【埼玉・蕨市】日本で一人だけの「共産党員の市長」がいた…自民党が束になっても勝てず、20年間も君臨する「納得の理由」

現代ビジネス編集部

埼玉県蕨市。面積が「日本一小さい市」として知られる自治体には、全国でも異彩を放つ政治家がいる。日本共産党員でありながら、市長として5期20年の長期政権を築き上げている頼高英雄氏(62歳)だ。党勢の衰退が指摘される共産党にあって、頼高氏は自民・公明が総力を挙げて送り込む刺客をことごとく返り討ちにしてきた。歴史的に「保守の地盤」で、「赤い市長」はなぜ無敵を誇るのか。全国唯一の共産党籍を持つ市長の強さの秘密に迫る――。

初当選以来、朝6時半から「辻立ち」

2月18日(水)、午前7時。JR蕨駅西口の駅頭には、寒風を切り裂くような張りのある声が響いていた。

「ご出勤ご通学の皆さん、おはようございます。市長の頼高英雄でございます」

2007年の初当選以来、欠かさず続けている月一回の「辻立ち」だ。

市政報告を記したチラシを配る頼高市長(写真:現代ビジネス)
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この日は、午前6時30分から支援者らと共に市政報告を記したチラシを配り、午前7時からは「行ってらっしゃい」と掛け声を挟みながら、終始にこやかな笑顔で演説を続ける。途中、市民が「頑張ってください」と駆け寄ると、グータッチで応じる場面もあった。

特筆すべきは、その圧倒的な「演説の巧みさだ」だ。すぐ近くでは「日本人ファースト」と書かれたタスキを身に着けた右派団体の関係者が辻立ちしていたが、駅前の空気を支配していたのは、頼高氏の柔和な笑顔とよどみない演説だった。保守系の市議関係者A氏が明かす。

「頼高さんはとにかく弁が立つが、それだけではない。常にニコニコしており、市長然とした威圧感がない。誰とでも気さくに話せるキャラクターで、市民からの人気は高い」

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