Intelチップセットの歴史 その8
FSB方式の限界に振り回されたXeon向けチップセット
2010年02月08日 12時00分更新
インテルチップセット編の最後は、サーバー向けおよび組み込み向けチップセットである。もっとも、このあたりの分類も実はちょっと怪しかったりするのだが、まずは大雑把な流れを紹介していきたい。
もともとインテルが長らくプロセッサーバスにShared Bus構造をとっていたのは、マルチプロセッサーの構成を簡単に作れるためだった。「Pentium」の時代からデュアルCPU構成は実際に利用されていたし、「Pentium Pro」では「Intel 450GX」と組み合わせることで4 CPUの構成が構築できた。これはその後「Pentium II/III」になってからも引き継がれ、実際「Intel 450NX」では、FSBが100MHz限定ながら4プロセッサー構成を取れるようになっていた。
ただし、この頃まではデスクトップ向けとサーバー向けがかなりごっちゃになっていたが、Pentium IIIの登場後、Intel 800シリーズチップセットの導入あたりから、インテルは明確にラインナップを分離した。
- デスクトップ向け:1プロセッサーのみ
- サーバー向け:2プロセッサーおよび4プロセッサー構成
これに合わせて、CPUも2プロセッサー以上を可能とする「Xeon」と1プロセッサーのみのPentium III/4やCeleronが分離され、チップセットもそれぞれ専用のものが用意されることになった(当初は「Pentium II Xeon」「Pentium III Xeon」だったのが、Pentium 4の登場後に「Intel Xeon」に名称変更された)。
もっとも、「じゃあローエンドの1プロセッサーサーバーもXeonや専用チップセットが必要になるのか?」とか、「ワークステーションはデスクトップとサーバーのどっちになるんだ?」といった具合に、うまく割り切れないジャンルが出てくるのもこれまた必然。その結果、製品ラインがデスクトップとごちゃごちゃになるという展開になった。
Xeonに合わせて登場した「E7500」シリーズ
まず2002年11月に、「E7501」と「E7505」、「E7205」の3製品がリリースされる。E7501/7505は、同時に発表された533MHz FSBのXeonに合わせてリリースされた2プロセッサー対応のチップセットで、E7205はSocket 478に対応した1プロセッサー対応のものである。
Intel E7501チップサイト(インテルウェブサイトより引用)
E7501はサーバー向けで、「P64H2」という「Hub-Link(HL) 2.0/PCI-Xブリッジチップ」を3個接続することで、66MHz/64bit PCI-Xならば最大12スロット、133MHz/64bit PCI-Xでも3スロットを同時に利用できるという強力なものだった。一方、E7505はP64H2を1個に絞り、代わりに「ICH4」対応としたワークステーション向けチップセットである。
E7205は「Canterwood」(関連記事)というコード名からわかるとおり、実は翌2003年4月に「Intel 875P」として発表されるデスクトップ向けチップセットの、前身にあたるエントリー向けチップセットだった。
E7205はその後、Intel 875Pを経て「E7210」というチップセットに進化するが、こちらの内実は「Intel 875P+6300ESB」(Enterprise South Bridge)という構成に近い。ようするに、ハイエンドデスクトップ向けチップセットとエントリサーバー向けチップセットはほぼ同一で、あとは接続するサウスブリッジやサポートする拡張バスの種類などで使い分けていたわけだ。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第883回
PC
TSMCのA16プロセスの詳細が判明! 性能向上の主因はトランジスタではなく裏面電源供給(SPR)にあり? -
第882回
PC
IBMが0.7nmチップの製造に成功! 変態的CFET構造NanoStackの凄みと、あまりに高すぎる製造コストの壁 -
第881回
PC
同一周波数で消費電力18%削減! 進化した「Intel 18A-P」はどこが変わったのか? -
第880回
PC
次世代NVLinkの布石か? TSMCの光電融合技術「COUPE」がもたらすAIサーバーの光接続 -
第879回
PC
なぜAIには「光」が必要なのか? NVIDIAが解説するスケールアップネットワークの低遅延・省電力化戦略 -
第878回
PC
もはや銅配線は限界? 3200Gイーサネット実現に立ちはだかる200GT/秒の壁 -
第877回
PC
「不良品ゼロ」と「水冷NG」の狭間で。ルネサスが明かした車載チップレットSoCのリアル -
第876回
PC
このままではメモリーが燃える! HBM4/5世代に向けた電力供給の限界と、Samsungが示すパッケージ協調設計の解 -
第875回
PC
1000A超のAIプロセッサーをどう動かすか? Googleが実践する垂直給電(VPD)の最前線 -
第874回
PC
AIの未来は「電力」で決まる? 巨大GPUを支える裏面給電とパッケージ革命 -
第873回
PC
「銅配線はまだ重要か? 答えはYesだ」 NVIDIA CEOジェンスンが語った2028年ロードマップとNVLink 8の衝撃 - この連載の一覧へ











