「エスコンって何者?」 知名度不足を“年間5億円”で逆転ホームラン――日本ハム新球場を自社名で染め上げた企業の正体

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日本ハムの北広島移転から3年。開閉式野球場を核とするFビレッジは、北広島市で年間500億円、北海道全体で約1000億円の経済効果を生む。全国的に無名だったマンションディベロッパー・エスコンのネーミングライツ獲得は、知名度向上と地域貢献の両立戦略として注目される。

北広島市の経済効果500億円超と地価3倍上昇

エスコンフィールドHOKKAIDO(画像:ファイターズ スポーツ&エンターテイメント)
エスコンフィールドHOKKAIDO(画像:ファイターズ スポーツ&エンターテイメント)

 プロ野球・パリーグの日本ハムファイターズは、2023年に札幌ドームから北広島市のエスコンフィールドHOKKAIDOへ本拠地を移してから、すでに3シーズンが経過した。

 エスコンフィールドHOKKAIDOは北海道ボールパークFビレッジの中核施設で、開閉式屋根を備えた野球場である。パーク内には宿泊施設や商業施設、レストラン、マンションなどが整備され、野球場を中心とした複合開発が進められた。

 Fビレッジの経済効果は、すでに多くのメディアや調査機関が取り上げている。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2024年2月に発表した「Fビレッジによってもたらされる統合的価値評価レポート」によれば、北広島市への経済直接効果は年間500億円超、北海道全体への経済効果は年間約1000億円と試算される。来訪者数の増加に加え、周辺住宅の整備などによって地域の魅力が高まることが、経済波及効果をさらに押し上げるという。

 Fビレッジが所在する北広島市では地価が大きく上昇した。国土交通省が毎年発表する公示地価によると、Fビレッジ近くの北広島市共栄町1丁目10番3の地価は、2025年1月1日時点で1平方メートルあたり7万2000円となる。近年は上昇ペースがやや鈍化しているものの、2015(平成27)年の2万5800円から10年間でほぼ3倍に達している。

 多くの人がまず気になったのは「エスコン」という耳慣れない名称である。この名称は、全国的にはほとんど知られていなかったエスコンという企業が、球場のネーミングライツを獲得したことに由来する。現在では、パーク全体の名称「北海道ボールパークFビレッジ」よりも、野球場名を略した「エスコン」の方が一般に浸透している印象だ。

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