第33回古賀誠氏が語る宮沢喜一氏 「軍事大国にならない理念、リードした」
池田伸壹 西村圭史
故・宮沢喜一元首相による40年間の日録で、自民党派閥「宏池会」の「加藤の乱」による分裂などの際に会談や電話の記録が多数あり、のちに会長を継いだ古賀誠元幹事長に取材した。インタビューは3月25日に実施した。
――加藤の乱の頃、古賀氏が宮沢喜一氏と大蔵省大臣室で会ったり電話をしたり頻繁に連絡をとっていたことが日録に記されています。
宏池会は自民党の派閥の中でも特に思想と理念を持った派閥だった。特に四つの守るべきものとして「憲法尊重、歴史認識、言論の自由、軍事大国にならない」という明確な理念があった。その理念をリードしてくださったのが宮沢氏だった。共産党を含めた野党と手を握って倒閣運動をするというのは、宏池会の哲学と伝統にとってありえないことだった。もう、それは宮沢氏との間で話す必要もないほど当然のことだった。私は折に触れて、状況がこうなっていますという報告をした。
――岸田文雄前首相は取材に、当時、宮沢氏から「古賀誠国会対策委員長によく相談したらいい」と言われたと述べています。
相談はあったかなあ? でも…















































































