川という最高の遊び場
2026年7月11日 05時05分
白滝治郎の流れとともに(185)
筆者の子ども時代、夏場の水泳場所は長良川だった。水泳というより水遊びの場であり、魚捕りを覚える場所が川だったといった方が適当かもしれない。それが昭和も終わりの頃から学校に整備され始めたプールの出現により、川で遊ぶ子どもたちを目にする機会がめっきり減ってしまった。
プール授業は子どもたちの泳力を養うという点では効果があるだろう。一方、川で泳ぎ遊ぶという体験を通して得られるはずの大切な何かが失われてしまうことに対し、危機感を覚えていたこともまた事実である。
自身、釣りや漁業に身を置くという立場でもあり、常日頃そんなことを考えながら、もやもやした気持ちでいた時、1冊の本に出合った。「カッパのいない川で子どもは育つか-水辺が心の底力を呼び覚ます-」という単行本で、著者は山根和明さん(つり人社・代表取締役社長)だ。
詳細はぜひ本をお読みいただくとして、一言で言うなら現代社会が生み出す複雑極まりない環境ゆえに生じる子どもの成長に及ぼす悪影響や弊害、それらに負けない人格形成のために何をすべきかについて川や釣りを絡めながら見事に著されている。私ごときが論評するのはおこがましいが、至極共感した次第である。現在の子育て世代や教育に関わる人に読んでいただきたい1冊だ。
折しも6月28日付中日新聞サンデー版に「どうなる? 学校プール」と題し、学校プールが老朽化や猛暑による熱中症リスクなどを理由に廃止されつつある現状について取り上げていた。この記事を読んで思わず口から出た。「目の前に川という素晴らしい水泳場があるではないか」と。
(岐阜県郡上市在住、隔週土曜掲載)
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