稲賀敬二
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稲賀 敬二(いなが けいじ、1928年(昭和3年)3月20日[1] - 2001年(平成13年)4月11日[1])は、日本の国文学者。平安文学専攻。広島大学名誉教授。美術史家稲賀繁美の父。
経歴
[編集]旅順市明治村に生まれる[1]。本籍地は鳥取県境港市[1]。1947年(昭和22年)広島高等学校文科甲類卒業[2]。1950年(昭和25年)、東京大学文学部文学科卒業[1]。1954年(昭和29年)、東京大学大学院特別研究生退学[2]。東京大学在学中は池田亀鑑のもとで『源氏物語大成』(全9巻)『源氏物語事典』(全2巻)などの編集に従事した。
1956年(昭和31年)、立教大学一般教育部講師[2]、広島大学文学部講師[1][2]。1961年(昭和36年)、広島大学文学部助教授[2]。1968年(昭和43年)『源氏物語の研究 成立と伝流』により東京大学国語国文学会賞を受賞[1]。1970年(昭和45年)、広島大学文学部教授[1][2]。広島大学では、広島大学大学教育研究センター長、広島大学消費生活協同組合常務理事、広島大学評議員、広島大学文学部長、大学院文学研究科長などを歴任した[2]。
1990年(平成2年)、放送大学客員教授[2]、広島ビデオ学習センター準備室長[2]、広島大学名誉教授[2]、放送大学広島ビデオ学習センター長[1][2]。1993年(平成5年)、安田女子大学文学部教授[1]。安田女子大学では、学長補佐や大学院文学研究科日本語学文学専攻長などを務めた[1]。2001年(平成13年)、安田女子大学退職[2]。同年4月11日、広島市西区の自宅で死去。享年73。墓所は境港市上道神社。
没後、単行本未収録の論文を集めた『稲賀敬二コレクション』全6巻が笠間書院から刊行された。
著書
[編集]- 『源氏物語の研究 成立と伝流』笠間書院、1967
- 『紫式部 源氏の作者』新典社、1982
- 『文学誕生 日本的教養の研究 奈良・平安篇』PHP研究所、1983
- 『源氏物語の研究 物語流通機構論』笠間書院、1993
- 『日本文学における作家と作品』放送大学教育振興会、1993
- 『中務 三十六歌仙の女性』新典社、1999
- 『源氏物語註釈史と享受史の世界』新典社、2002
- 『明日何方ぞ迷い猫 稲賀敬二遺文集』稲賀久美子、2003
- 『けさや昔の夢のおもかげ 稲賀敬二回想集』稲賀久美子、2003
- 『物語流通機構論の構想』笠間書院、2007(稲賀敬二コレクション 1)
共編著
[編集]- 『大学への国文解釈』研文社出版、1956
- 『中世源氏物語梗概書』広島中世文芸研究会、1965
- 『枕草子入門』有斐閣新書、1980
- 『枕草子・大鏡』今井源衛共著 尚学図書、1980(鑑賞日本の古典)
- 『源氏物語の内と外』風間書房、1987
- 『中古文学の形成と展開』増田欣共編 和泉書院、1995
- 『論考平安王朝の文学 一条朝の前と後』新典社、1998