてはいない。そこには気候風土にともなう建築構法の違いなどが大きく関係しているのだが、話が長くなるのでここでは割愛する。 掃き出し窓の特徴は、「建物の南面に設けられる」ということだ。むろん例外はあるが、戸建住宅の掃き出し窓といえば一般的には南面の窓ということになる。 近所の住宅地をぶらっとひと回りしてみた。 やはり、ほぼすべての家の南面に掃き出し窓がついていた。幅18
「22年度の投資実績が161億円、22年度末の累積の損益はマイナス356億円となっております」 これは、10月31日午前中の参院予算委会で立憲民主党の蓮舫議員(55)が民間ファンド「クールジャパン機構」の22年決算を踏まえた直近の投資額と累積損益について質問し、西村康稔経済産業大臣(61)が重い口で回答した同機構の業績だ。 「そもそも“クールジャパン”は、’12年12月に発足した第2次安倍政権が打ち出した戦略で、安倍晋三元首相は最初の施政方針演説で『”クールジャパン”を世界に誇るビジネスにしていこう』と力説しました。同機構は’13年に、日本の食文化やエンタメの海外進出を後押しするために鳴り物入りで発足しましたが、これまでも吉本興業とのズブズブの関係や、巨額の赤字が問題視されてきた経緯があります」(全国紙記者) “成長戦略の目玉”であったクールジャパンの過去10年の成果を問われた西村大臣はコ
“サウナブーム”終焉か? 「タピオカブーム衰退」とのある共通点:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/2 ページ) ブームの渦中にあったサウナ市場も、今やその過熱ぶりが冷めつつあるかもしれない。消費者の注目はピークアウトの兆しが見えだしたが、サウナ施設の出店は、大都市圏を中心にハイペースで続く。 そうなると懸念されるのが、事業者同士の競争の激化だ。ブームの過渡期を乗り切る策はあるのだろうか。そのヒントはかつての「タピオカブーム」が残した苦い教訓にある。 たった1年で「2000店舗増」 出店ラッシュは廃業ラッシュに転じるか 国内のサウナ店舗情報を取りまとめるWebサイトの「サウナイキタイ」には、現在1万2276店舗ものサウナ施設が登録されている。ちなみに三菱UFJ銀行の支店数でも全国で約2500店舗ほどしかない。国内のサウナ施設は国内最大手メガバンク5つ分の支店数と同じくらいの規模があ
材料が手に入らずマイホームが建たない 「そんなに遅れるの?」 キッチン用品の展示場では来店するお客から、そのような感想が多数寄せられたという。2020年から2022年にかけて、システムキッチンを展示しているのに、売れても納品ができない。給湯器等も仕入れられない。納期が遅延する前提で売らなければならない。建設資材ではほぼすべてが影響を受けた。 コンクリート、キッチン、および給湯器などキッチン備品、アルミサッシ、壁のクロス、その他、センサー付きの照明器具、トイレ設備、換気扇、コンロ、IHヒーター……。建設資材は価格が全面的に上がり、工期に影響した。 この時期に住宅を建てた人を失望させた。基礎工事が止まる、材料が届かないといわれ別場所での仮住まいを長引かせることになった。挙句の果てには、見積もり費用が異常に膨らんだ。「ふざけるな」と怒りをぶつけても、現場の担当者にとってもどうしようもない。木材が
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クールジャパン機構「廃止も検討」 西村経産相、経営改革困難なら―衆院予算委 2023年02月06日17時51分 西村康稔経済産業相=1月30日、衆院予算委員会 西村康稔経済産業相は6日の衆院予算委員会で、多額の累積赤字を抱える官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」について、経営改革が困難になれば廃止も検討する考えを示した。立憲民主党の藤岡隆雄氏への答弁。 【写真】華々しく始まった「クールジャパン」政策だったが…=2013年11月、東京都港区 同機構は2021年度末時点で309億円の累積赤字を抱え、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で早急な体質改善を求める意見が出た。西村氏は「ラストチャンスと思い、経営改革を進めたい。その上でどうしようもないときは統合・廃止を含め検討したい」と語った。 政治 コメントをする
“公道の悪夢”とも呼ばれ畏怖されてきた電動キックボードに、運転免許なしで乗ることができる新制度が7月1日からスタートする。最高速度は車道で時速20km、歩道で時速6km。電動アシスト自転車と原付一種50ccバイクが悪魔合体したかのような「新型」の出現に、自動車ドライバーからは絶望の声が続出している。 電動キックボードの「無免許、ノーヘル」合法化へ 各紙報道によると、7月1日に施行予定の改正道路交通法で新たに認められる電動キックボード(特定小型原動機付自転車)の概要は次のとおり。警視庁では現在パブリックコメントを募集中だが、今の自転車におおむね近い規制となるようだ。 原則として車道左側や自転車レーンを走行(最高速度20km/h) 歩道や路側帯も走行可(最高速度6km/h) 運転免許証は不要(16歳未満は運転禁止) ナンバープレート設置や自賠責加入は必要 携帯電話の使用や酒気帯び運転は禁止 ヘ
2022年10月の所信表明演説で、岸田文雄首相は個人のリスキリング支援に5年間で1兆円を投じると表明した。この施策は経済成長や賃上げにつながるのだろうか。パーソル総合研究所の小林祐児・上席主任研究員は「リスキリングを従来と同じ“工場モデル”の発想で考えているとすれば、確実に失敗するだろう」という――(第1回)。 いまなぜ「リスキリング」なのか 時代の変化が激しくなる中で、働く個人も学び、変化し続けることが求められています。「学び直し」「リカレント教育」など、これまでも生涯にわたる学習の重要性は長らく叫ばれてきましたが、2022年、それらに代わって社会人の学び領域の一大キーワードに躍り出たのが「リスキリング」です。 この言葉が注目されるようになったきっかけは2018年、世界経済フォーラムの総会、通称ダボス会議で提唱された「リスキル革命」ですが、遅れること数年、日本でもブームがやってきました。
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