1957年の映画
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出来事
編集→「1957年 § できごと」も参照
世界
編集- 1月20日 - ニューヨーク日本映画見本市開幕(25日まで)[1][2][3]。
- 3月3日 - ドキュメンタリー『標高八、一二五メートル マナスルに立つ』(毎日映画社=映配)[4]がイタリアのコルティーナ・ダンペッツォ国際スポーツ映画祭で最高賞受賞[5][3]。
- 6月 - アイルランドのコーク国際映画祭で小津安二郎監督『東京物語』が特別優秀賞受賞[5]。
- 8月 - 桜映画社の劇映画『お姉さんといっしょ』がベニス国際児童映画祭グランプリ受賞[6][注 1]。
- 8月10日 - モスクワ国際映画祭で今井正監督『真昼の暗黒』が金メダル賞、毎日映画社=映配『標高八、一二五メートル マナスルに立つ』が特別名誉賞受賞[5][7][注 2]。
- 9月 - フランス、『レクスプレス』誌のフランソワーズ・ジルー、初めて「ヌーヴェルヴァーグ(新しい波)」の呼び名を使う[10][11][矛盾 ]。
- 10月 - ロンドンのイギリス国立劇場で日本映画週間開催[2]。
- 10月 - 英国国立映画劇場の開場に招かれた黒澤明監督が、エリザベス女王に謁見[5]。
- 月日不詳
日本
編集- 神武景気の影響で映画界も好況[10]。
- 1月
- 2月
- 3月
- 4月
- 東映、日本初のシネマスコープ『鳳城の花嫁』(東映スコープ第1作)封切り[5][2][10]。新東宝のシネスコ第1作『明治天皇と日露大戦争』ヒット[2][5]。
- 日活、神奈川・江ノ島マリンランド竣工[5]。
- 東京芝公園・日活スポーツセンターの跡地に日活アパート開業[16]。
- 4月1日 - 大蔵省、カラーフィルムの免税期間を1958年3月末まで延長[17]。
- 4月14日 - 東宝本社の新社屋東宝会館落成[5][17]、同日に千代田劇場、みゆき座もオープン、芸術座は25日にオープン[17]。
- 4月16日 - 日映設立、当初の構想を大幅に変更・縮小し、製作メインの独立プロとしてスタート[15]。翌1958年1月31日、解散[15]。
- 4月26日 - 邦画6社長会議、日本映画連合会(映連)への日活加盟を決定[17]。
- 5月
- 6月
- 日本映画連合会、日本映画製作者連盟(映連)に改組新発足[21][注 3]。日活が映連に加盟し[21]、五社協定が六社協定になる[5]。
- 大映ビスタビジョン第1作『地獄花』[22]公開[2]。
- 6月4日 - 公正取引委員会、東宝・松竹・大映・東映に対し、配給契約書の「3本建興行を行う場合には契約しない」の条項が独禁法19条違反と警告[5][17]。
- 6月21日 - 家城巳代治監督『異母兄弟』(独立プロ映画)[23]が上映中止にされたので、「五社協定は独禁法違反」と公正取引委員会へ提訴[17]。
- 6月26日 - 映画産業振興会(映産振)を映画企業家の代表団体とし、業界の総意を表明する機関とするため改組[24]。
- 7月
- 8月
- 9月
- 10月
- 11月
- 12月
- 月日不詳
周年
編集- 創立25周年
日本の映画興行
編集配給会社 | 年間配給収入
(単位:百万円) |
前年対比 |
---|---|---|
松竹 | 4,779 | 100.1% |
東宝 | 4,629 | 113.1% |
大映 | 4,793 | 104.2% |
新東宝 | 2,110 | 130.5% |
東映 | 6,842 | 134.5% |
日活 | 3,652 | 112.8% |
- 出典: 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月、48頁。
各国ランキング
編集日本配給収入ランキング
編集順位 | 題名 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|
1 | 明治天皇と日露大戦争 | 新東宝 | 5億4291万円 |
2 | 喜びも悲しみも幾歳月 | 松竹 | 3億9109万円 |
3 | 水戸黄門 | 東映 | 3億5334万円 |
4 | 嵐を呼ぶ男 | 日活 | 3億4880万円 |
5 | 任侠東海道 | 東映 | 3億4178万円 |
6 | 大忠臣蔵 | 松竹 | 2億6875万円 |
7 | 錆びたナイフ | 日活 | 2億4851万円 |
8 | 夜の牙[39] | 日活 | 2億3721万円 |
9 | 挽歌 | 松竹 | 2億3243万円 |
10 | 大当り三色娘 | 東宝 | 2億2740万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、138頁。ISBN 978-4873767550。
順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|---|
1 | 戦場にかける橋 | コロンビア ピクチャーズ | 2億1249万円 | |
2 | ノートルダムのせむし男[40] | 東和 | 2億0700万円 | |
3 | 八月十五夜の茶屋 | MGM | 2億0079万円 | |
4 | OK牧場の決斗 | パラマウント映画 | 1億8895万円 | |
5 | 昼下りの情事 | セレクト=松竹 | 1億4330万円 | |
6 | 追想 | 20世紀フォックス | 1億3102万円 | |
7 | 翼よ! あれが巴里の灯だ | ワーナー・ブラザース | 1億1917万円 | |
8 | 道 | イタリフィルム=NCC | 1億1156万円 | |
9 | めぐり逢い | 20世紀フォックス | 1億0521万円 | |
10 | 菩提樹 | 新外映配給 | 1億0019万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、139頁。ISBN 978-4873767550。
日本公開作品
編集→詳細は「1957年の日本公開映画」を参照
受賞
編集- 第15回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 (ドラマ部門) - 『戦場にかける橋』
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - アレック・ギネス - 『戦場にかける橋』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - ジョアン・ウッドワード - 『イブの三つの顔』
- 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『魅惑の巴里』
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - フランク・シナトラ - 『夜の豹』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ケイ・ケンドール - 『魅惑の巴里』
- 監督賞 - デヴィッド・リーン - 『戦場にかける橋』
- 外国映画賞
- 『詐欺師フェーリクス・クルルの告白』 - 西ドイツ
- Tizoc - メキシコ
- Woman in a Dressing Gown - イギリス
- 『黄色いからす』 - 日本
- 第23回ニューヨーク映画批評家協会賞
- 作品賞 - 『戦場にかける橋』
- 第10回カンヌ国際映画祭
- パルム・ドール - 『友情ある説得』 - ウィリアム・ワイラー監督、 アメリカ合衆国
- 第12回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『米』
生誕
編集- 1月15日 - マリオ・ヴァン・ピーブルズ、 アメリカ合衆国、俳優・映画監督
- 1月18日 - 秋野暢子、 日本、女優
- 1月24日 - 段田安則、 日本、俳優
- 2月1日 - ジャッキー・シュロフ、 インド、俳優
- 2月19日 - レイ・ウィンストン、 イングランド、俳優
- 2月28日 - ジョン・タトゥーロ、 アメリカ合衆国、俳優・脚本家・映画監督
- 3月20日 - ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ、 アメリカ合衆国、俳優
- 3月20日 - スパイク・リー、 アメリカ合衆国、映画監督・プロデューサー・脚本家・俳優
- 3月20日 - テレサ・ラッセル、 アメリカ合衆国、女優
- 3月29日 - クリストファー・ランバート、 フランス、俳優
- 3月30日 - ポール・ライザー、 アメリカ合衆国、俳優・コメディアン
- 4月29日 - ダニエル・デイ=ルイス、 イングランド、俳優
- 5月5日 - リチャード・E・グラント、 イングランド、俳優
- 5月8日 - かたせ梨乃、 日本、女優
- 5月14日 - 佐戸井けん太、 日本、俳優
- 5月21日 - ジャッジ・ラインホルド、 アメリカ合衆国、俳優
- 6月23日 - フランシス・マクドーマンド、 アメリカ合衆国、女優
- 7月4日 - 眞野あずさ、 日本、女優
- 7月9日 - ケリー・マクギリス、 アメリカ合衆国、女優
- 7月13日 - キャメロン・クロウ、 アメリカ合衆国、映画監督・脚本家
- 7月17日 - 大竹しのぶ、 日本、女優
- 7月30日 - 堀内賢雄、 日本、声優
- 8月9日 - メラニー・グリフィス、 アメリカ合衆国、女優
- 8月18日 - デニス・リアリー、 アメリカ合衆国、俳優・コメディアン・脚本家
- 8月18日 - 名取裕子、 日本、女優
- 8月24日 - スティーヴン・フライ、 イングランド、コメディアン・作家・俳優
- 8月26日 - 難波圭一、 日本、声優
- 8月28日 - リック・ロッソヴィッチ、 アメリカ合衆国、俳優
- 8月28日 - ダニエル・スターン、 アメリカ合衆国、俳優
- 9月12日 - レイチェル・ウォード、 イングランド/ オーストラリア、女優
- 9月12日 - 戸田恵子、 日本、女優・声優
- 9月21日 - イーサン・コーエン、 アメリカ合衆国、映画監督・俳優・プロデューサー・脚本家・編集技師
- 10月5日 - バーニー・マック、 アメリカ合衆国、俳優・スタンドアップコメディアン
- 11月30日 - 田口トモロヲ、 日本、俳優
- 12月10日 - マイケル・クラーク・ダンカン、 アメリカ合衆国、俳優
- 12月13日 - スティーヴ・ブシェミ、 アメリカ合衆国、俳優
- 12月17日 - 夏目雅子、 日本、女優
- 12月19日 - 小杉十郎太、 日本、声優
死去
編集日付 | 名前 | 国籍 | 年齢 | 職業 | |
1月 | 14日 | ハンフリー・ボガート | 57 | 俳優 | |
3月 | 25日 | マックス・オフュルス | 54 | 映画監督 | |
5月 | 12日 | エリッヒ・フォン・シュトロハイム | 71 | 映画監督 | |
7月 | 4日 | ジュディ・タイラー | 24 | 女優 | |
24日 | サシャ・ギトリ | 72 | 劇作家・俳優・映画監督 | ||
8月 | 7日 | オリヴァー・ハーディ | 65 | 俳優 | |
10月 | 29日 | ルイス・B・メイヤー | 73 | 映画プロデューサー | |
11月 | 4日 | ノーム・ファーガソン | 55 | アニメーター | |
12月 | 11日 | ミュジドラ | 68 | 女優・映画監督 | |
25日 | シャルル・パテ | 94 |
映画デビュー
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 『松竹九十年史』では「ベニス国際児童映画祭」が「ベニス記録児童映画祭」、月日は「8月」となっていて[5]、『東宝五十年史』では「ベニス国際児童映画祭」が「第四回ヴェニス記録映画祭」、月日が「9月」となっている[7]。また、桜映画社の公式サイトでは「ベニス国際児童映画祭グランプリ」が「ベネチア国際映画祭グランプリ(児童劇部門)」になっている[8]。
- ^ 橋本忍記念館の公式サイトでは「モスクワ国際映画祭」が「(モスクワ)フィルム・フェスティバル」、「金メダル賞」が「金賞」となっている[9]。
- ^ 〔引用者註〕『年表・映画100年史』と『松竹九十年史』では「5月改称」となっていたが[2][5]、公式サイトの「6月の改組新発足」を採用した。
- ^ 〔引用者註〕『松竹九十年史』では「1958年2月設立」・「全国興行環境衛生同業組合連合会」となっていたが[5]、全興連の公式サイトに従った。
出典
編集- ^ 松竹 1985, p. 682.
- ^ a b c d e f g h i j k 谷川 1993, p. 130.
- ^ a b c d e 東宝 1982b, p. 75.
- ^ “標高八、一二五メートル マナスルに立つ”. キネノート. キネマ旬報社. 2019年12月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 松竹 1985, p. 683.
- ^ “「お姉さんといっしょ」- ベニス国際児童映画祭グランプリ受賞映画”. 医書ジェーピー. 保健婦雑誌 14巻9号(1958年9月) (1958年9月10日). doi:10.11477/mf.1662201720. 2019年12月26日閲覧。
- ^ a b c d e 東宝 1982b, p. 77.
- ^ “歩んできた道 沿革・主な受賞歴”. 桜映画社. 2019年9月15日閲覧。
- ^ “橋本忍記念館 主な受賞歴”. 兵庫県市川町公式ホームページ. 兵庫県市川町. 2019年9月16日閲覧。
- ^ a b c d e 石原良太 1986, p. 89.
- ^ “ヌーベル・バーグ(英語表記)nouvelle vague[フランス]”. コトバンク. 2023年10月30日閲覧。 “(前略)週刊誌《レクスプレス》で1957年の9月から12月にかけて(後略)”
- ^ “松竹の歴史 作品 1950 -”. 松竹公式サイト. 松竹. 2023年12月10日閲覧。
- ^ “第14回 ゴールデングローブ賞(1957年)”. 映画.com. 2023年12月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g 東映 1992, p. 24.
- ^ a b c d e f 東宝 2010b, p. 210.
- ^ 日活 2014, pp. 60, 63.
- ^ a b c d e f g h 東宝 1982b, p. 76.
- ^ 日活 2014, pp. 60, 76.
- ^ “勝利者”. 日活公式サイト. 日活. 2023年3月8日閲覧。
- ^ “異議の決定 異議2019-900178” (pdf). 特許庁. 2023年11月2日閲覧。 “(前略)申立人は,1957(昭和32)年5月15日に設立された,「財団法人日本映画海外普及協会(ユニジャパン・フイルム)」を前身として(後略)”
- ^ a b “団体概要 歴史”. 日本映画製作者連盟. 2019年9月14日閲覧。 “昭和32年6月「社団法人日本映画製作者連盟」に改組新発足。松竹(株)・東宝(株)・大映(株)・東映(株)・(株)新東宝・日活(株)の6社で構成。”
- ^ “地獄花(1957)”. キネノート. キネマ旬報社. 2019年9月15日閲覧。 “6月25日公開”
- ^ “異母兄弟”. キネノート. キネマ旬報社. 2019年12月24日閲覧。
- ^ 東宝 2010b, pp. 210–211.
- ^ “月下の若武者”. キネノート. キネマ旬報社. 2019年9月15日閲覧。 “7月9日公開”
- ^ “抱かれた花嫁”. キネノート. キネマ旬報社. 2019年9月15日閲覧。 “7月14日公開”
- ^ a b c d e f g h 東宝 2010b, p. 211.
- ^ “水戸黄門(1957)”. キネノート. キネマ旬報社. 2020年4月6日閲覧。
- ^ “東映クロニクル”. 東映公式サイト. 東映. 2020年4月1日閲覧。
- ^ “全興連について - 全興連概要”. 全国興行生活衛生同業組合連合会. 2019年9月16日閲覧。 “設立日 S.32.11.14”
- ^ a b 東宝 1982b, p. 78.
- ^ 日活 2014, pp. 60, 80.
- ^ “花吹雪 鉄火纏”. 日本映画製作者連盟公式サイト. 日本映画製作者連盟. 2023年3月18日閲覧。
- ^ 角川春樹、藤岡和賀夫、阿久悠『ザ・ブーム』角川書店、1982年1月25日、206頁。
- ^ 週刊朝日 編『戦後値段史年表』朝日新聞出版〈朝日文庫〉、1995年、23頁。ISBN 4-02-261108-1。
- ^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ a b “過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
- ^ “夜の牙”. 日活. 2018年8月26日閲覧。
- ^ “ノートルダムのせむし男”. allcinema. 2018年8月27日閲覧。
参考文献
編集- 石原良太 編『映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集 : 栄光と虚栄・アカデミー賞からヨコハマ映画祭』芳賀書店、1986年6月。ISBN 4-8261-0520-7。
- 松竹『松竹九十年史』松竹、1985年12月。全国書誌番号:87001945。
- 谷川義雄『年表・映画100年史』風濤社、1993年5月。ISBN 4-89219-113-2。
- 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746。
- 東宝『東宝五十年史』東宝、1982年11月。全国書誌番号:83041631。
- 渋沢社史データベース版(1982年11月刊行本が底本)
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。
- 日活『日活100年史 = Nikkatsu-celebrating 100 years of history』日活、2014年3月。全国書誌番号:22411179。
- 山川浩二『昭和広告60年史』講談社、1987年。ISBN 4-06-202184-6。