FIFAワールドカップ北中米大会の観戦チケットは、ドナルド・トランプ大統領でさえ呆れるほど高騰している。だがスーパーリッチな人々は金に糸目をつけず、快適な移動手段でスタジアムまで行き、特等席で涼しげに観戦しているようだ。格差の極みともいえる実態に、米紙「ニューヨーク・タイムズ」の金融担当記者が迫る。 一般のサッカーファンにとって、ニューヨークの中心部から、隣のニュージャージー州にあるスタジアムまでの道のりは、歯医者に行くときのように気が重い。 ターミナル駅であるペンシルベニア駅の外で、直射日光にさらされながら、保安検査の長い列に何時間も並び、汗まみれの他人と一緒にバスや列車に押し込まれて、郊外の会場へと向かわねばならないからだ。 だが、ある日の午後、駅周辺で群衆が押し合いへし合いしている頃、マンハッタンにある超高級オフィスビル「ソロー・ビル」の日陰になった玄関口では、ずいぶんと文明的な光景

