第27回「僕より徳が高い」妻をリスペクト 宮澤エマさん、祖父・喜一を語る

有料記事

聞き手・守真弓
[PR]

 政治家・宮沢喜一元首相の40年間に及ぶ政治行動を記録した「日録」が見つかったことで、戦後史の節目に立ち会ってきた宮沢氏に注目が集まっている。宮沢氏の孫で俳優の宮澤エマさんが朝日新聞のインタビューに応じ、宮沢氏の家庭での様子や宮沢氏との思い出を語った。

 ――宮沢元首相とはどんな関係でしたか。

 「私は祖父には理解できない孫だったと思います(笑)。ハーバード大学に入学した優等生の姉(起業家の沙羅さん)は祖父からしたら、もう少しわかりやすい孫だったのかもしれませんが、私は自分が興味ないことには全く精を出せないタイプ。好きだったのは歌を歌うとか、お芝居をすること。悲しい言い方に聞こえるかもしれませんが、あまり期待もしていなかったと思うんですよ。よく『エマちゃんはシンガーになりたいんでしょ』とニコニコしながら聞かれました。勉強ができないなら他のことが秀でているといいなって思っていたんじゃないのかな」

 「私は西海岸に興味があって、大学はカリフォルニアの大学にしましたが、NYU(ニューヨーク大学)も受かりはしたんです。母が祖父に伝えたら、意外だったみたいで『エマちゃんもやるね』と言っていたらしい。少しでも安心してくれたらよかったんですが……」

 宮沢喜一元首相の孫でもある俳優・宮澤エマさんのインタビューを2回に分けてお届けします。前編のこの記事では、祖父喜一氏との思い出や家庭での様子を伺いました。後編では、米国像など当時の祖父と今の自分の価値観の違いや、祖父から受け継いだ大切なものへと話が広がります。

 ――宮沢家ならではの悩みですね。宮沢元首相は学歴を重視したとはよく言われます。

 「祖父に対する批判でよく言…

この記事は有料記事です。残り1135文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
守真弓
文化部
専門・関心分野
東アジアのエンタメ文化

連載宮沢喜一日録 戦後政治の軌跡(全43回)

この連載の一覧を見る