悩ましいモバイル・プラットホーム選択。HTML5は死んだのか?
SCE吉田氏によれば、モバイルに開発リソースがシフトした影響により、ゲーム専用機向けの開発余力が不足しつつあるそうだ。だがそのモバイルにおいても、どこに開発リソースを振り向けるかはデベロッパにとって頭の痛い問題となっているようだ。この点についてReuterがリポート記事を掲載している。記事の内容は次のようなものだ。
・iOSはリソースの振り向け先として鉄板だが、他はいずれも選択しにくい
・Windows系は携帯分野で出遅れている
・Andoridはハードメーカーごとに違った進化を遂げつつあり、選択肢から外れる傾向が強まっている
・HTML5は「月並み」。個別プラットフォームに開発されたアプリの方が、現時点では優れている
いくつかあるオプションで特に興味深いのはHTML5だ。
HTML5の大きなチャームポイントは、個別ハードの違いが隠蔽されること、プラットホームホルダの縛りがなく、30%のApple税のような課税から逃れることができることだ。
実際の例として、英紙フィナンシャル・タイムズが自社のアプリをiOSネイティブからHTML5アプリに切り替えている。またFacebookも自社のアプリをHTML5化するプロジェクトを推進していた。これは本ブログでも、「Facebook IR: 失望して離散する投資家。密かに反撃の牙を研ぐFacebook」とのエントリ(今年8月1日)でご紹介したものだ。
ところがZuckerberg氏は9月10日、このHTML5移行を否定する発言を行っている。
公式iOSアプリをHTML5からネイティブに書き直したことについて、HTML5に賭けたことはFacebookの「最大の戦略ミス」だったと認め、iOSに続けてAndroidアプリも近いうちにHTML5ではなくネイティブに移行すると語った。
(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1209/12/news032.html)
一見するとWebからネイティブへの方向転換に見えるが、発言の真意は以下の趣旨だったようだ。
・間違いだったのは、ネイティブの反対としてHTML5に大きく賭けすぎたこと。
・なぜなら、単にその時期ではなかった。
・HTML5が悪いのではない。実際のところ長期的に考えて(HTML5に)本当にわくわくしている。
(http://www.publickey1.jp/blog/12/html5html5.html)
現状ではHTML5には技術的な問題があり、全てのアプリを載せかえられるようなものではないが、長期的にはあいかわらず重要なオプションだとしているわけだ。
HTML5の技術的な問題とは何だったのか。FacebookのエンジニアTobie Langel氏がまとめている。
1. メモリ管理
2. スクロールのパフォーマンス
3.“ブラックボックス”なGPU、より良いタッチ、アニメーション、キャッシュの必要性
(http://www.infoq.com/jp/news/2012/09/Facebook-HTML5-Native)
これらの点は既にW3Cで検討に附されているとのこと。
記事には関係者の意見が掲載されているが、HTML5等のWeb系がネイティブに対して競争力を持つには、結局まだ数年はかかるだろうとの見方が多いようだ。
Web系がメインストリームになるまでに時間がかかることが明らかになる一方、iPhone5で性能という掛け金をさらに引き上げたApple、Windows 8で逆転を狙うMS、インストールベース拡大一本槍から転じて細分化問題についに手を付けたGoogle等、プラットホームホルダ側も早いスピードで進化を続けている。この進化はネイティブ開発に有利に働くことだろう。
技術的に言ってもビジネス的に言っても、AppleやGoogle等といったプラットホームの支配が長期的に続くかどうかは不透明だ。だがWeb系が今すぐに世界を牛耳るということもない。モバイル・プラットホームの選択について、デベロッパはこれからも暫くは頭を悩ませることになりそうだ。
・iOSはリソースの振り向け先として鉄板だが、他はいずれも選択しにくい
・Windows系は携帯分野で出遅れている
・Andoridはハードメーカーごとに違った進化を遂げつつあり、選択肢から外れる傾向が強まっている
・HTML5は「月並み」。個別プラットフォームに開発されたアプリの方が、現時点では優れている
いくつかあるオプションで特に興味深いのはHTML5だ。
HTML5の大きなチャームポイントは、個別ハードの違いが隠蔽されること、プラットホームホルダの縛りがなく、30%のApple税のような課税から逃れることができることだ。
実際の例として、英紙フィナンシャル・タイムズが自社のアプリをiOSネイティブからHTML5アプリに切り替えている。またFacebookも自社のアプリをHTML5化するプロジェクトを推進していた。これは本ブログでも、「Facebook IR: 失望して離散する投資家。密かに反撃の牙を研ぐFacebook」とのエントリ(今年8月1日)でご紹介したものだ。
ところがZuckerberg氏は9月10日、このHTML5移行を否定する発言を行っている。
公式iOSアプリをHTML5からネイティブに書き直したことについて、HTML5に賭けたことはFacebookの「最大の戦略ミス」だったと認め、iOSに続けてAndroidアプリも近いうちにHTML5ではなくネイティブに移行すると語った。
(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1209/12/news032.html)
一見するとWebからネイティブへの方向転換に見えるが、発言の真意は以下の趣旨だったようだ。
・間違いだったのは、ネイティブの反対としてHTML5に大きく賭けすぎたこと。
・なぜなら、単にその時期ではなかった。
・HTML5が悪いのではない。実際のところ長期的に考えて(HTML5に)本当にわくわくしている。
(http://www.publickey1.jp/blog/12/html5html5.html)
現状ではHTML5には技術的な問題があり、全てのアプリを載せかえられるようなものではないが、長期的にはあいかわらず重要なオプションだとしているわけだ。
HTML5の技術的な問題とは何だったのか。FacebookのエンジニアTobie Langel氏がまとめている。
1. メモリ管理
2. スクロールのパフォーマンス
3.“ブラックボックス”なGPU、より良いタッチ、アニメーション、キャッシュの必要性
(http://www.infoq.com/jp/news/2012/09/Facebook-HTML5-Native)
これらの点は既にW3Cで検討に附されているとのこと。
記事には関係者の意見が掲載されているが、HTML5等のWeb系がネイティブに対して競争力を持つには、結局まだ数年はかかるだろうとの見方が多いようだ。
Web系がメインストリームになるまでに時間がかかることが明らかになる一方、iPhone5で性能という掛け金をさらに引き上げたApple、Windows 8で逆転を狙うMS、インストールベース拡大一本槍から転じて細分化問題についに手を付けたGoogle等、プラットホームホルダ側も早いスピードで進化を続けている。この進化はネイティブ開発に有利に働くことだろう。
技術的に言ってもビジネス的に言っても、AppleやGoogle等といったプラットホームの支配が長期的に続くかどうかは不透明だ。だがWeb系が今すぐに世界を牛耳るということもない。モバイル・プラットホームの選択について、デベロッパはこれからも暫くは頭を悩ませることになりそうだ。