(2026/7/17 12:00)
車エンジン関連に次ぐ柱に
新中央工業(広島県東広島市、中西顕郎社長)が、航空機関連ビジネスを拡大している。2013年に小型航空機向けランディングギア(着陸脚)の溶射処理で参入。26年に入って航空機部品の非破壊検査に業務を拡大した。元々、自動車部品やガソリンスタンドの給油機の部品など、車のエンジンが関係する仕事を中心に手がけてきた同社。航空機関連を次世代の経営の柱の一つと位置付け、腰を据えて取り組んできた。
今回参入した非破壊検査は、部品を壊したり傷つけたりすることなく、内部の欠陥などを検出できる。航空機部品には、機械加工をするたびに非破壊検査を義務付けられたものがある。鉄などの磁性材料を対象とする磁粉探傷検査と、アルミニウムなどの非磁性材料を対象とする蛍光探傷検査、双方の装置を本社工場に導入した。検査できる最大寸法は、磁粉が直径200ミリ×長さ1000ミリメートル、蛍光は幅500ミリ×高さ×250ミリ×長さ1000ミリメートル。
非破壊検査は、その後の通常の外観検査ではちゃんと検査したかどうかを保証・管理できない「特殊工程」に当たる。業務プロセス自体をきっちり管理することが、品質管理の上で重要になり、特殊工程管理の国際認証「Nadcap」の取得と運用が求められる。新中央工業は13年に溶射でNadcap認証を取得。非破壊検査でも27年初頭に認証取得の予定で、事業が本格化することになる。
業務体制の整備も進めてきた。非破壊検査の検査員資格である「非破壊試験技術者」で最高位の「レベル3」を保有する航空機部品メーカーのOBを採用。併せて自社の社員を育成し、同資格のレベル2を取得させた。これににより、検査作業そのものに加えて、レベル3の技術者による相互の定期的な資格試験も可能になった。
認証取得に資格取得と言葉ではたやすいが、詳細な作業手順書を日本語と英語の両方で整備し、監査などが入った場合でも対応できるようにする必要がある。検査装置も、認められた機関で定期的に校正を行って検査精度を保証・確保する。「ランニングコストがかかるのが航空機関連。一定量の仕事が見込めないと事業を維持できない」(中西社長)。
仕事量を確保する上でのカギとなり、そもそもの参入のきっかけになったのが人的ネットワークだった。特殊工程をこなせる中小企業で作る技術支援企業のジャパン・エアロ・ネットワーク(JAN)で最高執行責任者を務めていた住友精密工業OBの五十嵐健氏との出会いで溶射に参入。今はJANの後継組織であるジャパン・エアロ・アライアンス(JAA、事務局룄サンフウ精密、山形市)のメンバーから非破壊検査を受託し、ともに営業活動も進める。
20日に英ファンボロー空港で開幕する「ファンボロー国際航空見本市2026」にも、中西社長は五十嵐氏ほかJAAメンバーとともに商談で訪れる。「国内だけでなく、海外から受注するのが大きな目標」(同)と意気込んでいる。
(2026/7/17 12:00)
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