中国は日本の抗議を無視して東シナ海でのガス田開発を進めてきた。今年に入ってからは掘削用の設備の追加や増設がハイペースで続いている。軍事ジャーナリストの宮田敦司氏は「習近平の狙いは資源確保に留まらない。海洋強国建設を目指し、東シナ海を実質支配するための一環だ」という――。
ガス田「樫」 中国建設のガス田・資料
写真=共同通信社
パイプの先端部から炎を上げるガス田「樫(中国名・天外天)」の採掘施設=2013年7月5日、東シナ海の日中中間付近で共同通信社特別機から

新たなガス田掘削船が追加された

6月24日、木原稔官房長官は記者会見にて、中国側が東シナ海の日中中間線の西側の海域で新たな移動式掘削船を固定したことが確認されたと発表。天然ガスの試掘に向けた動きとみられる。木原官房長官は「度重なる抗議にもかかわらず、中国側がこの海域で一方的な開発行為や既成事実化の試みを継続していることは極めて遺憾だ」と述べた。

東シナ海において、日中間の排他的経済水域(EEZ)と大陸棚の境界は画定していない。日本は地理的中間線を基準に境界を定めるべきだと主張しているが、中国は「東シナ海の大陸棚は沖縄トラフまで連続している」とし、自国管轄とみなした範囲で資源開発を進めてきた。中間線付近に中国が設置した構造物は現在までで23基に上る。

2008年に一度は両国間で共同開発に向けた大筋の合意がなされるも、2010年から交渉はストップしたままだ。日中間の懸案事項としてくすぶってきただけに、今回の出来事も従来から続く資源開発問題として国内では受け止められている。

しかし注目したいのは、掘削船が追加で投入されたという事実だ。海上保安庁によると、今回新たに固定された掘削船の近くには、中国が設置した海洋プラットフォームの架台とみられる施設が存在する。さらに、その海域では別の移動式掘削船の活動も確認されている。この動きには、習近平が主導してきた中国の海洋政策そのものが表れているといっていい。