「僕らは 耳で 焙煎(ばいせん)をする。」-。こんな目を引く商品名のコーヒーがある。豆のローストから販売までを手がけるのは、主に視覚障害者が通う福祉事業所「領家グリーンゲイブルズ」(埼玉県上尾市)。通常は色を見て確認する豆の焼け具合を、ここでは目が不自由な人が「音」で聞き分ける。「おいしい」と評判を呼び、今や生産が追い付かない人気商品となった。(出田阿生) 小さな部屋の中はムワッと熱気がこもっていた。熱源はコーヒー豆の焙煎機の炎。機械の前で、椅子に座った視覚障害者の人たちがじっと耳を傾ける。しばらくすると、豆がはぜる音がし始めた。線香花火のようなパチパチパチ…という連続音がして数分。鬼海(きかい)翔太さん(22)が「はい、オッケー!」と叫び、こんがりと焼き色がついた豆が取り出された。 鬼海さんは、エンジン音を聞いただけで車種を当てる耳の持ち主。スタッフの大金(おおがね)智和さん(48)は「

