率直に問う 「デジタルナンバープレート」は日本で普及するのか? ソニー・ホンダ採用で露呈した「14万円の壁」と「行政怠慢」
ナンバープレート制度の疲弊

ソニー・ホンダモビリティの米国法人が2025年12月11日、デジタルナンバープレート開発の世界的企業、Reviver社との提携を発表した。提携製品は2026年にカリフォルニア州で納車が予定されるAFEELA 1に合わせて導入される。AFEELA 1のオーナーはアクセサリーとして、Reviverのデジタルライセンスプレートを選択できる。
デジタルナンバープレートは電子インクディスプレイで情報を表示し、消費電力が少なく停車中も表示が保持される。米国では2018年ごろから一部の州で導入され、カリフォルニア州では約4000万人が利用可能だ。
米国には車検制度がなく、車両管理局(DMV)での登録と定期更新が義務付けられている。デジタルナンバープレートを利用すれば、アプリを通じて登録や更新を行え、手続きの利便性向上や行政事務の軽減が期待される。GPS機能も備えており、盗難時の追跡も可能だ。
日本では年間の新車登録件数が約400万件に上り、
・名義変更
・住所変更
・廃車手続き
も数百万件に達する。手続きの大半は紙書類に依存し、対面や郵送で処理されている。行政デジタルトランスフォーメーション(DX)を担うデジタル庁が2021年に創設され、手続きのデジタル化は進んでいるが、依然として発展途上である。こうした手続きの複雑さは、保険会社や販売事業者の業務効率にも影響している。
車両盗難は増加傾向にあり、直近5年間で約2割増え、2024年には6080台に達した。盗難車の追跡や特定にかかる費用は、警察や保険会社が負担している。日本のナンバープレートは従来、識別物にとどまり、情報基盤として見直されることはなかった。
しかし、デジタルナンバープレートを導入すれば、登録手続きの効率化や盗難抑止、物流やシェアリング分野での自動認識など、車両を軸とした幅広い価値創出につながる可能性がある。行政や産業全体の効率を高める新たなインフラとしての役割も期待できる。