年金、将来いくら受け取れるの? 不安抱いた30代記者が読み解いた

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高絢実
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 「年金局の取材を担当してもらいます、今年は目玉の動きもあるので……」

 3月下旬、前任地の名古屋での送別会中の出来事だ。異動先のキャップから、電話で告げられた。「ね、年金……?」

 記者(31)は4月、東京本社くらし報道部に異動した。担当は厚生労働省。さらにその中でも、年金局の取材をすることになった。

 年金について思いつくのは、「将来、どれくらいの額を受け取れるんだろうか」というくらい。

 なんとなく年金を納めてきた記者のような現役世代の役に立つべく、そして年金についての情報を必要とする全世代に正確な記事を届けるべく、猛勉強と取材を始めた。

老後の生活を支える公的年金。新たに「年金担当」になった30代記者と、受給開始がそろそろ見えてきた50代記者が、複雑な制度や将来の見通しなどを読み解きます。

     ◇

 4月下旬、東京都八王子市にある帝京大のゼミで「学生との年金対話集会」が開かれた。厚労省年金局が主催するイベントだ。若い世代に年金制度を理解してもらい、一緒に考えようと、2019年度に始まった。

 集会の冒頭、制度解説の講師を務めた年金広報企画室の菊地英明さんが、20人ほどの学生たちに問いかける。

 「年金の『年』って何でしょうか?」

 選択肢は三つ。A「年齢」…

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この記事を書いた人
高絢実
くらし報道部|社会保障担当
専門・関心分野
外国人、在日コリアン、社会保障全般