宮古島で育んだ読書習慣 医師・友利新さんを異世界にいざなう本の力

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 俳優や作家、経営者など各界の皆さんにお薦めの本を紹介していただく特集「あなたに贈る本」。今回は、美や健康について情報発信し、テレビなどでマルチに活躍する医師、友利新さんです。

 記事の最後に、10月17日応募締め切りのお薦め本プレゼント(抽選)の案内があります。

特集「あなたに贈る本」

 沖縄の宮古島出身です。子供の頃、島ではリアルタイムのTV番組はNHKぐらいで、本や雑誌も発行日から遅れて届きました。情報に時差がある島で、唯一の楽しみが読書。母が本好きで家には児童文学の全集などもあり、自然と読書が習慣になりましたね。

 小学生の頃は「オズの魔法使い」(ライマン・F・ボーム作)が大好きで、5年生の時、私が台本と配役を手がけ、学校でその劇を上演しました。ヒロインが竜巻で飛ばされ、未知の国を旅する物語は、勇気とか大事なものがちゃんと自分に備わっていると教えてくれます。「私もどこかへ行って、大きなことができるかも」と夢見て、医大入学で上京するまで、島を出たら「何かを成し遂げたい」と思っていました。

 だから、何者かに成長するまでの道のりや女性の自立を描いた本を読むのが好きでした。「獅子座の女 シャネル」(ポール・モラン著、秦早穂子訳)では、偉大なブランドをつくり、華やかなイメージがあるシャネルの波瀾(はらん)万丈の人生を知り、「すごいな」と感嘆しました。ファッションで女性を解放した点も素晴らしい。

 林真理子さんの「野心のすすめ」はもっと若い時に出合いたかったエッセーです。いま、野心と言うと少しひくようなイメージですが、若い人の野心をしっかり肯定してくれます。

 本を読めば、いろいろな人の人生をのぞき見できます。本の中の女性の生き方は様々ですし、読んで「私が独身だったら」などと空想したり、自分を肯定してもらったり、反省する材料にもなります。本の力は無限ですね。

 以前は小説などを読んで空想するのが楽しみでした。でも最近はもう人生にいろいろと起きたので(笑)、マーケティングなど「知らない世界の知識を得たい」と思うようになりました。地政学にも本で初めて触れ、その視点から、沖縄は海洋県で多様な可能性があると知りました。

 研修医時代から、読書は移動時などのスキマ時間を活用しています。新幹線や飛行機では没頭してしまい、「到着、少し待ってもらえます?」と言いたい時もあるほど(笑)。

 医師ですので医療分野の本も読みます。特にいま注目の腸内細菌や免疫に関心を持っています。宮坂昌之先生の「あなたの健康は免疫でできている」は、免疫が必要な理由などがわかりやすく解説され、面白かったですね。

 たとえば免疫力は上がり過ぎてもよくないといった知識を得るだけでも、インターネット上の偏った情報を疑ってみることができます。過激なタイトルの本はNG。医学は未解明の事が多く、決めつけるのは難しいからです。

 読んだ本と見方が違う本も参照しています。書店ではたとえば腸内細菌の肯定本、否定本が目の前に両方置いてあり、手に取れます。インターネットで情報を得る時とは違います。

 書店が好きで、3人の子供とも出かけます。読みながら考える力を養えるのが本。語彙(ごい)力や思考力がないとAI(人工知能)に指示できず、AIに使われる人になると思いますので、子供にも本好きになってほしいですね。

 私もそうでしたが、若い社会人の方は「人生にはもっと違う何かがあるのでは」と探すことがあるでしょう。ただ、仕事を辞めて留学や起業などを考えても、リスクもあり、忙しいので急には難しいですよね。そんな時、時間をつくり、その道を選んだ人の本を読み、頭の中でプレ体験して検討するのがお勧めです。

 読書は違う世界へ飛んで行くことができ、違う人になることもできます。本ほど何でも体験できてしまうものは、他にないと思います。

友利新さんお薦めの本

苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

森岡毅

ダイヤモンド社

1650円

 社会に出る前の皆さんには必ず読んでもらいたい一冊。自分の将来のキャリアメイクをマーケティングの考え方でわかりやすく解説しているので、自分の強みの見つけ方、そしてそれを生かした仕事の見つけ方、取り組み方を知ることができます。

地政学が最強の教養である

田村耕太郎

SBクリエイティブ

2090円

 地政学=国トップの思考法であり、地政学とは相手の立場に立って考える思考。国際情勢を偏りなく考えることができるだけでなく、仕事をするうえでも戦略的に複数のやり方、考え方を持つことが大事だとわかる一冊です。

科学的根拠に基づく最高の勉強法

安川康介

KADOKAWA

1760円

 効果的な勉強法が非常に簡潔にわかりやすく整理されている一冊。勉強法がわかると学ぶことが楽しくなり、本当に身になっていくのだと知ることができます。いくつになっても学ぶことは必要で、そのコツを知ることでさらに学びたくなるので、どんな年代の人にもおすすめです。

友利新さんからのメッセージ

 動画と違い、読書は想像力をかき立てるのが醍醐(だいご)味です。一見してタイパ、コスパが悪いような感じもしますが、本に書かれた世界を想像しながら読書をすることは、人生を豊かにする一番の方法かもしれません。

略歴

 ともり・あらた 皮膚科・内科医。医師の立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための情報を発信している。美と健康に関する著書も多数。3児の母。第9回ベストマザー賞(経済部門)を受賞した。子育て応援・ママ応援大使。第36回準ミス日本。

お知らせ

 ◆「あなたに贈る本」は、新聞や出版、書店業界の情報紙などを発行する文化通信社(東京都千代田区神田錦町)と協力した特集です。各界の皆さんが若い世代に薦める本をまとめた「先輩の本棚」、子ども向けの絵本などを紹介した「ボクニキミニ」という同社発行の冊子、同社による新たな取材などからインタビューやお薦め本の記事を選び、掲載しています。

 本の価格は税込みです。

 文化通信社は、本好きのためのオンラインコミュニティー「ほんのもり」を運営しています。著名人が本について語るセッションに参加したり、会員同士が好きな本を語り合ったりできます。入会などの詳細はURL(https://honnomori.online/asahi2510別ウインドウで開きます)からご覧ください。

 また、紹介した書籍などを31人の方にプレゼントします。こちらもURLから応募ページにアクセスし、お申し込みください。応募締め切りは10月17日午後3時です。当選者の発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。

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