俺はBreaking Downを舐めていたのかもしれない。24点。
強盗傷害事件で少年院送りになったリョーマはそこで強盗殺人未遂の男イクトと出会う。何となく仲良くなった2人だが、ある日、少年院に朝倉未来がやってきて棒演技と方言垂れたことに感銘を受け自分の人生に真摯に生きようと決める。なんやかんやあって出所した2人は鉄工所で働きながら、潰れかけのジムで格闘技に打ち込み始めるが、そこに2人の過去の因縁と通りすがりのGacktが絡まってきて……
みたいな話。
俺はBreaking Down自体はやってることは知ってる、程度で、まぁチンピラと迷惑系Youtuberたちが格闘技ごっこをしているイベント程度の認知しかないし、おそらく世間の大半がそうだと思ってる。しかし、おそらくやっている側にはそこに信念や青春があり、映画化するのであればそこを描く作品になるだろうと思っていた。
例えば、喧嘩と格闘技の協会とは、チンピラと格闘家の境界とは、刹那的な人生と真摯な人生の境界とは、みたいな。つまり、まぁ、一般的な社会のはみ出し者が人生を賭けられる"何か"に出会ってプラスの方向に生き方を変える系のややシリアスなお涙頂戴系の作品にしてお出ししてくるんだろうなと、そうたかをくくっていたわけだが全く違った。
もろちん、そういった要素はたぶんに含まれているのだが、一言でこの映画を表すなら「クローズZERO外伝」である。
監督がクローズZERO1,2を取った三池崇だからというのもあるだろうが、冒頭の少年院に送還された時点で映画クローズの重要人物、頬に十字の傷が入った牧瀬がご丁寧に鈴蘭高校の牧瀬だと名乗りながら登場する。その後も鳳仙のホモこと金子ノブアキややべきょうすけ、一ノ瀬ワタル、果てには山田孝之らが次々とちょい役で登場する。
で、本当にあらすじを大雑把にまとめると、ジムに通うようになった2人のもとにそれぞれに因縁のあるギャグみたいなチーマー集団が現れ、なんやかんやあってリングの上で実力を認め合うもチーマー集団のヘッドがGackt率いるキチガイ暴走族に拉致され、助けを求められた2人はBDの試合当日にも関わらず暴走族のアジトに乗り込みそこにヘッドを助けに来たチーマー集団も合流し大乱闘。なんとかGacktを討伐し、BDの舞台に立つのだった、おわり。
そうはならんやろと、一般人の俺なんかは思ってしまうわけだが。おそらくBDの視聴者層、もしくは朝倉未来らの考えはこうなんだろう。暴行で少年院に入るもそこで夢に出会いまっすぐに生きようと更生の道を歩もうとしていても、それでも仲間のためであれば喧嘩するのが"漢"なんだ、と。
そもそもこの最後の展開も敵対しているはずの主人公たちの元に助けを求めに来るのはチーマー仲間と連絡がつかない=ビビって逃げたからしゃーなしって話なんだけど、後からチーマー集団がドヤ顔で助っ人参戦するからね。こいつらが最初から連絡返してれば主人公たちは夢の舞台に素直に立てたのに。この展開、マジで意味不明。
しかも、今作でイクトは父親も殺人容疑で裁判中でその事件の担当検事の息子がBDに乗り込んできててその因縁でオーディション中にちゃっかり喧嘩になって「そこ試合決定」しているという最大のフックがあるんだけど、この大乱闘に尺を使いすぎたのか「まぁそういうのはいいじゃんw」みたいな感じで終わる。使い切る自信ないならそんなややこしい設定出すなよカス。
あとはイクトは殺人未遂自体は事実なんだけど強盗は濡れ衣でそれの累犯で少年院送りになっていて、その強盗の実行犯はリョーマだったっていうカスエピソードがあるんだけど、それもなんかお互いぶつかり合って解消するなりなんなりのドラマ作り放題の設定なのに、なし崩し的に「実は俺……」「気付いてたよ(シレッ)」みたいな感じで終わるのもめちゃくちゃ気に入らない。
最後に全然関係ないんだけど、Gacktが最強の不良みたいな感じで出てくるんだけどジャケット脱いだらめっちゃぬるっとした身体してて爆笑。あれは俺がそうだからわかるんだけど、シンプルに筋トレはしてるけど全く絞れてないだけの身体。チーマーのヘッドがキレッキレの三角筋を披露してくれていただけに、あまりのおじさんボディに笑みがこぼれてしまった。
主演の2人、特にイクト役はかなりよかったのでそこは評価ポイント。
まぁ、そんな感じかな。
俺が勝手にBreaking Downという夢に向かって真っすぐ、"リアルな"障害が立ちはだかってもそれを乗り越えて向かっていくような、もしくはそこでくじけてビターに終わってしまうような硬派なドラマを期待していたのが悪いんだけど、まさかクローズZERO外伝だとはこの南斗白鷺拳のシュウの目をもってしても!って感じでかなりガッカリしてしまった。
ただクローズZERO外伝、もしくは三池崇が撮ったトンチキ映画だよ!って思って見れば40点くらいはあると思うのでそれくらいのテンションで見るのがオススメ。