今も世界中に熱狂的なファンを持つ、日本を代表する浮世絵師・葛飾北斎。北斎と生涯を共にし、誰もが知るこの天才絵師の姿を、間近で見続けたひとりの女性がいた。彼女の名前は“お栄”。北斎とは父娘であり、そして師弟でもあったお栄は、北斎の右腕として活躍し、やがて、いつも北斎から「おーい、おーい」と呼ばれることから「葛飾応為(おうい)」という号を授かり、当時は珍しかった女性の絵師として江戸の芸術界を駆け上がっていく。その性格は豪胆で自由。茶のひとつもまともに淹れられず、針仕事も不得意だった彼女が、父であり師である北斎の背中から学んだこと。それは描くこと、それこそが生きることー。限りある命を燃やした応為の、これまで語られなかった日々を映し出す傑作が、ここに誕生する。 「美人画では敵わない」と北斎も認めるほどの才を持ち、自らの意志で北斎と共に生きる選択をした応為をたくましくも軽やかに演じ切るのは、日本を代

