「もっと小杉の話をしたほうがよかったかな。僕の話ばっかりになってもしょうがないから、パルコのことをたくさん書いてね」 取材のあと、箭内道彦は小さくこぼした。箭内は広告を「自分の好きなものを伝えるお手伝いだ」と表現するが、それは彼自身が日常的に体現する思想なのだと実感した。広告は大きなビジネスで、さまざまな関係者たちの思いが折り重なっている。だからこそ、自分自身のまっすぐな「好き」という気持ちを貫くのは難しい。箭内道彦にはなぜそれができるのだろう? ひっそりと周りを気遣う言葉に、その答えが見えた気がした。GUCCIのジャージに身を包み、金髪を逆立てながら、彼はどこまでも優しく繊細な人だ。 そんな箭内とともにパルコの50周年広告「50年目の、新しいパルコ。」を手がけたのが、アートディレクターの小杉幸一である。「息をするようにデザインをするからこそ信頼できる」と箭内に絶賛される彼は、「パルコアラ

