部下との信頼関係は、特別な面談や評価の場だけで築かれるものではない。実は、一日の終わりに交わす何気ない一言が、「また明日も頑張ろう」という気持ちを生み、職場の雰囲気を大きく左右することがある。では、部下が自然とついていきたくなる上司は、退勤前にどのような声をかけているのだろうか。話題の書『リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、信頼を育てる「帰り際の一言」について解説する。
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「また来たい職場」は、帰り際の一言でつくられる
朝の挨拶が大切なのはよく言われます。
でも、チームの雰囲気を左右するもうひとつの重要なタイミングがあります。
それが、前日の終わり方です。
たとえば、休み前の帰り際に「お疲れさま、よい休日を!」と一言かけるだけで、部下は週末を気持ちよく過ごせます。
そして休み明けの出社も、前向きな気持ちになりやすい。
誰もやっていない職場では特に目立ち、そのリーダーの印象をぐっとよくします。
終業時の一言が、翌朝を変えた
以前、社労士として参加した勉強会で、ある管理職の方の取り組みが紹介されました。
「毎朝のミーティングをもっと活発にしたい」と悩んでいた方に、講師がアドバイスしたのは「終業時の一言を変えること」でした。
それまで「お疲れさま」と言って帰っていた習慣を、「今日はあの段取り、スムーズだったね。明日もその調子でいこう」と変えたそうです。
すると翌朝のミーティングで自然と発言が増え始め、「昨日褒められたポイントをもっとよくしようと考えてきました」と具体的な提案が出るようになったといいます。
心理学が示す「終わり方」の力
心理学に「ピーク・エンドの法則」という理論があります。
人は経験全体の印象を、その「ピーク」と「終わり方」によって大きく判断するというものです。
思い当たることはありませんか。
上司に「明日の朝イチでその件について話そう」ときつい口調で言われただけで、家に帰っても気になって仕方ない。
逆に「明日、一緒に考えよう」と笑顔で送り出してもらえると、安心して帰れるし、翌日も前向きに出社できる。終わり方が、その日一日の印象をつくるんです。
「帰り際の30秒」が「翌日の8時間」を変える
具体的には、こんな声かけが効果的です。
■その日のよかった点を伝える。
例:「今日のクレーム対応、落ち着いていてよかったよ」。
■翌日の不安を和らげる。
例:「明日の商談は2人で行こう。私もフォローするから」。
リーダー自身も疲れている帰り際かもしれません。
でも、その30秒が翌日の8時間を左右すると考えれば、これほど効果の高い投資はないはずです。
(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)








