2026-06-01

10万円でイラスト依頼した時の選考過程

初めてイラスト有償依頼をした。

やり取りにも、納品してもらったイラストにもたいへん満足している。

というわけで、初めて有償依頼を出した時に、どういう基準絵師を選んだかを書いていく。自分はこれで納得のいくやり取りができたので残しておこうというわけだ。

依頼内容→自作ゲームに使う一枚絵

予算→一枚10

応募してくれた人数→69人

最終的に頼んだ人数→2名 3枚(2枚を同じ人に描いてもらった)

ここから先は、絵師サイドには厳しいことも書くかもしれない。

しか予算額を見てもらえば分かる通り、個人依頼としては決して安くはない金額を積んでいるつもりだ。企業案件などと比べれば端金かもしれないが、最新ゲーム機+最新ソフトを買ってもお釣りがくる金額と考えれば、小市民にとっては安くない買い物である100均でショッピングバッグを選ぶのと、ブランド店でバッグを選ぶのとでは気の入り用も変わるだろう。

お客様神様だと言いたいわけではない(むしろ自分接客業なのでこの言葉を歪曲して使う輩は大嫌いだ)。だが、諭吉10枚支払うからには、双方納得のいく取引にしたかったのである

適当言葉が思いつかず「選考」などと偉そうに書いてしまうことを最初にお詫びしておきたい。

一次選考 通過人数→22名

まずは画力が求めるレベルに足りているかだ。

自分はまったく絵が描けないわけではない。もちろん商業レベルに達しているわけではないが。ゲームコンテストイラスト部門で受賞する程度の画力はある。

自分と同程度…あるいはすこーし上かなー?程度の人間に二桁万円積んで依頼したいと思うだろうか。

これが、質より量を求めるのであればまた話は変わってくるのだろうが(個人Vtuber誕生日のお祝いイラスト兎に角たくさん欲しいとか)。今回の依頼はゲームのスチル。一点ものがほしいのだ。5000円クオリティのもの20枚ではなく、10万円クオリティのもの1枚がほしいのである

あと、明らかなカテゴリーエラーはここで弾いた。一般的等身のキャラ絵を頼んでいるのに、ポートフォリオSDキャラしかいないとか。オフィスラブ漫画大賞にギャグ4コマ漫画を送ってるようなものだ。どんなにクオリティが高くても選ぶことはできない。



二次選考 11

ここで選考したのは、まず完成品のイメージがつくか。

「この人にお願いしたら、こんなかんじのイラストになるだろう」というイメージができるかどうかだ。

これは弾いた具体例を書いたほうが分かりやすい。

・背景付き一枚絵の依頼なのだが、ポートフォリオ立ち絵しかない。あるいは背景が単色だったり簡単な柄だけだったり。

・男女キャラ両方含む依頼なのだが、ポートフォリオに女キャラしかいない

完成予想図を持てなくては比較検討もできない。

もちろん依頼文に「男女それぞれ何人」「背景はこんなかんじ」と書いた上でだ。書いてなかったら自分情報提供不足でしかないが。

完成イメージを持てたところで、次に見たのが「料金が明確か」だ。

◯見本絵はこちらで、お値段80000円です と明示

◯この描き込み量だと70000円、このくらいだと50000円…のように金額別に作例をつけて提示

これらの提案選考やすくて有り難かった。いくら払えばいいのかが明確だからだ。

一方で困ったのが「シンプル背景料+5000円、描き込み背景料+20000円、小物小追加+7000円、小物大追加+11000円…」のように書かれるタイプだ。

あなたポートフォリオに展示されてる、このイラスト雰囲気と描き込み量で描いていただくにはいくら払えばいいんだ?」というのが分からない。

から予想外の金額を持ちかけられて嫌な空気になるのも申し訳ないので、料金不明瞭な方はここで弾いた。

あとひとり、支払い期限が短すぎて弾いた人がいた。3月末まで募集4月上旬に依頼先を決めると書いているのに支払い期限4月1日。真剣に選ばせてくれ。せめて半分の5日間くれ。


三次選考 6名

ぶっちゃけ、この段階は運でしかない。

この第三段階で見たのは、求めるテイストに合っているかどうかでしかいからだ。

「このゲームイラスト依頼だからこの人にお願いしたが、別のゲームの依頼ならこの人にしていた」というのがあり得るのである。というか多分そうなる。

なので、二次を通った11名様はチェックさせていただいた。新作ゲームの時にはぜひ依頼させていただきたい。

この11名は金額相応の品質でお出ししてもらえたし、こちらが求める和食も出してくれた。中華フレンチではなく。

で、三次選考で残った6名はさら焼き魚を出してくれたのだ。寿司や煮魚もいいけど、今日焼き魚の気分だなーって時に焼き魚を出してくれたって話だ。寿司の気分だったら別の人が残ったし、煮魚の時だってそうだ。


最終選考 2名に決定

ここまでの嫌らしい吟味突破した6名。実力もイメージも申し分ない。この人たちになら予算全額出せる。ちなみに6名の提案額は、最高が予算通り10万、最低が3万だった。3分の1未満の金額渡り合えるあなたは採算取れてるのかと言いたい。あなたに依頼する時はチップのせます

話を戻して。

じゃあ、「君に決めた!」というまでの、最後の一手は何だ?

あなたの」依頼がいい

これである

同じくらい時給貰えるなら何でもいい。数うちゃ当たる…ではなく。

あなたに選んでもらいたいから応募した」という「特別感」「オーダーメイド感」を出してもらえたか。これが決め手となった。

今回依頼させていただいたお二方の場合

募集要項に書いた内容でカラーラフを実際に描いてくださった

ゲームを実際にクリアまでプレイし、「このゲームの魅力はここで、キャラのこういうところが長所から、こんな構図はいかがですか」と提案してくださった

どうだろう。

もし採用されなかったらカラーラフまで描いた意味はない。ゲームクリアまで遊んだ時間無駄になる。

なのに、それを実行してくれた。

無駄になるかもしれない時間を費やしてくれた。私の依頼に選ばれるために」

この事実一次創作者にとってあまりに大きかった。

絵師にとっては何百、何千、何万といるクライアントのうちの一人かもしれない。だが、依頼側は「たったひとりの」絵師を探して依頼を出すのである

私の依頼を「数ある依頼のうちのひとつ」ではなく「唯一無二の依頼」と扱ってくれたのが嬉しかったのだ。実際はそこまで考えていないのかもしれないが、私はお二人のアプローチが嬉しかった。

ここまでやってくれる方々なら安心して任せられる。

こうして、69名の中から、依頼させていただく2名を決定した。


以上、イラストの依頼をする時の選考過程だ。あくまで私一個人のやり方である

偉そうなことも散々書いてしまったが、提案をいただいた69名の方々には等しく感謝している。SNS非常識絵師のついての話が流れてくる中で、69名の中にそういった人はいなかった。実際にやりとりしたお二方以外は提案文面を見ただけの話にはなってしまうが、初手タメ口だったり、挨拶なしだったり、「社会経験ないだろ…」と思わされるような人はいなかった。

今後も機会があれば依頼していきたいと思えたのは、69名の皆さんが常識的社会的に対応してくれたからだ。「数十万払った依頼の納期を破られたあげく、その絵師ゲームに興じていた」などという話も出るなか、私は円滑かつ丁寧にやりとりさせていただいたし、提案文面に不快感をおぼえることもなかった。

なので、その点にかんして、皆さんに等しく感謝申し上げたい。一個人の依頼に対して文面を考えてくださって、本当にありがとうございました

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