『戦国策』にこんな言葉がある。 「三人虎を成し、十夫椎をたわめ、衆口の移すところ翼毋くして飛ぶ」 (三人の口にかかれば虎が出来し、十人の口にかかれば鉄椎がたわめられ、多数の口に乗れば、翼も無いのに空を飛ぶ) まったく根拠のない噂も、多くの人が言えば聞き手は信用してしまう、という大衆の軽信性を言ったものである。 ・・・昔から人間の心理は少しも変わることがないのだな、と妙に感心する。 で、このことわざにまつわる話。 前4世紀、魏の国。政治的策略により魏の国の太子は趙の国へ人質となることになった。太子一人ではなく家臣の(ほうそう)も一緒だった。 さて、このが魏を出発するとき、その王にいうには、 「今、誰かが“市場に虎が出た!”と申しましたら、王様はお信じになりましょうか?」 王は言った。 「いいや」 「では2人目のものが“市場に虎が出た!”と申しましたら、王様はお信じになりましょうか?」 王は言

