中上健次の声 文芸批評家・渡邊英理
中上健次の声 文芸批評家・渡邊英理
初めて会ったのはスクリーンの中だった。会ったではなく、見たが正確か。映画の中の井土紀州さんは、作家・中上健次(1946〜92年)の言葉を朗読していた。当時、私は院生で、この戦後生まれ初の芥川賞作家の研究を始めた頃だった。和歌山にある生地を「路地」と呼び小説に描いた中上は、そこが再開発で失われる際、16ミリカメラで撮影。井土さんは、中上の残したフィルムをもとに青山真治監督が製作した映画の主演だった…

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