若者の暴動により、フランスで戒厳令が発動された。 発端は、この種の大暴動ではよくあるとおり、ささいなことだった。10月27日に、パリ北郊の通称バンリュー(郊外の意)とよばれるセーヌ・サン・ドニ県で、なにか悪さをしたアフリカ系移民の子が警察に追われ、フランス電力公社の施設へにげこんだ。しかし、そこで運悪く感電死してしまったのである。これを発端に、日ごろから警察に不満をいだいていた若者らの怒りが爆発し、暴動にいたった。すぐにおさまるだろう、とフランス政府は思っていたのだろうが、2日たち4日経つうち、おさまるどころかエスカレートする一方。6日めにして、ようやくシラク大統領が閣僚らに「心をおちつかせ、対話と尊厳の精神で法をしっかり適用するように」と指示した。要するに、なるだけおだやかに鎮圧せよと命令したのである。 ところが、「シビリゼーション」の概念を生んだ国らしからぬ野蛮な言辞が、サルコジ内

