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'''水平社宣言'''(すいへいしゃせんげん)は、[[全国水平社]]創立大会で採択された宣言文{{Sfn|馬原鉄男|1992|p=39}}。'''全国水平社創立宣言'''とも呼ばれる{{Sfn|朝治武|2013|p=7}}。 |
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[[1922年]]、全国水平社創立大会が開かれ、水平社宣言は[[西光万吉]]が起草し[[平野小剣]]が添削し{{Sfn|朝治武|2013|p=8}}、[[駒井喜作]]が読み上げた{{Sfn|馬原鉄男|1992|p=41}}。 |
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[[西光万吉]]を起草者として、[[1922年]](大正11年)3月3日、京都市内岡崎公会堂で開かれた全国水平社創立大会の場において、駒井喜作によって読み上げられ、ここに部落解放運動の勃興が全国に知らしめられた。 |
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*米騒動後の同情融和思想の本質が人間の冒涜であることを、両義的字句の「勦(いたわる。 旧かな遣い : いたはる)」を用いて表現した。反差別に対して集団運動の必然性を説き、根元的な人間の尊厳を高唱した。 |
*米騒動後の同情融和思想の本質が人間の冒涜であることを、両義的字句の「勦(いたわる。 旧かな遣い : いたはる)」を二ヶ所用いて表現した。同時に「勦」の送り仮名に「抜け字」(脱字)を用いて「る」とし、もう一つには「はる」と表示した。これは起草者西光万吉が人権宣言の未完を通じて、人権確立の困難性を示唆しようとしたものである。なお、西光は美術家でもあり、当時の外来の芸術思潮として受容された「ドイツ表現主義」の影響を受けて、内面からの表現を重視した。反差別に対して集団運動の必然性を説き、根元的な人間の尊厳を高唱した。 |
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*米国、ロシア、英国、フランス等においては、『日本で初めての本来民衆による解放運動が起こった』との旨で、トップニュースで伝えられたという。 |
*米国、ロシア、英国、フランス等においては、『日本で初めての本来民衆による解放運動が起こった』との旨で、トップニュースで伝えられたという。 |
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*締めの一文である『人の世に熱あれ、人間に光あれ』は、人権標語などにたびたび用いられ、広く認知されている。 |
*締めの一文である『人の世に熱あれ、人間に光あれ』は、人権標語などにたびたび用いられ、広く認知されている。 |
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*水平社創立、水平社宣言発表までを描いたドラマ「3月3日の風」がある。 |
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*締めくくりの言葉にある「人間」を(じんかん)と読むのは仏教由来である。「人に個別に光があたるんじゃなくて、人と人の間の万物すべてに光があたることで、人も物も平等になるという意味」とのこと。初出は『部落解放』1995年390号([[解放出版社]]・1995年6月10日発行)にある[[永六輔]]のインタビュー記事「ぼくが出会った西光さん」である。記事では、[[浄土真宗]]の家に生まれた永が西光に「『人間』は『にんげん』と読むんじゃなくて、『じんかん』と読むんじゃないんですか」と質問し、西光は「いいんです、『にんげん』で。でも、ほんとうは『じんかん』なんです」と回答している。 |
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*一方、全国水平社が発行した『水平』第一巻創立大会号(水平出版部・1922年7月発行)の「全國水平社創立大會記」では、水平社宣言が振り仮名つきで掲載されており、本文では「人間(にんげん)」と読んでいる。 |
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==関連項目== |
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== 外部リンク == |
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2024年10月8日 (火) 07:18時点における最新版
水平社宣言(すいへいしゃせんげん)は、全国水平社創立大会で採択された宣言文[1]。全国水平社創立宣言とも呼ばれる[2]。
1922年、全国水平社創立大会が開かれ、水平社宣言は西光万吉が起草し平野小剣が添削し[3]、駒井喜作が読み上げた[4]。
本文
[編集]→「s:水平社宣言#宣言」を参照
特徴
[編集]- 米騒動後の同情融和思想の本質が人間の冒涜であることを、両義的字句の「勦(いたわる。 旧かな遣い : いたはる)」を二ヶ所用いて表現した。同時に「勦」の送り仮名に「抜け字」(脱字)を用いて「る」とし、もう一つには「はる」と表示した。これは起草者西光万吉が人権宣言の未完を通じて、人権確立の困難性を示唆しようとしたものである。なお、西光は美術家でもあり、当時の外来の芸術思潮として受容された「ドイツ表現主義」の影響を受けて、内面からの表現を重視した。反差別に対して集団運動の必然性を説き、根元的な人間の尊厳を高唱した。
余話
[編集]- 米国、ロシア、英国、フランス等においては、『日本で初めての本来民衆による解放運動が起こった』との旨で、トップニュースで伝えられたという。
- 締めの一文である『人の世に熱あれ、人間に光あれ』は、人権標語などにたびたび用いられ、広く認知されている。
- 水平社創立、水平社宣言発表までを描いたドラマ「3月3日の風」がある。
- 締めくくりの言葉にある「人間」を(じんかん)と読むのは仏教由来である。「人に個別に光があたるんじゃなくて、人と人の間の万物すべてに光があたることで、人も物も平等になるという意味」とのこと。初出は『部落解放』1995年390号(解放出版社・1995年6月10日発行)にある永六輔のインタビュー記事「ぼくが出会った西光さん」である。記事では、浄土真宗の家に生まれた永が西光に「『人間』は『にんげん』と読むんじゃなくて、『じんかん』と読むんじゃないんですか」と質問し、西光は「いいんです、『にんげん』で。でも、ほんとうは『じんかん』なんです」と回答している。
- 一方、全国水平社が発行した『水平』第一巻創立大会号(水平出版部・1922年7月発行)の「全國水平社創立大會記」では、水平社宣言が振り仮名つきで掲載されており、本文では「人間(にんげん)」と読んでいる。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- 馬原鉄男『新版 水平運動の歴史』部落問題研究所、1992年4月。ISBN 4-8298-2039-X。
- 朝治武『差別と反逆 平野小剣の生涯』筑摩書房、2013年1月。ISBN 978-4-480-88529-6。