キリングループのIT戦略を担うキリンビジネスシステムは、グループ全体の業務用PCとして「VAIO Pro BK」を約1万8700台導入した。ゼロトラストネットワークを基盤とする新たな業務環境への移行に伴い採用したものになる。7月15日にVAIOが発表した。

キリンビジネスシステム デジタル本部 システム基盤統轄部
今回の導入は、キリングループ全体で進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として実施された大規模なIT基盤刷新プロジェクトの中核を担うもの。従来、同グループでは仮想デスクトップ基盤(VDI)を活用した業務環境を構築していたが、近年の業務アプリケーションの高度化によって新たな課題が浮上していた。
特に、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールによるデータ分析やビデオ会議ツールの利用拡大に伴い、より高い処理性能と快適な操作環境が求められるようになった。VDI環境は高いセキュリティを実現できる一方で、こうした高負荷アプリケーションの利用においてはパフォーマンス面で制約が生じるケースもあったという。
そこでキリンビジネスシステムは、PC本体で処理を行うファットクライアント環境への移行を決定。同時に、場所や端末を問わず安全なアクセスを実現するゼロトラストネットワークを基盤とする新たな業務環境の構築を進めることになった。しかし、約1万8700台に及ぶ業務端末の刷新では、端末性能だけでなく、セキュリティ、耐久性、運用効率などさまざまな観点からの評価が必要だった。
複数メーカーの製品を比較検討した結果、最終的にVAIO Pro BKを採用。導入にあたり、性能やセキュリティ要件については各社とも基準を満たしていたとされるが、選定の決め手となったのはデザイン性だったという。
キリンビジネスシステムでは、社員が毎日利用する業務用PCだからこそ、単なる業務ツールではなく、利用者のモチベーション向上につながるデザインが重要だと判断した。また、長野県安曇野市の工場で最終品質を人の「手」と「目」によって確認するVAIOのものづくりへの姿勢や品質管理体制も高く評価された。
今回の導入では、「より差別化したい」という要望を受け、VAIOは専用カラーとなる「サテンシルバー」モデルを特別生産したとのこと。業務端末でありながらデザイン性を重視した取り組みは、企業向けPC市場では比較的珍しい事例といえる。
導入後は、PC故障率が従来の約1.3%から約0.8%へ改善したほか、保守面でも、従来であればマザーボード全体の交換が必要だったケースでも、VAIOでは必要な部品のみを交換する修理体制を採用しているため、修理コストや復旧時間を削減できるなど、メリットがあらわれている。こうした運用効率の向上により、IT部門の負荷軽減と安定した業務継続につながったという。


