救国の英雄か、無法者か 「我々は信仰のため戦う」拡大する武装組織

有料記事

バグダッド=其山史晃
[PR]

 中東イラクに、過激派組織「イスラム国」(IS)から国を救ったとも評される武装組織がある。ISの危機が去った後も組織は解散せずに拡大を続け、国軍との統合も拒む。なぜなのか。

 首都バグダッドの喫茶店に現れた男性の二の腕は、筋肉質で丸太のようだった。厚い胸板に伸びた背筋は、185センチはあろうかという身長をさらに大きく見せる。

 「写真撮影は勘弁してほしい。でも、これを見せましょう」。アリと名乗った男性(33)は、スマホに保存した写真を示した。画面には、今より少し若く、肩から小銃を提げて笑うアリ。足元の床には、10人ほどの男たちが血を流して倒れていた。「2016年ごろに戦闘で殺したISのテロリストたちです」

 誇らしげに話したアリは、この武装組織で中堅幹部を務める戦闘員だ。

すべてを失った男、ある民兵の誕生

 イラクでは14年6月にイス…

この記事は有料記事です。残り2582文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
其山史晃
中東アフリカ総局長
専門・関心分野
中東、安全保障、地政学、テロリズム
イスラエル・パレスチナ問題

イスラエル・パレスチナ問題

2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエル領内を奇襲攻撃。報復としてイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区への空爆や地上侵攻を始め、6万7000人以上の犠牲者が出ています。25年10月、トランプ米大統領の停戦案に双方が合意しました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]