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【世界遺産登録30周年】岐阜・白川郷の観光ガイド 合掌造りの里に受け継がれる日本の原風景

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2025.12.24

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雪の白川郷=Photo by shirophoto / iStock / Getty Images Plus

雪の白川郷=Photo by shirophoto / iStock / Getty Images Plus

    世界遺産登録から今月でちょうど30年。岐阜県の山間部にたたずむ白川郷は、急勾配の茅(かや)葺き屋根が特徴的な合掌造り集落です。雪深い冬には、ライトアップされた合掌造りの家々が幻想的に浮かび上がり、昔話の世界に迷い込んだような光景が広がります。荻町(おぎまち)集落の展望台からの絶景、合掌造り民家での宿泊体験、周辺の観光スポットまでを巡る旅行プランなど、この記事では日本の原風景が残る白川郷の魅力を紹介します。

    白川郷の基礎知識 合掌造り集落の歴史と見どころ

    合掌造りは、豪雪地帯である白川郷の厳しい自然環境に適応して生まれた伝統的な建築様式。名前の由来は諸説ありますが、屋根が両手を合わせた形に似ていることから「合掌造り」と呼ばれるようになったと言われています。最大の特徴は、この屋根の急傾斜。急勾配により豪雪が自然に滑り落ち、屋根に雪が積もって家屋が押しつぶされるのを防ぎます。

    合掌造りの民家=Photo by powerbeephoto / iStock / Getty Images Plus
    合掌造りの民家=Photo by powerbeephoto / iStock / Getty Images Plus

    合掌造り集落のある白川郷は1995年12月、富山県の五箇山(ごかやま)合掌造り集落とともに「白川郷・五箇山の合掌造り集落」としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。登録の主な理由は、厳しい自然環境に適応した建築技術と、合掌造りの屋根の吹き替えを村全体で行うなど、地域に根付いた住民同士の相互扶助システムが高く評価されたと言われています。    

    屋根に雪が積もった姿が印象的な合掌造り集落ですが、春は桜と新緑に彩られ、夏は青々とした水田が広がり、生命力あふれる景色が広がります。また、秋は紅葉と黄金色の稲穂が美しく、どの季節に訪れても趣深い景色を楽しめます。

    荻町集落の見どころ

    城山天守閣展望台

    桜の季節の白川郷=Photo by zneb076 / iStock / Getty Images Plus
    桜の季節の白川郷=Photo by zneb076 / iStock / Getty Images Plus

    城山天守閣展望台は、荻町集落を一望できる絶景スポット。合掌造りの家々が田畑や水路とともに配置された日本の原風景を眺められます。展望台へは徒歩約20分か、シャトルバスでアクセス可能。併設されている食事処は完全予約制で団体客のみとなりますが、カフェは個人の観光客も利用でき、コーヒーや軽食を楽しめます。

    国指定重要文化財 和田家

    春の合掌造り 和田家 写真提供=白川村役場
    春の合掌造り 和田家 写真提供=白川村役場

    和田家は築300年以上の歴史を持つ荻町集落最大級の合掌造り住宅で、国の重要文化財に指定されています。現在は1階の一部と2階が公開されており、代々使用されてきた遺物や民具を見学することができます。和田家は古文書や鑑札の記録から、番所の役人を勤めながら火薬の原料である焔硝(えんしょう)や生糸の取引を行っていたことがわかっています。

    営業時間:9:00~17:00
    定休日:不定休
    入館料:大人400円 / 小人 200円

    神田家

    和田家から分家して居を構えたとされている神田家。建物の内部構造や、焔硝を作っていた床下部分も見学可能です。

    営業時間:10:00~16:00
    定休日:水曜日定休
    入館料:大人400円 / 小人 200円

    長瀬家

    長瀬家(秋) 写真提供=白川村役場
    長瀬家(秋) 写真提供=白川村役場

    長瀬家は、5階建ての大規模な合掌造り家屋。1階には仏壇や美術品、3~4階には生活用具が展示されています。長瀬家は医師の家系であったことから、江戸期の医療道具も残されています。

    営業時間:9:00~16:00 ※年末年始は要確認
    定休日:不定休
    入館料:大人400円 / 小人 200円

    明善寺郷土館

    夏の合掌造り 明善寺 写真提供=白川村役場
    夏の合掌造り 明善寺 写真提供=白川村役場

    明善寺は、合掌造りの本堂、庫裏(くり)、鐘楼を持つ珍しい寺院。明善寺庫裡郷土館の階上には生活用具や農機具などが展示されており、白川郷に住む人々の暮らしについて知ることができます。

    営業時間: (4月-11月) 8:30~17:00 (12月-3月) 9:00~16:00
    定休日:不定休
    入館料:大人400円 / 小人 200円

    白川郷の湯

    白川郷の湯は、世界遺産・白川郷の合掌造り集落内にある天然温泉施設です。露天風呂からは庄川の景色を眺めることができ、体も心も温まります。日帰り入浴も宿泊もどちらも可能で、自然の美しさと癒やしを満喫できます。

    営業時間:7:00~21:00(最終入館20:00) 
    定休日:木曜日、第2・第3水曜日定休
    入館料:大人800円 / 小人 400円

    合掌造り民家での体験

    白川郷では、宿泊可能な合掌造り家屋が複数営業しています。1日1組限定の宿も多いため早めの予約が必須となりますが、築100年以上の歴史ある建物で一晩を過ごせる貴重な体験です。夕食時に海外の宿泊客と交流できたり、早朝に静かな集落を散策できたりするのは宿泊者だけの特権です。

    白川郷の囲炉裏 写真提供=白川村役場
    白川郷の囲炉裏 写真提供=白川村役場

    宿泊しなくても、白川郷には喫茶店や食事処として営業している合掌造りの家が複数あります。囲炉裏の暖かさに包まれながら地元の食材を使った食事を味わえば、日帰りでも白川郷の伝統的な暮らしを感じられます。

    冬のライトアップイベント

    夜のライトアップ=Photo by tobimonoya / iStock / Getty Images Plus
    夜のライトアップ=Photo by tobimonoya / iStock / Getty Images Plus

    白川郷の冬季ライトアップは、年間を通じてもっとも人気の高いイベント。雪化粧した合掌造りの家々が光に照らされ、幻想的な冬景色が広がります。

    開催時期と予約方法(完全予約制)

    開催時期は例年1月から2月初旬にかけて、日曜日を中心に実施されます。点灯時間は日没後の17時30分頃から19時30分頃までの約2時間。注意点として、ライトアップイベントは完全予約制です。予約なしでの当日入場はできないため、インターネットでの事前申し込みが必要です。詳細は、白川郷観光協会の公式ウェブサイトで確認してください。

    防寒対策と注意事項

    冬の白川郷は非常に寒く、特にライトアップの時間帯は気温が氷点下になることも。厚手のダウンジャケットやコート、手袋、マフラー、耳当て付きの帽子、厚手の靴下、カイロ、防水性のあるスノーブーツなど、万全な防寒対策が不可欠です。また、足元が暗くなるため懐中電灯の準備も推奨されています。

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