【7月16日 AFP】フランスのジェラルド・ダルマナン法相は15日、11歳女児レイプ殺人事件をめぐる国民の激しい怒りと自身の更迭論に対応する中、検察が児童性的虐待の訴えのうち970件を「最優先事案」として特定したと発表した。

11歳の女児リアナさんは5月下旬、南西部の町フルーランスで行方不明となり、約1週間後に使われていないサイロの中で遺体となって発見された。

容疑者のジェローム・Bは、リアナさんの友人の父親で、過去に複数の学校で働いていた。

ジェローム容疑者は過去に2回、児童に対するレイプの罪で正式に告訴されたが、1回は起訴を取り下げられ、もう1回は手続きが遅れ野放しにされていた。

後者の事件では昨年8月に告訴されたが、当局は取り調べさえしなかった。

辞任圧力が強まる中、ダルマナン法相は検察に対し、夏季休暇に入る前にすべての児童性的虐待の告発案件を精査するよう命じた。

同法相によると、検察は数万件に上る告発案件を精査し、その中から「被害者が現在も未成年」かつ「容疑者に告発歴があること」を満たす970件を最優先事案として特定した。

ダルマナン法相は先月、ジェローム容疑者の過去の告発案件を担当していた予審判事を処罰すると発表したことで、法曹界の猛反発を招いた。

先月には検察幹部2人が、ダルマナン法相は「スケープゴート(身代わり)」を探していると非難。フランス司法制度の「構造的な欠陥」の責任は法相にあると糾弾した。

2022年の政府報告書では、児童性的虐待事件を適切に捜査するための人員や時間が不足していることが指摘されていた。

同報告書によると、事件の70%で、捜査官は容疑者を取り調べた後、携帯電話やカメラ、パソコンなどの解析を行っていなかったという。

子どもへの近親姦および性的虐待に関する独立委員会「CIIVISE」によると、児童性的虐待事件のおよそ4件中3件で、捜査が途中で打ち切られている。

児童性的虐待事件のうち、有罪判決に至るのはわずか7%で、レイプ事件に限ると、その割合はわずか3%まで低下するという。

ほとんどの児童性的虐待事件において、容疑者は被害者の家族や親族、または親しい知人だ。(c)AFP