Snowflakeはエンタープライズ向けエージェンティックAIのプラットフォーマーになり得るか

松岡功

2026-07-09 10:00

 人に代わってさまざまな業務を自律的にこなすAIエージェントが協働して企業の業務全体を効率化、自動化していくエージェンティックAI。そのプラットフォーマーの座を狙って、ハイパースケーラー、SaaSベンダー、ITサービス事業者などが活発な動きを見せている。AIの原動力はデータであることから、データ基盤ベンダーもその候補に上がる。

 中でも成長著しいSnowflakeは「エージェンティックエンタープライズ」、すなわちエンタープライズ向けエージェンティックAIに注力する姿勢をこのほど打ち出した。果たして、同社はそのプラットフォーマーになり得るか。日本法人社長執行役員の浮田竜路氏に、その勝算を聞いてみた(写真1)。

写真1:Snowflake 日本法人社長執行役員 浮田竜路氏
写真1:Snowflake 日本法人社長執行役員 浮田竜路氏

「エージェンティックエンタープライズ」を標榜

 「2026年は新たな時代の幕開けだ」

 浮田氏は、Snowflake日本法人が先頃開いた事業戦略についての記者説明会で、米Snowflakeが6月に米サンフランシスコで開催した年次イベント「Snowflake Summit 26」で、最高経営責任者(CEO)のSridhar Ramaswamy(スリダール・ラマスワミ)氏のこの発言を引用し、その新たな時代のキーワードとしてエージェンティックエンタープライズを掲げた(写真2)。

写真2:米国で6月に開催された「Snowflake Summit 26」の様子。中央に立つのはSnowflake CEOのSridhar Ramaswamy氏(出典:Snowflake日本法人の会見資料)
写真2:米国で6月に開催された「Snowflake Summit 26」の様子。中央に立つのはSnowflake CEOのSridhar Ramaswamy氏(出典:Snowflake日本法人の会見資料)

 同社はエージェンティックエンタープライズについて、「企業においてAIエージェントと人がタッグを組んで業務を変革すること」と定義している。浮田氏はそのポイントとして、次の3つを挙げた。

 1つ目は仕事の本質の変化だ。「“何をするか”を人が決め、“どう動くか”をエージェントが担う。この新たなタッグが仕事の新しい形になる」

 2つ目はエージェントの自動化だ。「エージェントは継続的かつ自律的にビジネス全体で稼働し、意思決定と実行を担うようになる」

 3つ目は働き方におけるエージェンティックエンタープライズの意味だ。「単なる技術トレンドではなく、企業の働き方を根本から変える時代の転換点だ」

 図1が、同社におけるエージェンティックエンタープライズの概念図だ。AIモデル、エンタープライズデータ&コンテキスト、ソフトウェア&アプリケーション、エージェンティックコントロールプレーンといった4つのコンポーネントからなり、とくにエージェンティックコントロールプレーンが他の3つに対する「司令塔」の役割を果たすという。

 このエージェンティックエンタープライズを支えるデータ基盤として、同社が提供しているのが「AIデータクラウド」だ。浮田氏はその特徴として、「ガバナンスの効いた単一のデータ基盤」「AIモデルを選択可能」「ユニバーサルな相互運用性」「エージェンティックコントロールプレーンを装備」の4つを挙げた(図2)。

 今年で創業14年目を迎えたSnowflakeは、クラウドベースのデータウェアハウス(DWH)およびデータアナリティクスの会社としてスタートし、その後「データクラウド」というコンセプトを掲げ、データエンジニアリング、データサイエンス、データガバナンス、そしてそれらに関連するアプリケーションやコラボレーション、セキュリティのソリューションなども手掛けている。さらに直近では浮田氏が述べたAIデータクラウドを掲げ、AIも積極的に活用し、その進化ぶりが注目されている。

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