「生きづらさ」を個人の責任として片付ける風潮は根強い。『生まれたくなんかなかったのに それでも生きるための哲学』(幻冬舎)の著者・小島和男氏(学習院大学文学部哲学科教授)は、「生きづらさの原因は個人ではなく制度にある」と語る。反出生主義という思想を入り口に、親子関係や少子化、人生の意味を問い直しながら、苦痛を少しでも減らして生きるための考え方について、小島氏に聞いた。(聞き手:関瑶子、ライター&ビデオクリエイター) ──本書は、反出生主義の立場から、苦痛を取り除いて楽に生きる術を模索することを目的としています。改めて、反出生主義とはどのような考え方なのでしょうか。 小島和男氏(以下、小島):反出生主義は新たに人を生み出すこと、すなわち、子どもをつくることには重大な問題が伴うという考え方です。 2006年に南アフリカ共和国の哲学者デイヴィッド・ベネターが上梓した『Better Never t

