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BeagleBoard

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
BeagleBoard
BeagleBoard rev.B
開発時期 2008年
主なメーカー テキサス・インスツルメンツ
Digi-Key
設計者 テキサス・インスツルメンツ
販売開始 BeagleBoard
2008年7月28日 (2008-07-28)[1]
BeagleBoard rev.C
2009年5月13日 (2009-05-13)[2]
BeagleBoard-xM:
2010年9月14日 (2010-09-14)[3]
BeagleBone:
2011年10月31日 (2011-10-31)
BeagleBone Black:
2013年4月22日 (2013-04-22)
価格 US$128 (rev.C)
US$149 (xM)
US$89 (BeagleBone)
US$45 (BeagleBone Black)
種類 シングルボードコンピュータ
プロセッサー ARM Cortex-A8 (1コア)
周波数 600MHz
720MHz (rev.C, BeagleBone)
1GHz (xM, BeagleBone Black)
メモリ 128MB LPDDR SDRAM
256MB (rev.C, BeagleBone)
512MB (xM, BeagleBone Black)
接続 USB On-The-Go
ポート USB On-The-Go/DVI-D/PC audio/SDHC/JTAG
電源 2W
重量 ~37g[4]
寸法 7.62cm x 7.62cm x 1.6cm
8.64cm x 5.34cm (Beagle Bone)

BeagleBoard(ビーグルボード)および BeagleBone(ビーグルボーン) は省電力、低コストのシングルボードコンピュータであり、テキサス・インスツルメンツ(TI)によりDigi-Keyの協力を得て開発された。BeagleBoard(BeagleとBoardの間にスペースは入れない)はオープンソースの理念に基づき設計され、Texas Instruments OMAP3のSoC技術成果を示すために作られた。このボードは、世界中で仲間同士がオープンソースハードウエアオープンソースソフトウエアを教え合う目的に使える教育用ボードとしての機能性能を備えるよう、TI在籍エンジニアの小規模チームによって開発された。このボードはまたクリエイティブ・コモンズにおけるShare-alikeライセンス形態で一般向けに販売されている。BeagleBoardについては beagle.org に巨大なコミュニティが存在する。

BeagleBoardの後継として、CPU性能およびメモリ搭載量と周辺機能を強化したBeagleBoard-xMがある。またBeagleBoneの後継として、機能向上と共に大幅にコストダウンを図ったBeagleBone Black(単なる色違いではなく機能が異なる別製品)がある。

また、同様のオープンソースハードウエアコミュニティによって設計され、OMAP4系列のSoCを搭載したPandaBoardがある。

BeagleBoard

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BeagleBoardは基板の外寸サイズは約75 x 75 mm で、基本的なコンピュータの全ての機能を搭載している[5]ARM Cortex-A8をコアとしたOMAP3530を搭載。Windows CELinuxSymbianなどのオペレーティングシステム実装することができる。TMS320C64x+DSPをビデオ・オーディオのデコードのために搭載、そしてイマジネーションテクノロジー社のPowerVR SGX530GPUを2Dおよび3Dレンダリングのため搭載[6]。映像出力はS端子DVI端子の2つ。SDメモリーカード (MMC) スロットを1個搭載しSDIOセキュリティ機能にも対応可能、USB On-The-Go対応端子、RS-232シリアルポートJTAG接続、オーディオ信号入力/オーディオ信号出力用に2個のステレオ3.5mmジャックを搭載。

内蔵メディアとメモリはPoP形状で提供され、256MBのNAND Flashメモリ、128MBのDRAM を搭載。

電源電圧は5V動作、最大消費電力は2W (0.4A) で、ACアダプタ接続用のDCジャック(プラグ外径5.5mm、内径2.1mm)およびUSB On The GoミニUSBコネクタから電源供給ができる。電力消費が小さいので、冷却系やヒートシンクの追加は不要。

BeagleBoard Rev. C4

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BeagleBoard の説明図
  • PoP構造で、パッケージ内部でメモリとコアチップは親亀/子亀状態に重ねられている。
    • TI OMAP 3530プロセッサ 720MHz(ARM Cortex-A8コア)
    • TMS320C64x+ コア (520MHz 720p @30fpsまで対応可)[7]
    • PowerVR SGX 2D/3D グラフィックプロセッサで独立2系統画面出力に対応(S映像とDVI-D)[5]
    • 256MB LPDDR RAM[7]
    • 256MB NANDフラッシュメモリ[7]
  • ペリフェラル接続[8]
    • DVI-D(基板サイズの都合でコネクタ形状はHDMIになっている) - 最大解像度 1280x1024ピクセル / 60Hz
    • S端子
    • USB On-The-Go (USB mini-AB)
    • USB標準ポート
    • SD/MMCカードスロット
    • ステレオ音声入力3.5mmミニジャック、ステレオ音声出力3.5mmミニジャック
    • RS-232Cポート(ピンヘッダ形状)
    • JTAGコネクタ
    • DCジャック(DC5V入力)
  • 開発に際して[9]

BeagleBoard-xM

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BeagleBoard-xM board

BeagleBoardの改版として、BeagleBoard-xMが2010年8月27日から出荷開始された。基板外形は82.55x82.55mm(基板穴間隔は約68.5x71.0mm)で、OMAP3530の改良版であるDM3730を搭載している。DRAMを512MBに拡張、オンボードイーサネットポート、4ポートのUSBハブを持つ。フラッシュメモリは搭載されていないため、microSDカードを起動メディアとして使用する必要がある。xMで追加されたカメラポートはLeopard Board社のベアボーンのカメラ用[22][23][24]

  • PoP構造で、パッケージ内部でメモリとコアチップは親亀/子亀状態に重ねられている。
    • TI DM3730プロセッサ 1GHz(ARM Cortex-A8コア)
    • TMS320C64x+ コア (800MHz 720p @30fpsまで対応可)[7]
    • PowerVR SGX 2D/3D グラフィックプロセッサで独立2系統の画面表示出力に対応(S映像とDVI-D)[5]
    • 512MB LPDDR RAM[7]
    • フラッシュメモリは搭載されていない。ユーザー動作確認用としてAngstrom Linux実装済みの4GB microSDカードを標準添付。
  • ペリフェラル接続[8]
    • DVI-D接続端子(BeagleBoard同様、HDMIコネクタ形状) - 最低解像度は640x480ピクセル / 60Hz、最大解像度は1280x1024ピクセル / 60Hz[25]
    • S端子
    • USB On-The-Go 端子(mini-AB端子、設定によりターミナル通信端子として使用可能)
    • USB標準ポート
    • Ethernet RJ-45コネクタ
    • MicroSD/MMCカードスロットコネクタ
    • ステレオ音声入力3.5mmミニジャック、ステレオ音声出力3.5mmミニジャック
    • RS232C D-SUB9ピン端子[26]
    • JTAGコネクタ
    • DCジャック(DC5V入力)
    • カメラポート(カメラ用)
    • 拡張ポート
    • RTC は備えていない(時計は毎回設定)
  • 開発[9]

BeagleBone

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  • 大きさ:8.64cm x 5.34cm
  • SoC:AM3359ZC272 720MHz (Cortex-A8)
  • メモリ:DDR2 256MB
  • ストレージ:microSD

BeagleBone Black

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Beaglebone Black
  • 大きさ:8.64cm x 5.34cm
  • SoC:Texas Instruments Sitara AM3359AZCZ100 1GHz (Cortex-A8 + PowerVR SGX530)
  • メモリ:DDR3L 512MB
  • ストレージ:eMMC 2GB + microSD
  • 映像音声出力:HDMI(最大解像度1280x1024)
  • 有線LAN:RJ45x1 (100Mbps)
  • 電源:5V 最大0.46A

オプションボード

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  • BeagleBoard Zippy - BeagleBoard 用の機能拡張用ドーターボード
  • BeagleTouch Display - Liquidware社がビルドしたAngstrom Linux用のドライバーと、タッチスクリーン 4.3" OLEDタッチスクリーン付きパネル。
  • BeagleBoard Zippy2 - BeagleBoard 用の第2世代 Zippy。(UART、EEPROM、100BASE-T、SD-Slot、RTC、I2C)
  • BeagleLCD2 Expansion Board - 4.3" ワイド液晶パネル + タッチパネル、インターフェースボード付。HY Research社製。
  • BeagleJuice - Liquidware社製のリチウムイオンバッテリーパック。
  • BeagleToy WLAN adapter featured on beaglezoo.com - BeagleBoard用のワイヤレス接続機能の追加拡張ボード。

オプション筺体

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Beagle が犬のアイコンのため、犬小屋とも呼ばれる。基板を上下から挟んでスペーサーで支持保護するアクリル板などの保護筺体で、ホビー店での加工で自分で簡単に揃えられるが、凝った造りの筺体を販売している業者もある。

  • BeagleBoard Rev.C 用のクリア・アクリルケース - BeagleBoard だけが入り、追加基板の Zippy2 などは入らない。
  • BeagleLCD2 クリアアクリルケース - BeagleBoard と BeagleLCD2 とが接続基板を折りたたんでちょうど納まる。

クローン

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  • Touch Book - ハイブリッドタイプの、ネットブックタブレット装置で、512MBのRAM、Bluetooth、Wi-Fi、6つのUSBポート、8.9インチスクリーン / タッチパネル付き、キーボードと操作タッチパッド構成。
  • IGEPv2 - BeagleBoardよりも少し大きめのボードで、RAM容量も拡張し、BluetoothとWi-Fiを内蔵, USBホストを1ポート、Ethernetポートを1つ搭載。
  • ICETEK Mini Board (中国製)[27]
  • Embest DevKit8000- TI OMAP3530ベースの開発用ボード
  • Embest DevKit8500D- TI DM3730ベースの開発ボード
  • OpenSourceMID.org - OMAP3530 ベースのタブレット型モバイル・インターネット・デバイス(MID)で、7インチ液晶 LCD(タッチパネル付)、Wi-Fi、3Gモジュール、カメラ、GPS、加速度センサの各機能を搭載。

類似製品

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  • Parallella
  • Raspberry Pi
  • PandaBoard - BeagleBoard-xM の後継機。(OMAP4 デュアルコア 1GHz OMAP4430、1GB RAM)
  • Hawk Board - 低消費版OMAPのSBCを使い、SATAドライブI/F接続とVGA出力装備。
  • Gumstix Overo COMs - OMAP3503あるいはOMAP3530を使い、ホビー、ロボット、民生用途向けに文字通りガムパッケージサイズの BeagleBoard互換の超小型OMAPボード。
  • OSWALD - オレゴン州立大学のコンピューターサイエンス専攻の学生たちの開発で、OMAP3530を使用。
  • Empower TechnologiesEMP3503EMP3530 シングルボードコンピューターでリアルタイム OS の LEOs (RTOS)[28]が走る。
  • Embest DevKit8000 TI OMAP3530ベースの開発ボード。
  • Embest DevKit8500D TI DM3730ベースの開発ボード。
  • OpenSourceMID.org OMAP3530 ベースのタブレット端末開発プラットフォーム。

関連

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参照

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  1. ^ USB-powered Beagle Board from Digi-Key Unleashes Community Development”. Digi-Key (July 28, 2008). May 12, 2011閲覧。
  2. ^ Digi-Key Announces New Open Source BeagleBoard Development Board”. Digi-Key (May 13, 2009). May 12, 2011閲覧。
  3. ^ BeagleBoard-xM page” (September 14, 2010). May 12, 2011閲覧。
  4. ^ BeagleBoard page at elinux.org, referenced 2011-05-12
  5. ^ a b c https://archive.is/20120711061852/http://linuxdevices.com/news/NS5852740920.html
  6. ^ グラフィックレンダリング性能はTIのAndroid Froyo Pre-build版640x480画面上でアプリ動作確認可能
  7. ^ a b c d e "OMAP3530 BeagleBoard" ''High performance and numerous expansion options'':page 3”. Dkc1.digikey.com (2009年5月27日). 2010年2月4日閲覧。
  8. ^ a b "OMAP3530 BeagleBoard" ''High performance and numerous expansion options'':page 4”. Dkc1.digikey.com (2009年5月27日). 2010年2月4日閲覧。
  9. ^ a b "OMAP3530 BeagleBoard" ''Boot Options'': page 9”. Dkc1.digikey.com (2009年5月27日). 2010年2月4日閲覧。
  10. ^ a b Android On Beagle”. Beagleboard.org. 2010年2月4日閲覧。
  11. ^ a b https://archive.is/20130127212134/http://www.linuxdevices.com/news/NS8479495970.html
  12. ^ a b Neuvoo Project”. Neuvoo. Neuvoo Devs. 2010年1月5日閲覧。
  13. ^ a b Paul, Ryan (2008年8月1日). “TI launches hackable Beagle Board for hobbyist projects”. Arstechnica.com. 2010年2月4日閲覧。
  14. ^ a b https://archive.is/20130209092949/http://www.windowsfordevices.com/news/NS5111878566.html
  15. ^ The Wild Ducks Project”. wildducks.org. 2011年3月31日閲覧。
  16. ^ Foundry27 BSP for BeagleBoard”. community.qnx.com. 2010年12月3日閲覧。
  17. ^ RISC OS Open Cortex-A8 port”. Riscosopen.org (2010年1月18日). 2010年2月4日閲覧。
  18. ^ RISC OS 5 pictured running on ARM Cortex-A8 kit”. Drobe.co.uk. 2010年2月4日閲覧。
  19. ^ Beagleboard runs RISC OS 5 desktop”. Drobe.co.uk. 2010年2月4日閲覧。
  20. ^ RISC OS on OMAP - the future?”. Iconbar.com. 2010年2月4日閲覧。
  21. ^ [1] RISC OS on new hardware
  22. ^ Androidにおいては、USBポートにUVC対応のWebカメラを接続して映像入力するための技術情報がWebや書籍で提供されている。
  23. ^ https://groups.google.com/g/beagleboard/c/ZgSg3r8APIo/m/HStC45u6m2AJ
  24. ^ http://beagleboard.org/hardware-xM
  25. ^ 内部PLL都合で画面ピクセル指定、リフレッシュレート設定60Hzのときに、垂直走査周波数の出力ズレが60.4kHzより大きい場合には、非力な可搬タイプの小型液晶モニターでは表示可能周波数範囲に収まらない場合がある。
  26. ^ BeagleboardではRS-232C端子はピンヘッダ形状で、一般的なRS-232Cケーブルを接続するためにはD-SUB 9ピン変換ケーブルなどを用いる必要があったが、xMでは基板上にD-SUB9ピン端子が実装されたため、RS-232Cケーブルを直接接続できるようになった。
  27. ^ Mini Board”. eLinux.org. 2010年2月4日閲覧。
  28. ^ https://archive.is/20120907022437/http://www.linuxfordevices.com/c/a/News/Empower-EMP3503-and-EMP3530/

参考文献・他

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外部リンク

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