今週のラインアップ新凱旋門物語大統領のケーキオブセッション 災愛夢物語原爆資料館 語り継ぐものたちデッドマンズ・ワイヤーまた会えるよねチルドキングダム 魂の決戦新凱旋門物語建築の理想と政治の現実 古賀重樹(編集委員)建築は面白い。建築家の作品であり、同時に依頼主の思想の表象でもある。国家事業ともなると、芸術の理想と政治の現実は時に衝突する。ルーヴル美術館からコンコルド広場、シャンゼリゼ通り
木村龍之介Ryunosuke Kimura 演出家、作家 シェイクスピア劇の連続上演で注目を集める若手劇団カクシンハン。劇団を旗揚げしてから5年目の2016年に、東京の小劇場、シアター風姿花伝で『ヘンリー六世(三部作)』と『リチャード三世』を “薔薇戦争四部作”として同時期に上演。1カ月に及ぶロングラン公演を成功させ、一躍脚光を浴びる。若い役者がエネルギッシュに走り回る疾走感溢れるステージ、ポップカルチャーや日用品を用いる現代的な演出により、“新しいシェイクスピア”として幅広い層から支持を集めている。 蜷川幸雄演出による『マクベス』が原点というカクシンハン主宰者・演出家の木村龍之介に、「シェイクスピア東京」と名付けた新たなアプローチについて聞いた。 聞き手:田中伸子 まずはご自身のバックグラウンドからお話しいただけますか。生い立ち、シェイクスピアと出会うまでの経歴など教えてください。 大分
バイキング・ロウとノルウェー代表 2026年7月6日のW杯準々決勝で、ノルウェーがブラジルに、イングランドがメキシコに勝利しました。日本時間で12日6時には両国が対峙するため、ネットでは、1066年9月25日に、イングランド北部ヨーク近郊のスタンフォードブリッジで、ノルウェー王ハラルド3世らヴァイキング連合軍とイングランド王ハロルド2世が激突した戦いの再来か、とすら言われています。 人口550万のノルウェ―がW杯本選への出場権を得たのは28年ぶり。とりわけエースストライカーのエアリング・ブラウト・ハーランド(Erling Braut Håland;ノルウェー語ではホーラン(ド))の活躍とそのパフォーマンスは、普段サッカーを見慣れないものをすら魅了しています。前々回のW杯では、さらに小国のアイスランドの活躍が目立ちましたが、今回は、常連であるデンマークとスウェーデンがすでに敗退しているため、
誕生から四半世紀、ネットの百科事典に迫る◆百科繚乱 ウィキペディア事始め(連載第1回・全4回) 2026年07月16日11時00分 後で読む ウィキペディア日本語版のトップページ 誰もが編集に参加できるインターネット上の百科事典「ウィキペディア」。2026年1月で誕生から四半世紀になりました。350以上の言語で、約6600万もの記事が書かれている巨大な事典は、いかにして作られているのでしょうか。12年までウィキペディア日本語版の管理者を務めた海獺(らっこ)さんによる連載記事を、一部再構成して掲載します。 W杯の裏側でもう一つの戦い サッカーW杯カタール大会1次リーグのスペイン戦で、ゴールライン際でボールを折り返し、決勝点に繋がった「三笘の1ミリ」(EPA時事) 2022年のサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会。日本代表は「三笘の1ミリ」と呼ばれる劇的なプレーでスペインに勝利し、決勝ト
※公共物にシールを貼りつける行為は犯罪行為に当たります。また、本記事はそのような行為を推奨するものではありません。 東京都 築地駅のホームの自動販売機に「ありがとうございます」と書かれたシールが貼られているのを見つけた。 築地という地名は有名だが、築地駅は東京メトロ日比谷線が通るだけの小さな駅だ。シールを見かけたとき、思わずどういたしましてと思ってしまった。特に買ってはいないのだが。 数日後、渋谷駅でもまったく同じシールを見つけた。京王井の頭線の近くだった。 もし、渋谷駅のシールが東京メトロ銀座線の近くにあれば、東京メトロが独自に貼っているシールなのか、と思っていただろう。しかし、京王線の近くにあるためそうとは考えづらい。 それに自販機の会社も異なっている。となると、自販機の会社がシールを貼っているとも考えにくい。じゃあ誰が貼ってるんだ。 念のため自販機の会社に電話し、駅員さんにも訊いてみ
井上芳雄です。2023年9月9日に日生劇場でミュージカル『ラグタイム』が開幕しました。20世紀初頭、アメリカの移民の約9割がやって来たといわれる激動の時代のニューヨークを舞台に、ユダヤ人、黒人、白人の3つの家族が、差別や偏見に満ちた世界を変えていこうとする群像劇です。あこがれの先輩、石丸幹二さんとミュージカルでご一緒するのは初めて。作品も日本初演です。日本でミュージカルをやる上で、人種の問題を扱うにはハードルがたくさんありましたが、今回はその大きなテーマにカンパニーをあげて取り組んでいます。そのトライアルの成果をぜひ見てほしいと願っています。 ミュージカル『ラグタイム』は9月30日まで日生劇場で上演中。10月5~8日梅田芸術劇場 メインホール、10月14~15日愛知県芸術劇場 大ホールで上演(写真提供:東宝演劇部) 『ラグタイム』は『ライオン・キング』、『キャバレー』(リバイバル公演)とい
地元に残る実家、離れて暮らす高齢の親、住み替えや相続……。地方から東京に出てきた人なら誰もが直面しうる問題に、真正面から向き合ってきたのが、お笑い芸人・平成ノブシコブシの吉村崇さんです。 北海道札幌市に暮らす80代の父親は、現在一人暮らし。かつては大きな一戸建てに住んでいましたが、数年前にマンションへ住み替えたそうです。そこには「親の意思を尊重したい」という吉村さんの葛藤もあったのだとか。家族との距離感、実家への思い、そして自身の住まい観について、率直に語ってもらいました。 撮影 武石早代 記事の目次 1. 「東京で一緒に住まない?」の提案を、父はハッキリ断った 2. 「雪かきがない暮らし」のため決断した、マンションへの住み替え 3. 雪国だからこそ、冬が来る前に住み替えプロジェクトを終わらせる 4. 「父の看取りについて後悔をしたくない」実家問題の根底にある思い 5. 離れて暮らす親を支
今更こんなことを書いても詮無いが、映画(のみならず新規映像作品全般)への「評論」なるものが、(プロ・アマ問わず総ての書き手が)何でも好きなものを無造作に投げ込むための屑籠と化して久しい。その常態化は西暦2020年代における(商業規模・国籍・ジャンルなど問わず)映画作品の質的頽落と直結しており、既存作品に事寄せて何か切実で気取った呻きを響かせたいばかりの数限りない不見識の徒輩と交わり、ただでさえ聴こえのよくない騒擾の音量をさらに上げるなどは文字通り「自涜」以外の何事でもない。これは西暦2020年代における謙譲な知の持ち主たちには自明として弁えられていることであり、もちろん筆者もその静かな溜息に和わする者である。 にも拘らず、オリベル・ラシェÓliver Laxe監督による西暦2025年公開の映画『シラートSirāt』に関する寸評を筆者がここに加えんとするのは、もちろん先述したような無為の呻き
映画評論の軌跡を確認しつつ、その現在地についてライター・評論家の大山くまおさんが論じます。名物解説者のいた時代からメディア環境は変化していき、そして今……。 (『中央公論』2022年7月号より抜粋) 今年3月、映画評論家の佐藤忠男が逝去した。91歳だった。1950年代から映画評論活動を旺盛に行い、日本映画、アジア映画の発展に寄与した。著書は共著も含めると150冊に上る。同月、95年に創刊された雑誌『映画秘宝』が2度目の休刊となった。アクション映画やホラー映画を積極的に紹介した独特の編集方針が人気を集めたが、今後はウェブなどでの展開を探るという。軽いタッチの文章が中心でありつつ、長文の映画評論にアクセスしやすい媒体でもあった。 佐藤の死と『映画秘宝』の休刊。二つの出来事には何の関連性もないが、2022年現在の「映画評論」のあり方を考えたとき、どこか象徴的に思えてしまう。 まず、映画評論とは何
毎月ひとつのテーマを掲げ、4人の執筆者にそれにまつわる映画エッセイを寄稿してもらう「映画の〇〇について考える。」。今月のテーマは、衣替えのシーズンにちなんで”着替え”。今週は表象文化論を研究する小澤京子さんが、日本におけるアヴァンギャルド映画の金字塔、『薔薇の葬列』を取り上げてくれた。 『薔薇の葬列』は、古代ギリシア悲劇『オイディプス王』を、男性と女性、異性愛と同性愛を鏡像反転させたパロディであると同時に、化粧も含めた着替えとそのプロセスが、人間関係における地位の転換や性を移行する過程を象徴的に示す映画でもある。 エディは新宿のゲイバー「ジュネ」でトップ人気の若い店子(みせこ)であり、オーナーの権田とは肉体関係にある。かねてより権田の愛人でもあったジュネのママ、レダにとっては、自らの地位を二重に脅かす存在だ。『オイディプス王』は父殺しと王の交代、そして母との同衾という禁忌をめぐる物語だった
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