金関連ファンド、資金流入が過去最高ペース 相場乱高下でも
投信観測所
金(ゴールド)関連の投資信託への資金流入が加速している。2026年は年初から3月初旬までの資金流入額がすでに昨年1年間の半分以上に達した。歴史的な高値圏にある金は足元で価格の乱高下が目立つが、分散投資先として投資家の関心が引き続き高い。
2カ月あまりで昨年の半分超
国内公募の追加型株式投信(上場投資信託=ETF、SMA・ラップ専用、バランス型、通貨選択型を除く)のうち、金関連のファンドには25年に年間で過去最高となる1兆2941億円の資金が流入した(図表1)。これは24年(2477億円)の5倍超にあたる。26年はそのペースが一段と速まり、年初から3月6日までの2カ月あまりで既に6502億円(推計値)と昨年の半分を超える資金が流入している。

「ピクテ・ゴールド」が資金流入首位
ファンド別の年初来資金流入額(推計値)では、「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」が2105億円で断トツだった(図表2)。実質的に金の現物に投資するファンドで、新NISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠の対象となっている。金価格の高騰を背景に、年初来リターンはプラス18.4%と好調だ。

2位は「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)<愛称:サクっと純金(為替ヘッジなし)>」の994億円、3位は「三菱UFJ 純金ファンド<愛称:ファインゴールド>」の924億円が続いた。
「金鉱株」「金+株式」も人気
6位の「ブラックロック・ゴールド・ファンド」と8位の「ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンBコース」は、いずれも世界の金鉱株に投資するファンド。採掘コストの変動が抑えられるなか、金が値上がりすると金鉱株の株価はそれ以上に上昇しやすい。2本とも年初来でプラス19%超の高いリターンだった。
金と株式を組み合わせ、レバレッジをかけて運用するタイプにも人気が集まっている。アモーヴァ・アセットマネジメントの「Tracers NASDAQ100ゴールドプラス」が5位、同シリーズの「S&P500ゴールドプラス」が9位に入った。
新NISA経由でも資金流入
金関連ファンドには新NISAを経由した資金も流れ込んでいる。26年1月に主要ネット証券5社のNISA口座で買い付け金額が多かった投信ランキング(QUICK調査)の上位には、主要な全世界株・米国株ファンドに交じって「サクっと純金(為替ヘッジなし)」が4位に食い込んだ。26年分の非課税投資枠を活用した年初の一括投資が膨らんだとみられる。24年や25年には見られなかった動きだ。
金価格は22年ごろから上昇が加速し、史上最高値を更新し続けているが、直近はイラン情勢などから急落している。短期的に利益を上げようとする投機マネーの流入が増え、特に今年に入ってからは値動きが荒い。金は有事の「安全資産」というイメージがあるほか、株式や債券とは異なる値動きをするため分散投資対象として注目されているが、価格変動リスクが高まっている点には注意が必要だ。個人が金関連ファンドを資産の一部として保有する際は、組み入れ比率が大きくなりすぎないよう慎重に判断したい。
(QUICK資産運用研究所 西本ゆき)














