南極・昭和基地から1700m先で接岸 燃料や物資の補給が開始へ

中山由美
【動画】南極観測船「しらせ」が昭和基地に「接岸」した=ドローンで中山由美撮影
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 南極の気候変動などを調べる「67次南極地域観測隊」に、朝日新聞からは中山由美記者と杉浦奈実記者が同行します。2025年12月から26年3月まで、二つの航路(レグ1、レグ2)で気候変動の影響などを調査する予定です。現地から、記事や写真、動画で南極の今をお届けします。

異例の「接岸」

 「見えた。上の方だけ」「どこ?」

 沖合の島の向こうに頭がのぞきました。

 止まったり、前後したり。そんな様子を繰り返して数時間後、やっと連絡が来ました。

 12月27日午後0時44分「しらせ接岸」、昭和基地到着です。

 「接岸」といっても、1700メートルも先の沖合。今回は異例で、いつもは数百メートル先です。

 昭和基地の周辺は一年中、氷が張っているので港も桟橋もありません。そのため、船と基地のホースをつないで燃料をパイプ輸送できる所で止まることを、観測隊は「接岸」と言っています。

 66次越冬隊と67次隊で力を合わせ、基地側から重たいホースを何本も担ぎ出し、つないで海氷上に延ばします。

 届ける燃料は700トン以上。成功するか否か、観測や越冬生活すべてに関わる最重要ミッションです。

 真っ白な氷の上にのびた黒い一筋の線は、くねりと曲がって2千数百メートルにもなりました。深夜に送油開始、明日は物資の氷上輸送も始まります。

 太陽が沈まない、眠れない南極の夏を迎えています。

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この記事を書いた人
中山由美
専任記者|南極・北極担当
専門・関心分野
南極・北極、地球環境、野生生物
南極と気候変動

南極と気候変動

2025年12月、67次南極地域観測隊が日本を出発します。26年3月まで、二つの航路(レグ1、レグ2)で気候変動の影響などを調査する予定です。朝日新聞からは中山由美記者と杉浦奈実記者の2人がそれぞれの航路に同行取材します。記事や写真、動画で南極の今をお届けします。[もっと見る]