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大峠道路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一般国道
国道121号標識
大峠道路
大峠レインボーライン
路線延長 25.2km
開通年 1987年 - 2010年
起点 福島県喜多方市関柴町西勝
終点 山形県米沢市大字入田沢
接続する
主な道路
記法
記事参照
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

大峠道路(おおとうげどうろ)は、国道121号の山岳狭隘区間である福島県喜多方市から山形県米沢市まで25.2 km(キロメートル)の事業路線名である。通称大峠レインボーライン

概要

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福島県喜多方市熱塩加納町米岡下平乙付近
  • 起点:福島県喜多方市関柴町西勝
  • 終点:山形県米沢市大字入田沢
  • 全長:25.2 km
  • 規格
    • 起点 - 県境(4.1 km):第3種第2級
    • 県境 - 終点(21.1 km):第3種第3級
  • 設計速度:60 km/h
  • 道路幅員
  • 最小半径:300 m
  • 最急勾配:5 %
  • 車線幅員:3.25 m
  • 車線数:2車線

特徴

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福島・山形県境区間にまたがる大峠を越える旧道ルートは1887年に福島県により開削され、このルートの開通により、福島県 - 山形県 - 秋田県の物資輸送が本格化した。1934年昭和9年)に改良工事がおこなわれ、自動車通行が可能となり、会津若松市と米沢市を結ぶ路線バスが運行開始されたが、2012年(平成24年)現在は定期路線としては廃止されている。

しかし1960年代に入り、砂利道で幅がせまい箇所が多く、11月 - 5月は冬季通行止めとなっていたことから改良を求める声があがり、1974年に現行ルートへの改良事業に着手となった。現行ルートは1984年に核となる全長3,940 mの大峠トンネルが貫通、1992年(平成4年)8月9日に大峠トンネルを含めた県境区間14.47 kmと喜多方側の一部4.1 kmが完成した。その後、熱塩加納村(現喜多方市)の一部区間(1.7 km)が開通し、2009年(平成21年)12月19日には喜多方側2.5 kmが開通し、未成区間は残り2.6 kmとなった。これらのバイパスは冬季の路線維持のために、最上級の除雪体制・道路監視体制が整えられており、福島県側の7つのトンネル群は、通称「虹のトンネル」と呼ばれている。これらのバイパスの開通により、喜多方市より福島県道16号喜多方西会津線経由で国道49号へ出れば、南陽市から国道113号経由で日東道国道7号へ出るより走行しやすいこともあり、高速道路料金を避けるために九州・四国・近畿・北陸と東北・北海道を往復する大型長距離トラック・トレーラーの通行量が急増することになった[注釈 1]

2010年(平成22年)9月11日福島県道333号日中喜多方線で代替されていた最後の未成区間が開通し事業開始から37年目にして全線開通した。総事業費は560億円であった。なお、大峠道路が全線開通していないという理由から、特に山形県側において路肩崩落及び土砂崩れが酷く通行止めとなっていた旧道ルートが長らく国道の本道に指定されてきたが、全線開通後2011年(平成23年)10月25日に福島県側が、2012年(平成24年)1月6日に山形県側が正式に国道指定から外れた。

沿革

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  • 1974年度(昭和49年度) - 事業着手。
  • 1984年(昭和59年)6月 - 大峠トンネル貫通。
  • 1992年(平成4年)8月9日 - 一部供用開始。
  • 1996年(平成8年)4月 - 道の駅喜多の郷オープン。
  • 1998年(平成10年)3月 - 道の駅田沢オープン。
  • 2010年(平成22年)9月11日 - 最後の未開通区間2.6 kmが開通、これにより全線開通。
  • 2011年(平成23年)1月28日 - 旧道の国道121号の指定 (山形県側) の一部が廃止。
  • 2011年(平成23年)10月25日 - 国道121号の指定 (福島県側) が本ルートに一本化。
  • 2012年(平成24年)1月6日 - 国道121号の指定 (山形県側) が本ルートに一本化。
  • 2022年令和4年)
    • 7月4日 - 6月27日の大雨により米沢市大字入田沢で道路下部の法面崩落が発見され、喜多方市熱塩加納町熱塩字弥平沢から米沢市大字入田沢の八谷トンネル北側ゲートまでの福島県内延長7.0 km、山形県内延長5.3 kmの区間が全面通行止めとなる[1][2]
    • 7月7日 - 被災箇所延長150 mを片側交互通行とし、全面通行止めを解除した[3]
    • 8月3日 - 令和4年8月豪雨による雨量超過のため、福島県内延長7.0 km、山形県内延長6.5 kmの区間が全面通行止めとなる[4]
    • 8月4日 - 米沢市大字入田沢で道路流失が発見されたため、引き続き通行止めとなった[5][6]
    • 8月26日 - 同区間の1車線確保のための応急復旧は高度な技術力を要することから国による権限代行による災害復旧を行うことになった[7]
    • 10月24日 - 被災箇所3か所の応急復旧が完了し、終日片側交互通行によって通行が解放された[8]

主要構造物(トンネル・橋梁)・休憩施設

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山形・米沢方面の順番。なお、喜多方市側には、虹のトンネルというトンネル連続区間があり、その色についても掲載している。

構造物・施設名 延長 全幅 全高 竣功 施工 虹のトンネルの色
道の駅喜多の郷
松原橋 17.7 m 2005年
赤崎橋 22.5 m 2008年
夢の森橋 29.8 m 2007年
上川原橋 67.0 m 1999年
向坂トンネル 354.0 m 2010年
明ヶ沢第一トンネル 139.0 m 2010年
明ヶ沢橋 145.0 m 2006年
明ヶ沢第二トンネル 319.0 m 2010年
西沢橋 174.0 m 2009年
日中橋
Nicchubashi
170.0 m 1991年
弥平トンネル
Yahei Tunnel
332.4 m 7.5 m 4.7 m 1988年3月 五洋建設
日中休憩所
日中トンネル
Nichu Tunnel
951.0 m 7.25 m 4.7 m 1982年10月 住友建設
石倉沢橋
Ishikurasawabashi
134.0 m 1983年 佐藤鉄工
黒清水駐車帯
黒清水沢橋
Kuroshimizusawabashi
255.0 m 1987年
不動トンネル
Fudo Tunnel
633.1 m 6.5 m 4.7 m 1989年3月 西松建設
温沢橋
Onsawabashi
130.0 m 1986年
地蔵トンネル
Jizo Tunnel
253.1 m 7.25 m 4.7 m 1985年11月 不動建設
小倉橋
Ogurabashi
82.0 m 1983年
薬師橋
Yakushibashi
25.0 m 1983年
石楠花トンネル
Shakunage Tunnel
106.0 m 1980年
大倉沢橋
Okurasawabashi
111.0 m 1983年
大倉トンネル
Okura Tunnel
508.0 m 7.25 m 4.7 m 1984年12月 佐藤・東洋建設
共同企業体
下探沢橋
Shimosagashisawabashi
29.0 m 1985年
探トンネル
Sagashi Tunnel
130.0 m 7.5 m 4.7 m 1986年12月 不動建設
上探沢橋
Kamisagashisawabashi
56.0 m 1987年
御手窪トンネル
Odekubo Tunnel
325.0 m 7.25 m 4.7 m 1989年11月 鴻池組
御手窪橋
Odekubobashi
140.0 m 1991年
高倉トンネル
Takakura Tunnel
127.0 m 6.5 m 4.7 m 1988年12月 不動建設
高倉沢橋
Takakurasawabashi
45.8 m 1987年
大滝橋
Otakibashi
180.0 m 1989年
栃平橋
Tochihirabashi
37.5 m 1989年 コミヤマ工業
栃平駐車帯
飯森沢橋
Imorisawabashi
24.0 m 1987年
大峠トンネル
Otoge Tunnel
3,940.0 m 1985年
大峠休憩所
大森大橋 180.0 m 1986年
普洞沢1号橋 49.0 m 1986年
普洞沢2号橋 122.0 m 1983年
普洞沢3号橋 70.0 m 1988年
百子沢橋 179.0 m 1989年
八谷大橋 195.0 m 1991年 宮地鉄工所
八谷トンネル 85.0 m 10.5 m 4.7 m 1991年11月 仙建工業
道の駅田沢

交通量

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2016年度 平日24時間交通量(台)

  • 大峠管理事務所:2829

脚注

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注釈

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  1. ^ あくまでも米沢市から新潟県を東部-南西部へ縦断する場合の一般道経由での最短ルートであるが、国道113号以北の地域とは、国道113号経由で関川村に出たほうが最短最速になることがほとんどである。

出典

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  1. ^ “国道ののり面が崩落12.3キロが全面通行止めに 山形県米沢市国道121号”. TBS NEWS DIG (JNN). (2022年7月5日). https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/87143?display=1 2022年7月6日閲覧。 
  2. ^ 国道121号(山形県米沢市田沢地内〜喜多方市熱塩加納町熱塩字弥平沢地内)の通行止めについて』(PDF)(プレスリリース)福島県土木部道路管理課、2022年7月4日https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/520961.pdf2022年7月6日閲覧 
  3. ^ 国道121号(山形県米沢市田沢地内〜喜多方市熱塩加納町熱塩字弥平沢地内)の通行止めから片側交互通行への移行について』(PDF)(プレスリリース)福島県土木部道路管理課、2022年7月7日https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/521681.pdf2022年8月27日閲覧 
  4. ^ 令和4年8月3日の降雨に伴う国道121号(山形県米沢市田沢地内〜喜多方市熱塩加納町熱塩大桧沢山地内)の事前通行規制について』(PDF)(プレスリリース)福島県土木部道路管理課、2022年8月3日https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/526003.pdf2022年8月27日閲覧 
  5. ^ 異常気象による道路通行規制箇所一覧表』(PDF)(プレスリリース)福島県土木部道路管理課、2022年8月4日https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/528884.pdf2022年8月27日閲覧 
  6. ^ 8月3日からの大雨に係る被害状況等について(置賜)』(PDF)(プレスリリース)山形県置賜総合支庁、2022年8月24日https://www.pref.yamagata.jp/documents/29357/materials1-1.pdf2022年8月27日閲覧 
  7. ^ 国道121号の早期復旧に向け国の権限代行による災害復旧事業(応急復旧)に着手』(PDF)(プレスリリース)国土交通省道路局、2022年8月26日https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001499047.pdf2022年8月27日閲覧 
  8. ^ 国道121号全面通行止め区間の通行再開について 〜10月24日午前6時から通行可能〜』(PDF)(プレスリリース)国土交通省東北地方整備局山形河川国道事務所・山形県・福島県、2022年10月21日https://www.thr.mlit.go.jp/bumon/kisya/kisyah/images/93497_1.pdf2022年10月24日閲覧 

関連項目

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外部リンク

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