「洗練」という言葉をまさに具現化したクルマ「CX-80」

 マツダは2024年10月10日、新世代ラージ商品群の第4弾となる「CX-80」の日本仕様を発売しました。これに先駆け、「CX-80」PHEV Premium Sportsを試乗する機会を得たので、筆者(黒木美珠)が体感した様子をお届けします。

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優雅で上品なスタイルが特徴的な「CX-80」

 マツダといえば、デザインの美しさにこだわり、見る者を引きつける内外装が特徴的ですが、果たして今回のCX-80はどのようなクルマに仕上がっているのか、試乗前からとても楽しみでした。

 CX-80の前身モデルという位置づけとなる、2017年に登場した「CX-8」は、ミニバンに代わる新たな市場を切り開き、独自のポジションを確立しました。その後継として登場したCX-80は、マツダのフラッグシップモデルとして、単なる物質的な価値だけでなく、心の豊かさを提供するクルマとして誕生したのです。

 CX-80をいざ目の前にしてまず感じたのは、「洗練」という言葉をまさに具現化したクルマだということです。

 フロントのデザインは、先行して発売されている「CX-60」を踏襲しつつ、フロントグリルに3本のラインがアクセントとして加わり、CX-80ならではの個性を際立てています。サイドビューは、ノーズの長さやクルマ全体の伸びやかさが強調され、大人の落ち着きを感じさせるデザインに仕上がっています。

 また、過剰な装飾を排し、ボディラインの抑揚や陰影が繊細に浮かび上がる、優雅で上品なスタイルが特徴的です。全体的に端正でエレガントなシルエットが、CX-80というクルマに品格ある存在感を与えています。

 新型CX-80のボディカラーは、マツダ独自の塗装技術である「匠塗(たくみぬり) 」による特別塗装色が4色、通常塗装色4色の全8色展開。なかでも筆者は、マツダを象徴するソウルレッドクリスタルメタリックよりもより深い、熟成されたワインのような色をイメージした「アーティザンレッドプレミアムメタリック」という新色が、より深みのある色合いで魅力的だと感じました。CX-80の持つ上質な雰囲気をより強調させてくれる色気のあるカラーです。

シンプルでありながら、品格のあるたたずまいの内装

 車内に足を踏み入れると、さらにその上質さを感じます。シンプルでありながらも上質な素材がふんだんに使われ、ドアパネル内側一つをとってもさまざまな異素材を組み合わせて作られています。細部にわたってデザインへのこだわりが光ることで、品格のあるたたずまいです。

「CX-80」のインテリアは、シンプルでありながら品格のあるたたずまい

 2列目シートには、SUVスタイルながらもキャプテンシートを採用しており、快適に過ごせる設計が魅力的です。さらに、ドアガラスにはサンシェード機能を備えており、強い日差しの際でも、同乗者に快適なドライブ体験を提供します。

 3列目シートも体感してみましたが、ヘッドレストの位置が乗員の頭の位置の高さにしっかりと合わせられているなど、2列目同様に快適に過ごせるよう作り込まれており、安心かつ快適に乗ることができました。

 3列目へのアクセスは、2列目シートにワンタッチで座席を倒せるスイッチが装備されていることにより、スムーズな移動が可能となっています。

 このように、質感はもちろん、利便性や機能性にもこだわって作られており、どの座席に座っても快適にドライブができるクルマだと感じます。

試乗して感じた、路面に吸い付くかのような安定感と走りの楽しさ

 今回の試乗コースは、徳島から淡路島を経由し神戸へと至るルートでした。海や緑に囲まれた美しい自然の景観、そして神戸の趣ある建物の中でも、CX-80の存在感は一層際立ち、見事に風景と調和しています。CX-80の洗練されたデザインが、どんな場所でもその美しさを引き立てていたのです。

「CX-80」のデザインは、街中でも存在感を放つ

 CX-80「PHEV Premium Sports」のサイズは、全長4990mm、全幅1890mm、全高1710mmです。参考までに、CX-60「PHEV Premium Sports」のサイズを見てみると、全長4740mm、全幅1890mm、全高1645mmとなっており、CX-80では全長と全高が拡大され、よりダイナミックなデザインに仕上がっています。

 CX-60と比較すると、全長と全高は大きくなっていますが、全幅は変わらないため、狭い道でも安心して運転に集中できました。そのサイズの大きさを感じさせない扱いやすさも、CX-80の魅力の一つです。

 乗り心地は、高速道路での直進安定性が抜群で、快適にかつ安心して走行できました。今回はPHEVモデルの試乗ということで、大容量のバッテリーが搭載され、低重心だということも、安定した走りに寄与していたのだと思います。その安心感のある走行性能ゆえに、ワインディングロードでも、ドライバーはもちろん、同乗者も安心して乗ることができるでしょう。

 加えて、マツダ独自の技術「キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)」の効果も実感できました。カーブの多い高速道路の入り口や、揺れやすいワインディングで、車体がまるで路面に吸い付くかのような安定感を保ち、接地感がさらに高まることで、安心して運転を楽しむことができます。これは、ミニバンでは味わえない、SUV、CX-80ならではの走りの楽しさだと感じます。また、Mi-Driveには「SPORT」、「OFF-ROAD」モードなども装備されており、いざという時の悪路走行でも頼りになります。

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 新型CX-80は、ただ美しいだけでなく、内外装、走り、乗り心地すべてにおいてバランスが取れた一台です。マツダらしさを存分に感じさせる、極上のSUVが誕生したと言えるでしょう。

 価格(消費税込み)は394万3500円から712万2500円と、国産車としては高価な価格帯ですが、特に今回試乗したPHEVのゆったりとした乗り味は、一度は試乗してみることをオススメします。

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