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社会的弱者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

社会的弱者(しゃかいてき じゃくしゃ、: socially vulnerable)とは、一社会集団の成員でありながら、大多数の他者との比較において、著しく不利な、あるいは不利益な境遇に立たされる者(個人あるいは集団)のことである。[1]

概説

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身体的特徴(人種など)・思想的特徴(思想、宗教など)・所属社会の特徴(所属民族国籍など)等に代表される個人あるいは一集団が持つ特徴によって、所属するより大きな社会集団の中で少数派の立場にあり、発言力も社会的な進出の機会も制約される、一般的な社会的少数者が第一に挙げられる。しかし、そればかりでなく、一社会集団の中で身体および身体能力、健康学歴年齢生活形態、社会的スキル等の有無により、その発言力が限定され、生活上の利便を図ることも難しく、他の多くの人々に比べて、その生活の質において、著しく不利で傷つきやすい立場に置かれている人々のことをいう。

要因

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社会的弱者が生み出される要因として、次のようなものが挙げられる。

低所得者を見下し、ひどく扱う社会的風潮[2]経済的弱者
  • 性別(雌雄の性差)による差別
女性の妊孕性のある身体への世間体からの社会的評価・扱いなど。性差別女性差別男性差別)。[3][4]
性差による勤務時間や給与差、世間体からの評価・扱いなど。LGBT差別。[5]
身体的能力、学歴、社会的スキルなどによる差別。交通弱者など。[6] 極端な例だが、疫学的理由のない隔離なども挙げられる。[7]
義務教育より先の課程にある学校(高校~大学)を卒業したかによる差別。[8]
日本では特に「高校に進学(卒業)していない」という理由だけで、中卒者を無条件に見下す差別(当人の責めに帰さない理由[注釈 1]も含まれる)。[9]
  • 法律的・文化的な差別
国籍、人種、エスニシティー(民族性)による差別。[10][11][12]
社会的に数の少ない集団、あるいは、発言力の弱い集団。[13]
インターネットに接続する環境にないなど情報量が少ない者。
ブロードバンドの利用できない地域の居住者。[14]

その他の例

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  • 交通弱者は、自動車中心社会において、移動を制約される人(移動制約者)、または子供、高齢者などの交通事故の被害に遭いやすい人
  • 買い物弱者(買い物難民)は、食料品や日用品などの買い物が困難になった人々
  • 災害弱者 は、災害時に自力での避難が通常の者より難しく、避難行動に支援を要する人々

脚注

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注釈

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  1. ^ 病気、障害、経済的理由などで高校への進学が不可能ないし困難な場合、またはやむを得ぬ事情で自主退学(中退)を余儀なくされた場合など。

出典

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  1. ^ 社会的弱者”. ボランティアプラットフォーム. 2024年11月26日閲覧。
  2. ^ “貧しさは自己責任”という偏見と差別が路上生活者の命を奪う」『みんなの介護』稲葉剛、2022年4月11日、第162回【前編】。2024年11月26日閲覧。
  3. ^ 勉強や仕事で「女の子だから」差別されることがある? | 日本財団ジャーナル”. 日本財団 (2024年1月9日). 2024年11月26日閲覧。
  4. ^ 実は男だって生きづらい。男性学から考える「ジェンダー平等」の意義とは? | 日本財団ジャーナル”. 日本財団 (2024年3月26日). 2024年11月26日閲覧。
  5. ^ LGBT”. 国連広報センター. 2024年11月26日閲覧。
  6. ^ 障害を理由とする差別の解消の推進”. 内閣府ホームページ. 2024年11月26日閲覧。
  7. ^ 泊まって学べる国立ハンセン病療養所。若者に伝えたい想い、偏見・差別の源 | 日本財団ジャーナル”. 日本財団 (2023年9月5日). 2024年11月26日閲覧。
  8. ^ 就活での学歴差別は存在する!その理由と学歴差別の克服方法5選”. リクペディア|内定獲得に役立つ就活情報サイト (2024年11月11日). 2024年11月26日閲覧。
  9. ^ TIMES編集部, ABEMA (2022年4月23日). “「お前、中卒やん」差別や偏見に苦しむ、高校中退者のその後…全然終わりじゃない!卒業認定試験で広がる可能性 | 国内 | ABEMA TIMES | アベマタイムズ”. ABEMA TIMES. 2024年11月26日閲覧。
  10. ^ 日本放送協会 (2023年11月9日). “在日コリアンへのヘイトスピーチ「祖国へ帰れ」は差別的で違法 注目の判決が投げかけるものとは - インクルーシブな社会のために - NHK みんなでプラス”. NHK みんなでプラス - みんなの声で社会をプラスに変える. 2024年11月26日閲覧。
  11. ^ 人種主義”. 国連広報センター. 2024年11月26日閲覧。
  12. ^ 少数民族の扱いに関する世界の見解” (2024年3月21日). 2024年11月26日閲覧。
  13. ^ 少数者の権利”. 国連広報センター. 2024年11月26日閲覧。
  14. ^ 情報格差(デジタルデバイド)とは?数字と原因、対策 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD” (2023年8月30日). 2024年11月26日閲覧。

参考文献

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  • 宮本みち子『若者が『社会的弱者』に転落する』洋泉社〈新書y〉、2002年11月21日。ISBN 978-4-8969-1678-2 

関連項目

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