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伊藤 もともと私は大学のレポートくらいしか文章を書いていなくて、コンスタントに書くようになったのはお仕事をいただいてから。書かずにはいられない人もいると思うんですけど、私は人に読みたいと言われて初めて書く欲求が生まれるんです。 三宅 女の子は交換日記や手紙のやりとりで小さいころから文章を書きがちですよね。私たちは世代的にもインターネットで文章を書くのが普通だったようにも思います。 伊藤 わかります。私も2ちゃんねるからTwitterへ移って、noteがあると知って。創作に興味があったというより何となく始めて、取り立てて書くことがないから自分について書くようになったという感じです。 三宅 インターネットや文学フリマのような場で、読むことと書くことがすごく密接になってきていると感じます。昔ははっきり分かれていた読者と作者がシームレスになっているのは面白いですね。私自身もその意識があまり分かれて
彗星の如く現れたスターの原石─そんなキャッチコピーで知られる星街すいせいは、まさに彗星のようにスターダムを駆け上がってきた。2024年3月にリリースした「ビビデバ」は総再生数1億回を超えるバイラルヒット。ラジオ番組のMCやテレビ出演、日本武道館での単独ライブ成功、今年は4都市アリーナツアーやVTuber史上初の「ROCK IN JAPANFESTIVAL」出演も決まっている。VTuber事務所「ホロライブプロダクション」から2018年にデビューして8年。彼女はバーチャルとリアルの境界線を越境しながらエンターテインメントの未踏の地を開拓し続けてきた。 そんな華やかなステージの裏側で彼女を突き動かしているのは、クリエイターとしての純粋で剥き出しの感情だ。「昔から素敵な映画やアニメ、楽曲に出会ったとき、同時に『これ、私が思いつきたかった!』ってものすごく悔しくなるんです。その感情を自分の作品にも
慶良間諸島、粟国島、渡名喜島、久米島、硫黄鳥島、そして沖縄本島など──多数の島々から構成される沖縄諸島は、緑濃い山々と青い海、豊かな動植物が唯一無二の魅力を放ち、観光客や移住者を惹きつける。 「沖縄は日本の国土面積の約0.6%にすぎないのに、全国の米軍専用施設面積の約70%が集中している」──沖縄を語るうえで欠かせないもう一つの事実だ。1945年から使用される極東最大の米空軍基地・嘉手納基地を筆頭に、県内には30以上の米軍専用施設があり、沖縄本島では面積の約15%が占用されている。島の広範囲において騒音や水質汚染が問題視され、米軍機の事故や性暴力被害も後を絶たない。
『Michael/マイケル』は6月12日より全国公開。 Photo: ®, TM & © 2026 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved. 6月12日より日本公開されるマイケル・ジャクソンの伝記映画『Michael/マイケル』。伝記映画史上歴代NO.1のオープニング成績を記録し、世界中で大ヒット公開を続けているが、早くもライオンズゲートが続編の製作を明言した。『Variety』によると、5月21日(以下、現地時間)に行われた同社の四半期決算説明会にて、映画部門責任者のアダム・フォゲルソンが、「『Michael/マイケル』の続編の製作が、敬意をもって進められていることを心からうれしく思います。関係各所と順調に調整が行われています」と語った。 『ボヘミアン・ラプソディ』のプロデューサー、グレアム・キングと『トレーニング デイ』のアン
私たちの周りには、集中を妨げるものがあまりにも多い。電話が鳴り響き、通知が飛び交い、いたるところに雑音がある。こうした状況では、ひとつのことに長時間集中することは不可能に近い。今やっていることに夢中になり、自分がいる場所や時間も忘れて、心配事も一時的に頭から消えてしまうような状態になれたら、どんなに素晴らしいことだろうか。これは「フロー状態(別名ゾーンとも)」と呼ばれるもので、仕事や運動、勉強など、あらゆる活動で体験される。 フロー状態とは、心理学者のミハイ・チクセントミハイが彼の代表的な著書である『フロー体験 喜びの現象学』で提唱した言葉で、私たちが目の前のタスクに完全に没頭しているポジティブな状態、そして楽に集中できる感覚を表したものだ。呼吸法コーチのロブ・レアは、「行動と意識が融合する状態」だと説明する。「意識しているわけではないのに、今この瞬間に完全に集中している感じです。思考は静
マドンナは、“魔女”の時代へ突入したようだ。 2025年のメットガラ(MET GALA)では、展覧会「Superfine: Tailoring Black Style」とドレスコード「Tailored for You」にオマージュを捧げ、トム フォード(TOM FORD)の威風堂々たるダブルブレストスーツを纏い、葉巻を手にしたダンディなルックで登場。しかし2026年のメットガラでは、彼女は一転。いかにも彼女らしい鮮やかな方向転換で、ダークな魔性を全面に押し出した装いを披露した。 7月3日にニューアルバムのリリースを控えているディーバのマドンナが纏ったのは、サテンとレースで仕立てたサンローラン(SAINT LAURENT)の床まで届くスリップドレス。その上には、視線をさらう半透明でヴァイオレットのオーガンザのケープを重ねていた。ケープはこの夜のトレンドのひとつとも言えそうだが、マドンナの場合
今こそ考えたい、戦争とエネルギーと暮らしの関係──「賢い選択」としての再エネの未来を、気候科学者の江守教授に聞く 日々緊迫感をもって語られる戦争とエネルギー危機。そもそも、なぜ世界情勢が私たちの生活費を揺さぶるのか。東京大学教授・江守正多さんが提起する、エネルギー安全保障として、気候変動対策として、暮らしの豊かさとして考えたいエネルギーの未来とは。 戦争、エネルギー問題──世界のフェーズが変わった──4月はアースマンスでしたが、例年とは異なる空気がありました。イランへの米国・イスラエルによる攻撃、ホルムズ海峡の封鎖など、戦争とエネルギー危機が急激に生活に接近している感覚があります。江守さんはいまの状況をどう見ていますか。 ひとつには、世界のフェーズが変わったということなのかなと思っています。冷戦が終わった1990年前後から最近までの約30年というのは、世界の歴史のなかで特に平和な時代だった
Netflixドラマ『アドレセンス』は、殺人容疑で逮捕された13歳の少年の現代的な加害性を描き、世界的な話題を呼んだ。このドラマをきっかけに注目を集めた言葉のひとつに「マノスフィア」がある。「man(男)」と「sphere(領域)」を組み合わせたこの言葉は、人びとがネット上で繋がり、アルゴリズムによってより過激なコンテンツが流れてくるようになった現代における「有害な男らしさ」を体現している。 3月、マノスフィアという現象に迫るドキュメンタリー『ルイ・セロー: "マノスフィア"の深層にあるもの』がNetflixで公開された。イギリスのドキュメンタリー作家であるルイ・セローが、Instagramで30万人のフォロワーを持つハリソン・サリバン(HSTikkyTokky)、約160万人が登録しているYoutubeチャンネル「Fresh and Fit Podcast」のマイロン・ゲインズ、Inst
東京の、全国の、街頭がカラフルなライトで照らされる。そんな夜が2月以降続いている。最初は東京都内の首相官邸前で3,600人ほどだったところから、8,000人、そして24,000人と、その数は予想をはるかに超えるスピードで増え続け、かつ運動は全国各地へと広がりをみせている。 「平和憲法を守るための緊急アクション」は、2月27日の首相官邸前を皮切りに、3月10日・3月25日は東京・国会前を中心に行われてきた。参加人数は増え続け、25日の回には現地参加が24,000人(主催者発表)、オンラインでの同時視聴が70,000人、計約94,000人(いずれも主催者発表)がともに声を上げた。また、全国各地でも連帯アクションが行われ、札幌から沖縄まで多くの場所で、戦争に反対する人びとが街に集った。
阿部千登勢が振り返るサカイの26年間。「私自身が着たいと思うかが、 サカイの大事な判断基準です」【女性デザイナーの現在 vol.1】 日本の女性デザイナーの筆頭を走る阿部千登勢。わずか5型でスタートしたサカイ(SACAI)を彼女は世界的な評価と人気を誇るブランドへと成長させた。「自由でいることが大事だったから」とデザイナーであり経営者である道を選んだ阿部。軽やかで揺るぎないその信念とともに歩んだ26年間を今あらためて振り返る。
今、街の文具コーナーが少し騒がしい。かつて子どもたちが筆箱やノートの端っこに熱心に貼りつけていた、あの「シール」という存在が、単なるノスタルジーを飛び越えて、一種の社会現象的なムーブメントになっているのだ。その中心に鎮座し、圧倒的な熱狂を巻き起こしているのが、大阪の文具メーカー「クーリア」が生み出した「ボンボンドロップシール」、通称「ボンドロ」だ。 ロフトやハンズといった専門店の棚から、ドン・キホーテの文具コーナー、さらにはオンラインショップに至るまで、この小さなシートには常に供給不足の札が下がっている。2025年のクリスマス直前には、子どもにボンボンドロップシールをねだられた大人たちが、どこを探しても見つからないそのシールを求めてSNS上で悲鳴を上げる姿がタイムラインを賑わせた。たかがシール、と笑い飛ばせないほどの熱量がそこにはある。
「自分に貼られたレッテルを一枚一枚剥がす作業をしてきました。その結果が、今なんだと思います」──ちゃんみな、その名が今映し出すもの “ちゃんみな”という名に重ねられてきた、強さや鋭さというイメージ。しかしその輪郭をなぞっていくと、また違った表情が見えてくる。多様な日本文化が色づく中で、ちゃんみなの現在地を映し出す。 呼応する端正な構造美 日本が誇る伝統と革新、そしてその多彩な美しさを写し撮った本ストーリーでは、ちゃんみなと国内外で活躍するアーティストたちとのコラボレーションが実現した。「盆栽は五葉松に始まり、五葉松に終わる」と言われるほど代表的な存在である五葉松。“御用を待つ”とかけ、縁起物としても知られている。幼少期から盆栽に親しみ、海外で本質とずれた扱われ方を目にしたことをきっかけに、30歳で日本に戻り、会社を立ち上げた盆栽プロデューサーの小島鉄平。4月には京都・祇園に新店舗がオープン
今、深い悲しみの渦中にいる私たちの多くは、すでに起きた出来事に心を痛めているだけではない。奪われるかもしれない特定の自由や保障、約束についての「もしも」のシナリオに、不安で押しつぶされそうになっているのだ。ニーロン博士はこう説明する。「過去の出来事に対する悲嘆とは異なり、予期悲嘆(anticipatory grief)は将来の可能性に焦点が当てられます。そのため、拭いきれない不安感が生まれ、心の平穏を見つけるのが難しくなるのです」 ジェンダー平等や同性婚といった基本的な権利が、今後どうなるのかはまだわかっていない。しかし、そうしたものが存在しない世界で生きるかもしれないと考えるだけで、それ自体が一つの「喪失」のように感じられることがある。 「女性たちは、自分の身体について自ら決定する権利に思いを馳せて悲しんでいるのかもしれません。LGBTQ+コミュニティの人々は、自分のアイデンティティを安
日本の女性が参政権を行使してから80年。4月10日に観たい「女性と選挙」の歴史と関わりを描いた映画7選 1946年4月10日、戦後初の衆議院選挙が行われ、約1,380万人の女性が初の投票に足を運んだ。そして、39人の女性国会議員が誕生した。女性参政権が行使されてから80年の節目を迎える今、女性が政治に参加できなかった過去を振り返りながら、未だに参政権が得られていない人びとの存在やその制度における課題を認識し、闘いの歴史を未来につないでいくために観たい映画7本を紹介する。
今最も注目を浴びているデザイナーのひとり、 ジョナサン・アンダーソン。彼の独創性が生み出す唯一無二の世界観には、誰もが心奪われる。その“挑戦を厭わない” 魅力あふれるクリエイションとディオールの歴史あるクラフトマンシップが出逢うとき─ 新たな幕を切った奇才デザイナーの心境と素顔に迫る。
レディー・ガガが、アメリカ移民関税執行局(ICE)による強硬な取り締まりで何人もの命が失われている母国の惨状に「心を痛めている」と東京ドーム公演で訴えた。1月29日の公演中、「少しだけ、私にとって本当に大切なことについて話させてください」と語り始め、こう明かした。「数日後に私は帰国しますが、全米各地でICEに容赦なくターゲットにされている人々、子どもたち、家族のことを思う心が痛みます。彼らの苦しみ、彼らの生活が私たちの目の前で破壊されている様子が、頭から離れません」 第二次トランプ政権は、ICEと協力のもと、違法移民の排除を目指す国外追放キャンペーンに乗り出しており、全米各地で衝突が起きている。ミネソタ州では、1月17日(以下、現地時間)にアメリカ国民のレニー・ニコル・グッド、1月24日には同じくアメリカ国民のアレックス・プレッティが射殺され、大規模なデモに発展した。ガガは、「ミネソタや故
ファッション業界で約20年にわたりキャリアを積み、その大半を『Vogue』で過ごしてきた私は、服が持つ変容の力を強く信じてきたひとりだ。けれど近年、ファッション産業が地球環境に与える多大な影響を実感するようになり、同時に、かつての自分がいかに多くの服を買ってきたかを思い、少なからず気恥ずかしさを覚えるようになった。 そこで私は、1年間、新しい服やファッション小物を一切買わず、すでに持っているものを修復やお直しによって活かすという決断をした。虫食いのあるステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)のジャンプスーツは直せるのか。裏地が破れてからクローゼットの奥で眠っているジミー チュウ(JIMMY CHOO)のニーハイブーツは、再び履けるようになるのか。亡き父のものだったスーツを自分のサイズに仕立て直したり、イニシャルを入れてパーソナライズすることは可能なのか……。
「女性ウォッシュに惑わされず、政治を監視して」──政治学者の三浦教授は“女性首相”の誕生をどう捉えるか 2025年を語る上で欠かせないトピックとして、日本初の女性首相誕生があるだろう。世界的に大きな注目を集める一方、「女性にとっては厳しい時代になった」と政治学者の三浦まり教授は語る。ファッションや外見に関する報道が加熱することで覆い隠されてしまう本質に目を向けながら、政治における“女性性”の作用と読み解き方を解説する。
火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(以下、『あんたが』)は、今期を代表する話題作として、盛り上がりをみせている。主人公である鮎美(夏帆)が、いまだに古いジェンダー観を持っている勝男(竹内涼真)に対し、別れを切り出すことで物語が動き出す本作。その切り口の鮮やかさ、コメディタッチでありながら現代のジェンダーギャップに鋭く切り込む姿勢は、多くの視聴者の共感を集めている。 勝男は家事労働は当然女性がするものであり、男性自身はそんな女性の行動を審査・評価する立場にあると思っている。無自覚なモラハラ男に分類していいタイプだろう。「謝らないで、これは鮎美がもっと上を目指すためのアドバイス」は強烈なパンチラインだ。失恋を機に自分のダメなところを知り、弱さを見せ、戸惑い、失敗を重ねる姿はどこかユーモラスで、思わず応援したくなる。そんな彼の成長描写もまた、物語の推進力となっている。
少し前まで彼氏がいることはステータスだった。しかし近年、その存在をソーシャルメディアで堂々と見せびらかすのは“ダサい”とされる傾向がある。なぜ女性たちは彼氏の存在を隠そうとするのだろうか。米国版『VOGUE』のライターが考察する。 ソーシャルメディア上で誰かが「私のカレが〜」と投稿した瞬間、即ミュートしてしまう。楽しくてフォローしていたのに、急にそのほとんどが“彼氏コンテンツ”に変わるのが本当に苦手だ。それは過去ずっと女性たちが、彼氏を中心とした世界でアイデンティティを築かされてきたからだと思う。逆に男性が女性中心の生活を送ることはほとんどない。女性は“いい男性を見つけてキープする”能力によって社会的地位や称賛を得てきた。それがソーシャルメディアという場では、エンゲージメントや、ときにお金稼ぎにも使われるようになったことでさらに息苦しくなっているのだと考えられる。しかし最近になって、オンラ
『ハリー・ポッター』シリーズの原作者J・K・ローリングが、トランスジェンダーの権利をめぐって意見が対立するエマ・ワトソンを「実生活の経験が乏しく、自分の無知に自覚がない」と非難した。2020年にトランスジェンダーの権利について持論を明らかにして批判を受けたローリングは、エマやダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリントら映画『ハリー・ポッター』のキャストたちが、彼女を非難してトランスジェンダーコミュニティへの支持を表明したことから、彼らを「決して許さない」と発言するなど、溝が深まっている。 最近、ポッドキャスト『On Purpose With Jay Shetty』に出演したエマが、「あのようなことがあっても、私自身の意見と、それに対する愛情とサポートを持ったまま、たくさんの思い出を共有するジョー(J・K・ローリングの愛称)を大切に思うことはできる、と心から信じています」とコメント。「私の意見
エマ・ワトソンが、『ハリー・ポッター』シリーズの原作者で、トランスジェンダーをめぐる発言で物議を醸したJ・K・ローリングへの変わらぬ想いを語った。「あのようなことがあっても、私自身の意見と、それに対する愛情とサポートを持ったまま、たくさんの思い出を共有するジョー(J・K・ローリングの愛称)を大切に思うことはできる、と心から信じています」 ポッドキャスト『On Purpose With Jay Shetty』に出演したエマは、こう続ける。「相手やその人との思い出を否定し、その人との関係や大切に思う気持ちを断ち切ることなんて、できません……。簡単に割り切れる問題ではないと思っています。私の意見に賛成しない人にも愛してほしいし、私も必ずしも同じ意見を持たない人を愛し続けたい。これが私の切なる願いです」 『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー・グレンジャー役でスクリーンデビューし、シリーズ全
イーロン・マスクの娘、ヴィヴィアン・ウィルソンがランウェイデビュー!NYコレクションで語る独自の美容観と日本コスメ愛 世界的実業家イーロン・マスクの娘として生まれ、自らの道を切り開くことを選んだモデル、ヴィヴィアン・ウィルソン。ニューヨーク・ファッションウィークで鮮烈なキャットウォークデビューを飾った彼女が、日本で暮らした経験から愛用していたコスメの話までを、『VOGUE JAPAN』に語ってくれた。
──本書冒頭には、「社会が学校が押し付ける“ふつう”に揺さぶりをかけたいと考え、小学校の教師になりました」とありました。星野さんが実践の場として学校を選んだ理由を教えてください。 それこそ大学卒業後すぐ、カルチャー誌の編集者として働き初めて、そこで取材する人たちの多くが“ふつう”に揺さぶりをかける仕事をしていました。そうすると、自分には何ができるんだろうと考え始めるわけです。自分は別に、音楽ができるわけでも演技ができるわけでも、アートが作れるわけでもない。でもせっかく転職するんだったら、大きなアクションをとってみたい気持ちがありました。あとは、強い情動が自分の内から湧き上がることじゃないと仕事として続かないと思っていて、それは何だろうと考えたときに学校や教育に対しては、「こうしてほしかった」「これは本当に嫌だった」みたいな痛みや傷つきが残っていることに気がつきました。加えて、学校とは関係な
マッコローとヘルナンデス、ロエベのオフィスでの新章に臨む。 Photographed by Annie Leibovitz Sittings Editor:Jack Borkett. Vogue,September 2025 ヴァンドーム広場の近くにある、ロエベ(LOEWE)のパリのヘッドクォーターで私が会った日の時点では、二人の身の回りの品はまだ輸送用の箱に入ったままで、住んでいる家も7区にある短期のサブレット物件だった。マッコローの言葉を借りるなら「リアルな場所」を探す時間がないのだという。やはり、世界的なラグジュアリーブランドのクリエイティブとは、すべてを捧げなければならないほどの重責なのだ。この役割を担う者の務めには、ブランドの未来への道筋を描くだけでなく、新しく仕事場になったオフィス内の様子を把握することも含まれている。というわけで、ヘルナンデスがこのビルの中を案内してくれたのだ
「ドーパミンドレッシング」という言葉がSNSで広く注目を集め始めたのは、2020年代前半。原色のハッピーカラーやプレイフルなテキスタイルが、鬱屈とした社会の空気を切り裂くように鮮やかに登場した。カラフルな色や遊び心あるデザインを身にまとうことで、脳内の「幸福ホルモン」ドーパミンが分泌され、気分が上向く──そんな心理的効果を期待するムーブメントだ。背景には、コロナ禍による外出制限や閉塞感、そして高まるストレスがある。リモートワークや自宅生活のなかでも、服装で日々の喜びを見出そうとする動きと共振し、この潮流は瞬く間に広がっていった。 やがてファッション業界もその空気を取り込み、ランウェイや広告キャンペーンは鮮やかな色彩であふれ出す。ビビッドなピンクやフレッシュなグリーン、エネルギーを帯びたオレンジが「ポストコロナの着こなし」として受け入れられ、レッドカーペットでも派手色のドレスやスーツが主役に
グランジの意味とは“グランジ”。それは、ひとつの完成されたスタイルでありながら、時代ごとに姿を変え、何度でも蘇るスタイルだ。1980年代、シアトルのローカルなロックシーンで産声を上げたグランジは、90年代初頭、世界を席巻するカルチャーとして爆発的に広がった。その美学は多くのアイコンたちに支持され、時代の気分を象徴するファッションスタイルとして確立されることとなる。 ただ、忘れてはならないのは、グランジとは本来“反骨精神の象徴”であるということ。パンクとメタルを掛け合わせたインディバンドたちが、違和感や怒りを音に昇華させる中で、このムーブメントは形作られていった。 「スラッジでも、グライムでも、クルッドでもよかった」。音楽レーベル、サブ・ポップの創設者にして、“グランジ”という言葉を広めた立役者であるジョナサン・ポネマンは、1992年の『ニューヨーク タイムズ』の取材にそう答えている。重要な
アンダーヘアは剃る(あるいは脱毛する)もの──そんな固定観念が変わりつつある。TikTokのバズワードや、ハイファッションの最前線、アートの世界へと広がる“ブッシュ・リバイバル”。陰毛は単なる体毛の域を超え、個性や自己表現の象徴として新たな注目を集めている。 「フル・ブッシュ・イン・ア・ビキニ」、この言葉が今TikTokで大きな話題になっている。きっかけは、アーティストのSujindahが投稿した動画で、再生回数はすでに1400万回を超えた。 しかし、これは単なるバズワードではなく、アンダーヘアのトレンドが再びナチュラル志向へと戻りつつあるサインでもある。「フル・ブッシュ・イン・ア・ビキニ」というフレーズが象徴する通り、時代は再び“ナチュラルヘア回帰”へ。自然な美しさが、改めて脚光を浴びているのだ。 約1年前、メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)の2024年春のクチュールコ
1920年代、婦人参政権運動家たちが国会に請願書を持ち込む様子。女性参政権法案の国会提出を求め、2万人以上の署名を集めた請願書を持参し帝国議会を訪れた。 Photo: George Rinhart/Getty Images 根深い問題ですね……。例えば日本では卑弥呼のように、文書が残る前の時代には女性が政治を動かしていた可能性はあって、それがどうして男性中心になったのか、あるいは社会が男性を重んじるようになったかというと、戦争が一番大きな理由かなと思っています。私の専門である西洋政治哲学から古代ギリシャ・アテネを例にあげると、他国に攻め入って戦争に勝つと敗戦国の人々を連れ帰り、奴隷にしていました。民主主義で有名なアテネは明らかに軍事国家なんですね。そういう社会のなかで体育という名の軍事訓練をさせられるのですが、古代ギリシャの絵とかを見ると、当時はオリンピック含め基本運動の際は上半身裸です。
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