「ミラフィオーリ2021」に250台の欧州車! コロナ禍だから見直される新しい屋外カーイベント

毎年モリコロパークで開催される欧州車オーナーのミーティングイベント「ミラフィオーリ」に、チンクエチェントで参加した編集部西山が、コロナ禍の新たなイベントの楽しみ方をレポート。

コロナ禍だからこそ、屋外のクルマのミーティングイベントに注目

 クルマの楽しみ方は人それぞれだ。サーキット走行やジムカーナといったモータースポーツはもちろん、イベントやミーティングといった楽しみ方もある。そこでVAGUEでは、2021年5月31日に愛知県の「愛・地球博記念公園(通称:モリコロパーク)」で開催された欧州車の祭典「ミラフィオーリ」に参加し、新旧問わないクルマの楽しみ方を改めて再確認するとともに、コロナ禍での新たなカーライフスタイルを探ってみた。

●リアルイベントだからこその楽しみ方

コロナ禍において、クルマのミーティングイベントの楽しみ方も変わりつつある
コロナ禍において、クルマのミーティングイベントの楽しみ方も変わりつつある

 2011年からはじまったミラフィオーリは、とくに欧州車好きの人にとっては毎年恒例のイベントに成長したといっていいだろう。しかし、2021年はコロナ禍での開催とあって、参加者たちは例年とは違う楽しみ方でイベントを満喫したようだ。

 そもそもクルマ系イベントでは、年式や車種など参加資格が厳密であることが多い。それに比べて、ミラフィオーリは欧州車であればなんでもオッケーという気軽さがある。とはいえ、モリコロパークの大芝生広場に愛車を並べるには、事前に参加申込みを済ませておく必要がある。会場の都合もあり、250台限定で締め切られてしまうのだが、定員に達するのがこれまででもっとも早かったそうだ。おそらく、コロナ禍で外出する機会が極端に減り、誰もが愛車に乗って出かけたいと切に願っていたのだろう。

 イベント当日は、朝から快晴。入場は8時から9時までと決まっており、8時には会場入口に欧州車がズラリと並ぶ姿が見られた。誘導スタッフに気持ちよく挨拶されながら辿り着いた大芝生広場は、人工芝が広がっており、グリーンの上に愛車を並べるのは実に気持ちがいい。季節柄、アスファルトや舗装されていない地面などとは違って暑すぎず砂埃が舞うこともないので、ただカーサイドにチェアを出して座っているだけでも、心地よく時間を過ごすことができた。

 隣のクルマとの間隔も充分に取られており、ゆっくりと会場に集まったクルマを見学して楽しむゆとりもあった。コロナ禍ということもあって、なるべく人と真正面で話すことは避け、2mを目安に距離を保たちつつ気になるクルマを鑑賞していると、オーナーが車内はもちろんエンジンルームなども見せてくれ、快く写真を撮らせてもらった。クルマを挟んでクルマ談義を楽しむという、かつては当たり前だったことが、なんと満たされた有意義な時間だったのかを思い知らされた瞬間だった。

 さらに、装着しているパーツだったりメンテナンスのヒントなどの情報交換を気軽にできる点も、この種のイベントのメリットだ。いまではSNSなどを介してクルマ好きの輪は拡がっていくものだが、実際に会って会話をすることで、同じクルマを愛する人たちとの一体感とつながりはより一層強いものとなる。

ミラフィオーリ2021には、250台に及ぶ欧州車が参加
ミラフィオーリ2021には、250台に及ぶ欧州車が参加

 さて、ミラフィオーリの会場は、主催が「チンクエチェント博物館」だけあって、モリコロパークの大芝生広場の半分は新旧チンクエチェントやアバルト、フィアットの車両で占められていた。

 集まっている車両は、オリジナルのものやカスタムした車両が入り混じっていて、見ているだけでも飽きない。同じクルマでも、オーナーの数だけ楽しみ方があるということがよく分かる。個性の強いイタリア車をパートナーに選ぶオーナーの人たちは、きっとライフスタイルにも強いこだわりを持っているだろうことを垣間見ることができた。

 コロナ禍以前のこうしたイベントでは、もっと人と人との交流が盛んだったはずだが、残念ながらコロナ禍においてのイベントではかつてのように来場者が集まって盛りあがることはできない。しかし、愛車とともに、そして好きなクルマに囲まれてのんびり過ごす1日も捨てたものではない。なにより、モリコロパークに自分の愛車で訪れるという行為自体が、すでに代えがたい経験なのだ。

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